ひろたか    セミファイナルAブロック4位
漫才/高田の先祖
高田:2年間暖めたネタです。
広川:長すぎて若干パサパサになりました。どうぞ。
逆にコクが出るって可能性もありますよ。2期ぶり4度目のファイナル!ひろたか!

高田:さぁ、鬼を決めるぞ。

広川:・・・どうも、ひろたかです。漫才やりますからね、漫才!

高田:なぁ、とにかくジャンケンだけでもしようぜ、ジャンケン!鬼決めようぜ!

広川:何がしたいんだよ!舞台上で鬼ごっこでもする気か?

高田:な、な、じゃあ行くぞ!?ジャーンケーン・・・

広川:ええっ!?


(高田:パー 広川:グー)


高田:・・・よっしゃぁ!!お前鬼ー!

広川:はぁ・・・

高田:さーて、どうやって鬼退治しようかなぁ・・・

広川:え、え、何?鬼退治!?だからいったい何がやりたいんだよ、お前は!?

高田:いや、だから鬼退治って言ってるじゃないか。

広川:やっぱり鬼退治なのかよ!お前は桃太郎か!

高田:はぁ?

広川:・・・へ?

高田:俺が・・・この俺が桃太郎だと?そんなワケないだろ!!

広川:いや、何も本気でお前のことを桃太郎だとは思っちゃいないよ!
   単なる例えツッコミというか何というか・・・

高田:俺は桃太郎じゃない!俺は桃太郎じゃない!

広川:だから思ってないってば!何そんなにムキになってるんだよ!

高田:何故ならなぁ、何故ならなぁ・・・

広川:いや、何でとかそういう問題じゃないだろうに。

高田:桃太郎はなぁ、俺の先祖なんだよ!!

広川:・・・・・・はぁ?

高田:そんな桃太郎の血を引き継いでるからなんだろうな、俺には鬼退治欲求があるっていうか・・・

広川:いや待て待て!話がよく掴めないよ!
   桃太郎っておとぎ話上の人物だよな?子孫とかいるの!?

高田:あぁ。だからこの俺が子孫って言ってるじゃないか。

広川:って言われてもなぁ・・・何か根拠でもあるのかよ?

高田:そうだなぁ。例えば、桃太郎って桃から生まれてるじゃないか。
   だから子孫の俺もその名残なのか、桃の香りが懐かしかったりするんだ。遺伝のせいだろうな。

広川:本当かよ!?遺伝とかそういう問題なのか?

高田:あぁ。あと桃について言えば、幼い頃はもう毎日朝から晩まで桃食べてたな。
   その頃は手で食べたりして、体中ベトベトになったものですよ。懐かしいなぁ・・・

広川:うーん・・・ってちょっと待てよ。
   桃の香りが懐かしいってのは、遺伝とかじゃなくて毎日食べてたからじゃないのか?

高田:え、そうなの!?

広川:いや、聞かれても困るけどさ。桃から生まれた名残が遺伝とか聞いたことないから。
   ってかそもそも、お前が桃太郎の子孫って事自体有り得・・・

高田:あっ!そうか。それはきっとウチの親が、
   「あんたは桃太郎の子孫だ」ってのを自覚させるために俺に桃ばっかり食べさせたんだ、そうに違いない!

広川:どんな発想だよそれは!?
   だいたい、桃太郎の子孫である事をそんな遠まわしに伝える意味が分からないよ!

高田:そういえば、田舎に帰るたびに祖父の柴刈りや祖母の洗濯を手伝わされたりもしたなぁ・・・
   祖父は剣の稽古とかしてくれたし、あと祖母がよくキビダンゴ作ってくれた!

広川:ありゃ、何か知らないけど祖父母さんはお前を桃太郎に仕立て上げたかったようで。
   そりゃお前が勘違いするのも無理ないや。

高田:だから勘違いじゃないって!桃太郎家先祖代々の子供の育て方だって!

広川:うーん、そう言われてもなぁ・・・

高田:そうだ!桃太郎って、犬、猿、キジがお供になってたよな?
   実は俺や俺の周辺、犬、猿、キジ的な人が結構いたりするんだ。
   これはもう、俺が桃太郎の子孫っていう最大の証拠だよな!?

広川:いや、根本的に意味が分からないから!どんな強引な理屈だよ!
   まず「イヌ、サル、キジ的な人」ってのが分からないし。

高田:そうだな、キジ的な人ってのは俺な。

広川:お前がキジ的な人?どういう意味だよ。

高田:何を隠そう、俺のひいおばあちゃんはキジなんだ!!

広川:・・・いやいやいや!突然何を言い出すかと思えば。

高田:いや、これが案外本当なんだって!家系図にもそう書いてあったし!

広川:何がどう書いてあればお前のひいおばあちゃんがキジってことになるんだよ!
   まず生物学的に有り得ないだろ。それはどう説明するんだよ?

高田:それがだな、桃太郎の子孫であるひいおじいちゃんが、ワナにかかったキジを助けたらしいんだ。
   そしたら後日ひいおじいちゃんの家に、「この間のキジです・・・」っていって女の人、つまりひいおばあちゃんが・・・

広川:うん待て待て。その話、そっくりそのまま鶴バージョンで聞いたことあるんだが。

高田:そう、まさにキジバージョンなんだよ!

広川:いや、「まさに」とか言われても。

高田:で、その後二人は結婚して子供を授かった、ってワケだ。

広川:・・・妙な説得力はあったが、やっぱり生物学的に納得いかないんだけど。

高田:とにかく!俺のひいおばあちゃんはキジってことで。

広川:はぁ。

高田:・・・で、次。猿的な人な!それはもう、お前。広川。

広川:いや何でだよ!俺のどこが猿なんだよ!

高田:だって、その手足の発達具合、知的な動き、霊長類っぽさ・・・
   これはもう、猿かそれ以上のモノでしか有り得ないだろ!

広川:それ以上のモノだよ!!猿に失礼かもしれないがそれ以上のモノだよおそらく!!
   だいたい、それは俺に限った事じゃねえよ!お前を含む他の人間にも当てはまるだろ。

高田:!!言われてみればそうだなぁ・・・

広川:だろ?考えようによっては人間みんな猿的な人だって。

高田:・・・って事は、俺はキジ的な人でもあり、猿的な人でもあったのか!!
   うわ、俺どう考えても桃太郎の子孫じゃん!

広川:だからどうしてそういう理屈になるんだよ!!そこが全く分かんねえよ!

高田:あーでもなぁ・・・さすがに俺自身は犬的な人ではなさそうだなぁ・・・

広川:・・・どういう意味だよ?

高田:ただまぁ、間違いなく俺の近くに犬的な人がいるぞ。

広川:うん、だからまずお前の考える犬的な人から聞こうか。

高田:俺の隣に、「犬飼さん」って人が住んでるんだ。

広川:・・・だから?

高田:いや、どう考えたって犬飼さんは犬的な人だろ!!

広川:そりゃまぁ、「犬」って付いてるからな!それ以上でもそれ以下でもないだろそれ。

高田:それだけじゃないんだ、俺が前住んでた所では2件隣が「犬山さん」だったし!

広川:うん、やっぱり「だから?」としか言えないや。

高田:と、とーにーかーく!!
   俺や俺の周りには犬・猿・キジ的な人がいるの!
   だからそんな俺はそいつらを従える桃太郎の子孫なの!

広川:・・・高田、お前な。
   キジ的な人についてはよく分からないが、
   今言ってたような「猿的な人」には全人類が該当するし、
   「犬的な人」だって、日本人の数割は該当すると思うぞ?
   それを以ってお前が桃太郎の子孫だとするには少々強引過ぎやしないか?

高田:う・・・そ、それはだな、

広川:さらに言えば、お前のひいばあちゃんキジなんだよな?
   だとすれば、桃太郎の子孫である前にまずキジの子孫だってのが、よりお前のアイデンティティになるんじゃないのか?

高田:そ、そんな・・・

広川:ってか、お前のひいばあちゃんがキジって話、本当かよ!?
   普通に考えたらまずその時点で有り得ねえよ!

高田:いや、でも俺は確かに親に聞いたんだ・・・

広川:お前の親が何を考えてたかは知ったこっちゃない。
   ・・・ただまぁ、一つ言える事がある。
   お前は、別に桃太郎の子孫でも何でもない。

高田:んなワケあるかぁぁぁぁっ!!!

広川:普通に考えてみろよ?大体、桃太郎っておとぎ話だぜ?

高田:ってかさ、だいたいお前さっきから何なんだよ!?俺を追い詰めるような発言ばかりしやがって!!
   お前はアレか、鬼か!!

広川:いや、鬼とか言われても。

高田:はっ・・・鬼・・・!?

広川:・・・どうした?

高田:広川、お前まさか・・・

広川:何なんだよ、まさか俺が鬼的な人だとでも言いたいのか?

高田:冒頭で俺にジャンケンで負けて鬼になったから、そんな鬼のような発言してるのか!?

広川:・・・いや、別にそういう事ではねーよ!!
   冒頭でジャンケンした事なんかすっかり忘れてたよ!

高田:な・・・作って鬼のキャラになってたワケではない、だと!?

広川:そりゃそうだよ。誰がジャンケンで負けて鬼のような厳しさを演じるんだよ。

高田:・・・ってことはお前もう、真性の鬼ってことじゃねーか!

広川:いや何だよ、「真性の鬼」って!!

高田:お前・・・さてはあの時の鬼の子孫だな!?

広川:だから待てって!何で俺が鬼の子孫ってことになるんだよ!
   ってか「あの時」っていつだよ!

高田:あの時と言えばあの時に決まってるだろ!
   我らが桃太郎が、鬼が島に行って鬼を退治した時だよ!!

広川:知らねえよ!!ってか、仮に俺が鬼の子孫だったところでどうなんだよ!?

高田:フン・・・
   長年積もり積もったご先祖様の恨み、ここで晴らしてくれる!!

広川:・・・いや、恨みも何も桃太郎が勝ってるよな!?おそらくだけど。

高田:・・・と思ったが、よく考えたら俺はさっきお前にジャンケンで勝っていた!!
   この勝負、俺の勝ちだ!!

広川:あれ勝負扱いなの!?
   冒頭のさりげないジャンケンにどれだけウエイト置こうとする気だよ!!

高田:おい、鬼の子孫!!

広川:・・・・・・ったく、面倒臭えな。何だよ?

高田:・・・お前、桃太郎の子孫である俺に負けたんだよな?

広川:あぁ、負けたよ。それがどうしたんだ?

高田:だったらその賠償として金銀財宝をよこせ!!

広川:お前に桃太郎の子孫としてのプライドはないのか!!
(遠くでろぺすさんの声が聞こえる廊下…)



高田:・・・・・・
広川:・・・うーん、後半勢いだけだったよなぁ・・・
高田:俺たちももう限界なのかなぁ・・・
広川:方向性を考え直してみるか・・・

7組目 ひろたか






くるぶしソックス    セミファイナルBブロック3位
コント/摩擦係数0
おまりー:コントの発想元となった浅田マオーさんに感謝です!
えっと……それは有名な方でいいんですよね?2大会ぶり2度目のファイナル!くるぶしソックス!

浅田ワオの演技は流石だな。
俺は誰ともなしに巻き起こったスタンディングオーベーションにつられながら、
そのような事を考えていた。
今、ここ宮崎のアイススケートリンクで行われている全日本フィギュアスケート
選手権は、最終滑走者を前に素晴らしい熱気に包まれていた。
満点を叩き出した浅田ワオは飛び跳ねるようにして喜んでいる。

優勝は決定的だろう、もう帰るか。
そう思い立ち上がった時に、ポケットからパンフレットが滑り落ちた。
ったく、面倒だな。
俺は顔をしかめながら屈み、パンフレットを取ろうと手を伸ばす。

その時に、目に入ってしまった。
浅田マオーの次に滑る、最終滑走者の氏名を。

その時、アナウンスが鳴り響いた。


「それでは最後の滑走者、メイショウオマリーです」


名前が、凄い。
なんか競走馬みたいな名前しとる。サムソンみたいな名前しとる。


いや待て待て、こいつがおまりーとは限らない。俺の相方のおまりーとは限らない。
そうだそうだ。偶然オマリーとついてしまっただけかもしれない。
そんなまさかそんな、運動音痴のおまりーがスケートなんて出来るはずがない。


俺の希望が的中している事を祈りながら、固唾を呑んで見守る。

直後、ゲートが開き、「メイショウオマリー」が出てきた。




おまりーが、アルパカに、またがっていた。


やっぱりね、氷の上は寒いからね、アルパカの体毛で暖まって、



バカじゃねえのこいつ。


おまりーは俺の予想より7週半先をいっていた。光速でバカだった。なんなんこいつ。
しかし、俺の意に反して場内は超ヒートアップしていた。激アツだった。
「ア・ル・パ! ル・パ・カ! カ・パ・ル! お・ま・り!」
なんかどうしようもないコールが沸き起こる。なんでアルパカなの。


やがてアルパカにまたがったおまりー(メキシカンスタイル)が両手を広げる。
ポンチョがふわりと揺れる。
一挙にして静まり返る客席。


そしておまりーは、叫んだ。



「勝ちたいんやーッ!!」


それメイショウじゃなくてトウショウやん。トウショウホシノやん。


直後に猛烈な客の雄叫びと共に、ロッキーのテーマが流れ出した。

パンパカパンパンパカパンパン
パンパカパンパンアルパカパン

テテーテー、テテーテー....

気付けば観客達はランニングシャツ一丁となり、上着をヘリコプターのように振り回していた。
審査員達も『10』と書かれたボタンを連打していた。
握りこぶしを高く掲げるおまりー。
シャカシャカシャカと必死に、滑ってこけぬよう足をばたつかせるアルパカ。

むさ苦しいにも程がある。アルパカすごい頑張ってる。ちょっとリンクすり減ってる。アルパカすごい頑張ってる。
ていうかおまりーなんもしてないやん。無駄に「俺頑張ってる」みたいな顔して右手上げてるだけやん。


すると、おまりーが左ポケットから何かを取り出した。そして、顔にそれを近づけた。

スポイトだった。
コイツ、汗作り出してる。「俺頑張ってる」感を増長させるが為にスポイトで水滴たらしてる。だが実際は殆ど動いていない。
氷上での熱い戦いを演じてるかのようにスポイトで水滴垂らしてる。だが実際は何もしていない。

反則だ。
主に、存在が反則だ。


ふと、隣から鼻をすする声が聞こえた。俺はその音がする方向を見やった。

浅田ワオが、泣いていた。


なんなんコレ。もしかして感動してるのコレ。
おかしい。アルパカにまたがってスポイトつけてる男見て泣くとか涙腺が世紀末、いや聖飢魔�兇砲覆辰討襪箸靴�思えない。


隣の彼女に呆気に取られている間に、どうやらロッキーおまりーは終了したようだ。
しかし、俺は安堵できなかった。
観客は拍手を送っていない。スケートリンク上のおまりーもお辞儀をしていない。ていか微動だにしていない。
どうやら、このどうしようもないダンスには続きがあるようだ。


会場に、Mr.マリック的な音楽が、妖しげな音楽が流れ始めた。
その音楽が鳴り始めたのを確認すると、おまりーはおもむろに自らの両肩に被さっているポンチョを手に取った。
そして、自らの顔をそれで隠した。
どよめく場内。


何をする気だろうか。まさかマジッ・・・


俺がそう考える間も無く、おまりーがポンチョから手を離した。




そこには、どこかで見た事のある顔が、トリノオリンピックで金メダルとってそうな顔があった。


なんだこれ。



そして一言、彼は言った。



「今晩は、亀井静香です」



会場が、今日一番のヒートアップを見せた。
観客達は思い思いの方法で自らのタンクトップを引きちぎりつつ「イナッッバウワァーッ!!」と叫び、
浅田ワオは筆と便箋を手にとると「拝啓 亀井静香様」と書き初めた。
アルパカの足取りは遅くなっていた。


カ
オ
ス
 。


マジックの意味も分からないし、ここが一番の盛り上がり所となった理由も分からないし、
浅田ワオは無駄に達筆だし、アルパカの表情には疲れが見える。

そして、人を間違えている。静香は静香でも、それ国会議事堂に居るほうの静香だ。
眼鏡かけて七三分けにして民主党に激しく噛み付いてるほうの静香だ。
おまりーもおまりーだが、会場も会場だ。なんで間違えるんだ。
なんであんなオッサンが華麗に腰曲げるとインスピレーションが湧くんだ。


全く俺には理解できないオーディエンスウェーブが終了するのに、15分を要した。その間に何人か、担架で運ばれていった。


そして会場の盛り上がりはひと段落するのを待って、亀井おまりーは叫んだ。


「今からおもしろいこと言います!」




こいつ目的見失ってやがる。


こいつ自分が立っている場所が分かっているのだろうか。そこがアイスリンクの上だと分かっているのだろうか。
フギュアスケートなのにこいつ全然滑ってねえよ。もうアルパカだけでもいいから滑走しろよ。

氷よりも冷え切った俺の心とは裏腹に、会場は三度火山口のような熱気に包まれる。
浅田ワオは「ワーオ!!」と叫ぶ。
アルパカはもはや生まれたての子馬と変わらぬ状態となっている。めっちゃ足ガクガクしてる。

おまりーは、亀井おまりーは深く深く息を吸い込んだ。
一瞬の静寂。アルパカのシャカシャカ音のみが響き渡る。


そして。




「大変だ、スケートリンクが溶けてるよ!
 でも大丈夫、助けて欲しければhttp://SUKETTO.htmlをクリックするんだ!
 これがホントの助っ人リンク!



 
 はい、んな訳アルパカ、アルパカ!!」











静寂に包まれた電光掲示板に、
「you want die」の文字が表示された。
無言で上着をはおりだすオーディエンス。

手紙を破り捨てた浅田ワオの隣で、
俺は帰り支度を整えた。


どうやら、最後の最後におまりーはやっと、滑ったようだ。

(おまりー家のリビング)

おまりーのおとん:あー…


          今人生で一番ケツ痒いわ…

8組目 くるぶしソックス






リリコミンストレルショー    6代目チャンピオン
漫才/バンディット町々のサタデーミッドナイトラジオ
悪原:♪真っ赤なお鼻のー! 町々さんはー! いつーもみーんーなーのー!
町々:………。(悪原の母親の行動パターンの書かれた紙を胸元からそっと取り出す)
悪原:に、人気ーで モテモテーで 女にモテモテーで 人気ーものー……。
町々:そんな意気込みでチャンピオン大会に挑みます。どうぞ。
悪原:かかってきたまえ!
要するにいつもとあまり変わらないってことですね。史上初の防衛なるか!?リリコミンストレルショー!

町々:どうもー、リリコミンストレルショーですー!
悪原:いやー、僕らも職業柄色々な所で漫才させて貰うんですけどね、やっぱり場所によってネタも考えなきゃいけませんよね。
町々:あー、ありますね。老人ホームの営業とか、なかなか若者の話題をフれないんですよ。
悪原:そうそう。十八番の「お年寄りがナチスの作り出した巨大ムカデに頭を潰される」ってネタも使えませんからね。
町々:そんな十八番は無いよ! そしてどう笑えば良いんだよそのネタで!
悪原:珍しいといえば、刑務所とかの慰問もありますよね。
町々:ありました。お客さんがみんな終身懲役とかばっかりだったんで、ヒヤヒヤしながらネタをやりまして。
悪原:囚人相手にどんなネタやれば良いのかも分からないじゃないですか。
町々:だから看守さんに聞いてみると、「どんなネタやっても良いけど、まー泥棒ネタだけはやらないように」なんて言われるんですよ。
悪原:ま、もちろんやりましたけどね。
町々:やらなかったよ! そんなホームじゃなかったよ!
悪原:「泥棒がナチスの作り出した巨大ムカデに次々と頭を潰される」ってネタを。
町々:だからナチスの生物兵器のネタなんかやったこと無いですから!
悪原:と、漫才みたいなやり取りはこれでお終い! 何時も通りで行こうかー! ウヒャッホーゥ!
町々:漫才タイム終わった! ちくしょう、今回くらいは楽しく漫才が出来ると思ったのに! こいつの前で希望なんか持つんじゃなかった!
悪原:今の話を総合して俺さあ! ラジオのパーソナリティーになって悩み相談に答えるイケメンなお前が見たいんだよ!
   今すぐにバンディット町々のサタデーミッドナイトラジオ放送してくれよ! ラジオォォーッ!!
町々:はあ?
悪原:短くして、「ケロイド」、なんだよ! バンディット町々のサタデーミッドナイトラジオ放送してくれよぉー!
町々:どう短くなったんだよ! いや、お前俺になんて願望もってんの……?
   なんかヤだよ……勝手に付けられた芸名で泥棒扱いされてるし……。
悪原:スリーツーワン、キュー! ほら、町々さん本番始まってますよ!
町々:強引! お前と言う存在がもはや暴力だな。
悪原:ぎゅぎゅぎゅぎゅぎゅっぎゅぎゅー、ぎゅっぎゅーぎゅ。ぎゅっぎゅぎゅー、ぎゅっぎゅーぎゅ。
町々:えー、何この気味の悪いとなりのトットローなオープニング……。やる気失せるな……やれやれ。
   ……皆さんこんばんはー! 『味気無い、土曜深夜をメロン味』、サタデーミッドナイトラジオの時間です。
   今宵のお相手も私、バンディット町々がお送りさせていただきます。……『あなたのハート、3.5秒で盗んじゃうゾ★』!
悪原:すげえ! ノリノリだ!
町々:それでは早速恒例のコーナー行ってみましょう、『バンディット町々のお悩み相談室』ー!(ドンドンパフパフ)
   はい、このコーナーはね、私バンディット町々が悩めるリスナーの方々から寄せられた悩み相談に乗ってしまおうと言うコーナーです。
   それでは今週の一通目から。えっと……。
悪原:東京都にお住まいのラジオネーム、『悪原』さんからいただきましたー!
町々:お前、かよ……っ!
悪原:『バンディットさん、こんばんはー!』
町々:……こんばんは……。
悪原:『悩みがあるんです、聞いてください!』
町々:え、やだ……。
悪原:『悩みがあるんです、聞いてください!』
町々:だから、やだ……。
悪原:『聞いてください!』
町々:やだっつってんだろ! 殺すぞ!
悪原:ヤッター! では次のお便りにうつりましょう。
町々:良かった……。
悪原:二通目は東京都にお住まいのラジオネーム、『悪原』さんからいただきましたー。
町々:って切っても切っても同じ差出人かよ!?
悪原:『カンカン照りの日に虫眼鏡で太陽を覗いたら、右目が失明してしまいました! どうすれば良いでしょうか!?』
町々:じゃあ今度は左目で太陽を覗くと良いんじゃないかな!
悪原:ヤッター! それでは三通目は東京都にお住まいのラジオネーム、『悪原』さんからのお便りです。
町々:なんだこのシステム……! こうやって悪原から沢山手紙が来るの……!?
悪原:『バンディットさん僕の悩みを聞いてください! 僕男なんですけど、どうしても女子高で学びたいんです!』
町々:じゃあもう乗り込むだけ乗り込めば!?
悪原:ヤッター! では四枚目のお便りは、東京都にお住まいのラジオネーム『悪原』さんからー。
町々:なにこの生き地獄……。
悪原:『バンディットさん僕の悩みを聞いてください!
    服の中でてんとう虫を越冬させているせいか友達が出来ません! どうしたらいいんでしょうか!』
町々:服の中でてんとう虫越冬させてるせいだよ! それ無きゃ普通に生きてれば友達出来るよ!
悪原:ヤッター! 続いて五枚目のお便りは東京都にお住まい、ラジオネーム『悪原』さんからです。
町々:どうしたいのコイツ……? 世界中のみんなを苦しめたいの……?
悪原:『バンディットさん聞いて下さい! ノートパソコンに齧られました! どうしたら良いんでしょうか!』
町々:ここに持って来い、キットカットみたいに折ってやる!
悪原:ヤッター! さて、では六枚目のお便りは東京都のラジオネーム『悪原』さんからですね。
町々:もーやだー! どしどし来んなよー! ネタ全部これで通す気かよー! 
悪原:『バンディットさん大変です! 睡眠薬を必要以上に飲んでしまいました! 意識が遠のいています!』
町々:南無阿弥陀仏って三回唱えると極楽浄土に行けるらしいぞ!
悪原:ヤッター! 七枚目のお便りは東京都からラジオネーム『悪原』さんー。
町々:悪原って本当に最低なヤツだな! 悪原って本当に最低なヤツだな!
悪原:『バンディットさん教えてください、キルスティンティン=ダンストントンって何者ですか!?』
町々:キルスティン=ダンストだろぉ!? 何なんだその愉快な感じ! 映画スパイダーマンのヒロイン役の人だよ!
悪原:ヤッター! 次のお便りです、八枚目は東京都にお住まいのラジオネーム『悪原』さんからー。
町々:ちっくしょー! こいつボケの魔物だ! ボケ魔物!
悪原:『バンディットさん僕の悩みを聞いてください。僕男なんですけど、何もやましい気持ちとかそんなんじゃなくて、
    ほんとうに、ほんっとーうに真剣な気持ちで、女子高
町々:良いよお前なんか別にどうなったって! 言い繕ってんじゃねえ! 勝手に通え!
悪原:ヤッター! 九枚目のお便りは東京都にお住まいのラジオネーム『悪原』さんからー。
町々:てゆーか、いいかげんそのヤッターは何なんだよ……。
悪原:『ハッ! 毎回聞いているこのラジオ、実にくだらない。だいたい、ヤッターとは何なのかね? 面白いのかね? あぁん?』
町々:ウザっ!! 俺だって知らねえよそんなこと! だったら二度と聞くんじゃねえよ!
悪原:ヤッター! それでは十枚目のお便りです。東京都にお住まいのラジオネーム『悪原』さんからです。
町々:良くそのままのテンションでヤッターとか言えるなお前……。
悪原:『キルスティンティンティティン、ダンストントントトン、キルスティンティンティティン、ダンストントントトン、トン』
町々:……もはや読むに値しねえだろこんなお便り!
悪原:ヤッター! 十一枚目のお便りは東京都の『悪は
町々:レイディオォォォォ!!!(ばきっ!)
悪原:ステイチュゥゥンッッ!! ……どさっ。
町々:はぁっ……はあっ……この野郎……。
悪原:キ……キスしたね……二度もキスした! 親父にもキスされたことないのに!
町々:殴ったの! 俺がどれだけバンディットだとしてもお前の唇は奪わねえよ!
   って何これもうやだ! 何なんだよこの執拗かつ変質的なボケ攻撃! 俺を狂わす気かてめえ!?
悪原:え、えええ? もうやだって……。お前、この二億枚ものお便りどうするつもりなんだよ!
町々:二億!? このまま続いてたら二億!? 拷問じゃねえか! 漫才の皮を被った拷問じゃねえか!
悪原:まったく、何が悪かったんだよ……お前のパンチの時の掛け声か?
町々:そのせわしないシステムだよ! 誰が自分のパンチの時の掛け声に不満を感じながらその事についてパンチ繰り出すんだよ!
悪原:そうか……そんなに気に入らなかったのか。じゃあもうお悩み相談はお預けだな……女子高に入りたがるお便り、あと一億枚あったのに。
町々:女子高の件が一億回!? あと一億回も天丼する気だったの!?
   てゆーか、そんなことより! 何よりも一番気になる事があるんだよ!
悪原:何さ?
町々:……ヤッターは……なんなんだ……。
悪原:あぁ、それ?
町々:全体的に他は許せるんだよ! この子ヤバいから仕方ないな、で許せるんだけど、
   たったひとつ、ヤッターだけがそれそのものの意味も存在意義も、何が起きてるかすら分かんなくてずっと気になってて……!
悪原:ヤッターはね、ヤッターマンの映画が面白かったから入れてみたんだ。
町々:……それだけ?
悪原:うん、それだけ!
町々:…………。
悪原:…………。
町々:……レイディオォォォォ!!!(ばきっ!)

二人:どーもで。
市河:リリコミンストレルショーのお二人でしたー。



悪原:終わったー。なーなー、これからどこに食べに行くー?
町々:お前なんかに教えるか。
悪原:そうかー。

9組目 リリコミンストレルショー






灯風    セミファイナルAブロック4位
漫才/君叶い給え 〜青沢市Live Ver〜
ゴウ:ファイナルに来たことは事実なんだよ!

ナオ:そうだ!

ゴウ:だからなんでもやってやるんだよ!

ナオ:そうだよ見とけ!!
漫才での成績は良いと言えないが、自信作なら関係ない。3期ぶり2度目のファイナル!灯風!

ナオ:灯風ですー!よろしくお願いしますねー!
   ファイナルということでね、がんばっていきたいなーと思ってるんですけどね……

ゴウ:俺、ビオレママになりたい。

ナオ:…うん、どうした?

ゴウ:ビオレママになりたいんだけど、どうすればいいだろう。

ナオ:うん、とりあえず脈絡つけて!…なに、ビオレママってどういうことよ!?

ゴウ:確かに、一気にビオレママになるのは難しいと思う。

ナオ:人の話聞いて!キミの言動を理解する方が、僕には難しいんだよ!

ゴウ:だから、まずはビオレになろうと思うんだ。

ナオ:もう置いてけぼりですけどね、なればいいじゃない!ならなればいいじゃない!

ゴウ:それで毎日努力してるんだけど………どう、ビオレになってる?

ナオ:うーん、おそらくだけど、確実になってないね!なってたらキミを使ってシャンプーしてあげるよ!

ゴウ:やはり努力不足か……

ナオ:人間の能力的に無理なんだよ!気付いて気付いて!

ゴウ:よし、何がいけなかったのか考えてみよう。

ナオ:その意欲は認めるけど、できれば根本から考え直して欲しいんだけどね!

ゴウ:とりあえず、「ビオレ、ビオレ…」とつぶやくようにしてるんだ。

ナオ:方法が方法だよ!なに、それでビオレになるの!?僕わからないなー!

ゴウ:風呂の時とか特に……な。

ナオ:なんというか、キミのビオレ観がおかしいと思うよ!まあビオレ観という言葉を使うことなんてこれから先ないだろうね!

ゴウ:ここまでしてるんだから、鼻水ぐらいはビオレになっているはずだ。

ナオ:たらーんと垂れてくる鼻水で髪洗えってか!新しいよ、新しいけど僕なら嫌悪感が勝るよ!

ゴウ:しかし、何かが足りないようだ。

ナオ:うん、一番は常識だと思うな!

ゴウ:足りないもの、それは………声の高さだ。

ナオ:確実に違うよ!声の高さで変わるものじゃないと思うよ!

ゴウ:俺の「ビオレ」には…響くものがない。

ナオ:あってどうなるんだよ!僕わからないなー!

ゴウ:もっとこう、脳髄まで響き渡るような……そうだ、ビブラートがないと。

ナオ:あっても根本的に無理だよ!心にグッときてもどうしようもないよ!

ゴウ:……あっ、確かに「ビオレ」と「ビブラート」って似てるな。

ナオ:この上なく微妙だよ!一致してるといえばしてるけど、そうは認めたくないような、そんな微妙なレベルだよ!

ゴウ:というわけで、ビブラートを利かせたビオレを聞いて欲しい。

ナオ:あらー、頼まれたからには聞くよ!僕そういう人間!

ゴウ:ビブラートを利かせたビオレ………そうだ、「ビオバブレ」と名付けよう。

ナオ:語呂はいい!語呂はいいけど、ビブラート要素がそんなに入ってないんじゃないかな!そして「バ」はどこから来た!

ゴウ:じゃあいくぞ………ビオレェェェェエエーーーーー♪

ナオ:うっ、美しいビブラート!でも、どう反応すればいいかわかんない!

ゴウ:ビオレママァァァになろぉぉぉぉぉぉーーーーー♪

ナオ:CMの歌になってる!そんなオペラアレンジいらないよ!親しみが湧かないよ!

ゴウ:弱酸性ビィィィィーーーーオォォォォーーーーレェェェェェェェェエエーーーーー♪

ナオ:ミュージカルの締めみたいになってる!すっごい!すっごいクるけど、どうすればいいんだ!

ゴウ:………あっ、ビオレって弱酸性だ。

ナオ:おおう今ので気付いたんだ!これだけ言っておいて今気付いたんだ!気付いたところでどうかは知らないけど!

ゴウ:そうだ、ビオレになるためには弱酸性になればいいわけだ。

ナオ:…そういう発想で来たかー!嫌いじゃない、嫌いじゃないよその発想!でもなんかね!なんかズレてるんだよ!

ゴウ:弱酸性になるためには………ビオレの中に浸っておけばいいな。

ナオ:それはどうなの、どうなのよ!まあいい香りにはなるかもしれない!いい香りん子さんかもしれないけどさ!

ゴウ:でもそんな大量のビオレを買うのは厳しいわけだ。

ナオ:そこケチるんだ!ビオレビオレ言ってるんだから、花王にお金を落としてあげてもいいと思うんだけどな!

ゴウ:だから、気付いた。まずは自分がビオレになれば買わなくて済む。

ナオ:本末転倒だー!回っちゃうよ、論理がグルグル回っちゃうよ!どこか断ち切って!

ゴウ:そこでビオレになるために……ビオレになる………ビオレってなんだ?

ナオ:根本的な問題!うーん、シャンプーの一種だよという説明で納得してくれるとうれしいなうん!

ゴウ:ビオレビオレ…ビオレ………美俺…?

ナオ:なんか変換しちゃった!美しい俺って!?ナルシストにでもなっちゃうのかな!

ゴウ:そうか、俺が美しくなればいいわけだ。

ナオ:どんな理由であれ、美を追求する分には僕は止めない!存分に美しくなっちゃって!

ゴウ:なら、美しくなるためにビオレでシャンプーをしよう。

ナオ:ここでもビオレかー!出てくるんだやっぱ!頻繁だ、頻繁だね!

ゴウ:でもそんな大量のビオレを買うのは厳しい……

ナオ:おおうまた本末転倒する!回っちゃうよ、論理グルグル回っちゃうよロンリネスだよ!

ゴウ:だから自分がビオレに………ビオレ?あれ、分からなくなった…………

ナオ:ほら、言ってるそばから!

ゴウ:……頭使いすぎて疲れたな。

ナオ:そうだよ、人間には休息が必要だよ。

ゴウ:とりあえず、お風呂に入ろう。

ナオ:おっ、またビオレが出てきそうだぞ!

ゴウ:まずは、バブだ!

ナオ:花王の別商品!これでもかというほど花王!宣伝料でももらってんじゃないのー、このこのぉー!

ゴウ:疲れたから、バブ10個入れる勢いで、疲れを取ろう……

ナオ:って、バブには惜しみなく金使うんだ!そこをビオレに使おうよ!たぶん一発で問題解決するよ!
   そしてバブ10個は入れすぎだよー!シュワシュワなるよ、もうすさまじいくらいにシュワシュワなるよ!

ゴウ:そう、そのシュワシュワ感………「酸性」、という感じだろう……

ナオ:そういうとこも!細かいとこまで努力してる!でも“弱”酸性というよりは、わりと酸性強い気がするよ!

ゴウ:そうして酸性な感じを出して、浴槽から上がったら……次は、体を洗おう。やはり、美俺になるためには、念入りに体を洗わないと……

ナオ:おー、清潔さんだねー!

ゴウ:そこでキュキュットだ!

ナオ:洗剤!またしても花王だけど、洗剤!ものすごく洗剤!!ダメだよ体洗っちゃ!!

ゴウ:1回に1本使う勢いで、キュキュットで体を洗おう。

ナオ:ここでも惜しみなく!もう何が目的なのかわかんなくなってきたよ!そして洗剤で体洗っちゃダメ!!

ゴウ:それはもうご機嫌で、体を洗うわけだ。

ナオ:でもご機嫌なのはいいコト!

ゴウ:♪すすいだ瞬間、キュキュッと…………あれ、毛が……

ナオ:落ちてる!毛が抜け落ちてる!!ほら、洗剤使うから!!リアップでも使わないとダメになっちゃうよ!!

ゴウ:リアップはダメだ………他社だから……

ナオ:そういう拘り!!花王の手先足先か!かゆいところに手が届くってか!なに言ってんだ僕!

ゴウ:仕方ない、ここは次のステップ………なんと、髪を洗う!

ナオ:お、やっとビオレの出番!でも「なんと」はちょっと誇張かな!

ゴウ:ついに……ついにやってきたシャンプーの時!3日に1回、至福の時!

ナオ:いや、もっと洗おうよ!!3日に1回は少ないよー!さっきの清潔さん発言、撤回!撤回だー!

ゴウ:ビオレを使う前に、まずは………お祈りをしないと。

ナオ:お祈りとかあるの!?何の宗教、これ!?信者募集中!?そういうことなの、ねえ!?

ゴウ:そしてつぶやく、「ビオレ、ビオレ……」

ナオ:それお祈りなんだ!うわあ、なんと安直な祈り!!

ゴウ:そしてつぶやくこと300回。

ナオ:長いっ!!予想を裏切らない長さ!!

ゴウ:ついにビオレを使うとき……

ナオ:お、やっとだね!やったね!

ゴウ:全部プッシュせず、2/3だけ押し込むようにして、ビオレを出す。

ナオ:ケチい!とてつもなくケチい!でも経済的だからみんなは真似しよう!!

ゴウ:そうやってビオレを………あれ、ない!?

ナオ:…なくなったー!!このタイミングでなくなったー!!

ゴウ:どどどこかビオレ!ビオ……そうだ、自分がビオレに……

ナオ:ここで転倒ー!!本末転倒リターンズだよ!!

ゴウ:なっ、どこかはビオレになってるはず!!……そうだ鼻水なら!鼻水……あれ、赤い…

ナオ:鼻血!!鼻血出てる!!はい、ちょうど持っていたティッシュ!

ゴウ:(ふきふき)くそっ、鼻水ならビオレなのに……

ナオ:おそらくだけど、鼻水もビオレにはなってないと思うけどね!

ゴウ:ならビオレになるために、大量のビオレに浸かって………でも大量にビオレ買えない……うわああああ………

ナオ:うわあ、論理の渦にハマってる!
   たぶんアニメなら、黒いぐるぐる渦巻きの中に「あ〜〜れ〜〜」って言って、回転しながら小さくなっていく、
   そういう演出が為されていると思うよ!!わーかりにくっ!

ゴウ:…………あきらめよう。

ナオ:ついに!…ついにダウンした!よく頑張ったね、頑張った!

ゴウ:ビオレは無理なら…………先にママになろう。

ナオ:あーそっちが残ってたんだ!ママになるの、なっちゃうの!?

ゴウ:とりあえず、性転換するとして……

ナオ:人生が!ビオレのせいで男としての人生が!そういうの捨てちゃいたい人だっけ、ねえ!?

ゴウ:それでママになるためには、子どもを産まないと……

ナオ:ああ、女性としての人生を歩み始めているうう!

ゴウ:相手はお前でいいや。

ナオ:さらっと!こっちが困るんだよ!とりあえず時間ください!

ゴウ:そしてママになったら、子どもをめいっぱいかわいがろう。

ナオ:あ、そこは普通にお母さん!母性本能目覚めちゃったのかな!

ゴウ:そうして親子愛を……美しい親子愛を…………そうして俺は、美しくなる。そう、美俺になる……

ナオ:ここで美俺!そうか、そっちまで満たしちゃうか!一石二鳥か!

ゴウ:よし、やった……これで俺もビオレママだ。というわけで、まずは性転換に行ってこよう。

ナオ:あっホントに行っちゃう!それだけは止めないと…!
   ……おい、おい!そこまでの犠牲を払って、ビオレママになる意味はあるの、ねえ!?

ゴウ:あるさ。あるに決まっている。

ナオ:どういうこと!どういうことだよ!

ゴウ:弱酸性だけに、「メリット」はあるさ………

ナオ:おーう最後だけはビオレじゃないんかーいっ!!もう終わろうか!
   どうもありがとうございましたー!
碓氷:灯風のお二人でしたー。




ゴウ:疲っかれたあ……

ナオ:こんなに声張り上げることないですからね、普段。

10組目 灯風






劇団ヴァージニティー    セミファイナルAブロック1位
コメディ/先入観
牧原:これほどまでに生みの苦しみを味わったのは久々です。
有田:そこまで悩んだんなら快心の出来?
牧原:こればっかりは・・・。
   自分の中ではいい出来なんですけど、審査するのは皆様ですので。
有田:後はもうまな板の鯉、じたばたしても始まらないね。
2度の500越えにオーバー1000と当たれば大きい。ファイナル初出場!劇団ヴァージニティー!

大牟田:美奈子くん、ちょっといいかね。

美奈子:何ですか、課長。

大牟田:キミ、(ピーーー)ンコを口に含むのは好きかい?

美奈子:ええ、大好きです。アレを口一杯にほおばるのが極上の幸せです。

大牟田:道理でな。

美奈子:それが何か問題でも?

大牟田:いや、顔にね、ついてるんだよ。白いモノが。

美奈子:えっ・・・すいません。

大牟田:まあ勤務中は出来るだけ控えて欲しいんだがね。
    鏡を見たまえ、口の周りにベットリついているぞ。

美奈子:すいません、お恥ずかしい。

大牟田:私は男なのであまりピンと来ないのだが、抵抗はないのかね?

美奈子:ええ、最初は抵抗があったんですけど、口に入れてみると意外と美味しいんです。






(カチャ)


のっこ:はい、ストップします。

コトミ:・・・・・・。

のっこ:いかがですか、このカセットテープをお聞きになって。

コトミ:さっぱり目的が分かりません。

のっこ:あなたの感想を聞かせて頂くだけで良いんですよ。

コトミ:はあ・・・。
    新手のイメージプレイかと思いました。
    何でこんなイヤらしい会話を聞かされなくちゃいけないんですか。

のっこ:そこなんです。

コトミ:何がですか?

のっこ:あなたは、あまりにも先入観に捉われ過ぎているんです。

コトミ:・・・?

のっこ:では、ちょっと巻き戻してみましょう。
    音声処理を解除します。しっかりお聞き下さい。



(キュルキュルキュル)



美奈子:何ですか、課長。

大牟田:キミ、アンコを口に含むのは好きかい?

美奈子:ええ、大好きです。アレを口一杯にほおばるのが極上の幸せです。





コトミ:・・・!

のっこ:はい、ストップします。

コトミ:・・・。

のっこ:ご理解、頂けましたか?

コトミ:自分が恥ずかしいです・・・。

のっこ:何も恥ずかしがることはありません。
    一度植え付けられた先入観というものを払拭することはなかなか難しいものです。

コトミ:これで後の会話にも合点がいきます。
    つまりこの女性は勤務中に白あんを使った饅頭か何か、をほおばっていたと。

のっこ:ご明察痛み入ります。
    このように、あなたを含めた現代人は『先入観』という概念にがんじがらめにされています。
    それがストレスを生み出す要因の一つになっているのです。

コトミ:なるほど・・・。
    
のっこ:そして、それがあなたがこの心療内科にやって来られた原因でもあるのです。
    何でも他人に対して先入観を抱いてしまい、常に疑心暗鬼になってしまっている。
    そこでストレスが高じて体調を崩す・・・そうですよね?

コトミ:はい・・・。

のっこ:世の中の人は、あなたが思っているほど物事を深く考えている訳ではないんですよ。

コトミ:もっとこう、大らかに生きたいっていうのはあるんですけど、
    どうしても、最初に抱いたイメージを拭うってのが難しくて・・・。

のっこ:最初の実験で、あなたの先入観度はおおよそ見当がつきました。
    このままでは、よしんばあなたが体力的に回復したとしても、
    あくまで一時的なものに過ぎず、再発する可能性が非常に高いと思われます。

コトミ:そんな・・・。
    あたしは一体どうすれば良いんですか?

のっこ:出来る限りの手は尽くしてみましょう。
    あなたも私を信じて、私の指示にしっかりと従ってくださいね。

コトミ:はい・・・。

のっこ:では、私がキーワードを挙げていきます。
    その際、ぱっと頭に浮かんだものを即答してください。

コトミ:分かりました。

のっこ:では、お願いします。


のっこ:『ムチ』

コトミ:女王様。



のっこ:『ハイヒール』

コトミ:女王様。



のっこ:『ロープ』

コトミ:女王様。



のっこ:『ロウソク』

コトミ:女王様。



のっこ:『ブタ』

コトミ:女王様。




のっこ:失礼ですが、あなたのお仕事は?

コトミ:OLですけど。

のっこ:副業は何かおやりに?

コトミ:ウチの会社、バイト禁止なんです。

のっこ:そうですか、となるとこれは重症ですよ。

コトミ:何故ですか!?

のっこ:あなた、最初の『ムチ』でソッチ系を思い浮かべたでしょう?

コトミ:お恥ずかしい話です。

のっこ:その所為で、後の質問時における脳の切り替えが作動せず、
    結果的に全て同一の回答となってしまったのです。

コトミ:でも、アレ以外思いつかないですよ。

のっこ:・・・ちょっとお待ち下さい。
    友佳子ちゃん、ちょっと来てー。

友佳子:はあい。

のっこ:今からウチの看護士に、同じ質問をしてみます。
    準備は良い?

友佳子:はあい。


のっこ:『ムチ』

友佳子:猛獣使い。



のっこ:『ハイヒール』

友佳子:モモコ。



のっこ:『ロープ』

友佳子:山登り。



のっこ:『ロウソク』

友佳子:停電。



のっこ:『ブタ』

友佳子:インフルエンザ。




のっこ:もういいわ、仕事に戻って。

友佳子:はあい。

のっこ:いかがです?

コトミ:関連性も何もない回答でしたね。

のっこ:これが通常の思考回路なんです。

コトミ:ハイヒールはリンゴじゃなくても?

のっこ:別にそこに拘る必要はありません。

コトミ:あたし、やっぱり異常なんですか?

のっこ:決して断定は致しませんが、やはりもう少し多角的な観点で物事を捉えましょう。

コトミ:はあ。

のっこ:では、キーワードを変えてみましょう。
    言葉のランダム性を向上させてみます。
    準備は良いですか。

コトミ:はい。




のっこ:『バラ』

コトミ:モーホー。



のっこ:『新宿』

コトミ:モーホー。



のっこ:『カナダ』

コトミ:モーホー。



のっこ:『温泉』

コトミ:モーホー。



のっこ:『トイレ』

コトミ:モーホー。





のっこ:・・・そういう趣味がおありですか?

コトミ:お恥ずかしい話です。

のっこ:ええ、これは恥ずかしいですね。
    『薔薇族』とか読んでいらしたんですか?

コトミ:若気の至りで。

のっこ:新宿のそういったお店にも?

コトミ:若気の至りで。

のっこ:・・・カナダの同性愛婚の様子を現地で見たとか?

コトミ:若気の至りで。

のっこ:温泉をハッテン場として・・・?

コトミ:若気の至りで。

のっこ:ということは、トイレで思い浮かべたのは公園にホイホイついていって・・・?

コトミ:若気の至りで。

のっこ:気をしっかり持ってください!
    通常の会話中での返答でも、先入観を捨てきっていないですよ!
    ていうか途中で自分の世界観に入っちゃってますよ!

コトミ:・・・はっ!あたしったら・・・。

のっこ:あなたほど先入観の塊である方も珍しいですよ。

コトミ:すいません。

のっこ:別に謝ることではありません。
    ですが、私生活において相当御苦労されていると思います。

コトミ:ええ・・・。
    自分の思惑通りに事が運ばないと、どうしてもストレスを感じてしまうんです。

のっこ:そして、そのストレスが対人関係にも及んでしまう、と。

コトミ:その通りなんです。

のっこ:となると、私の存在はどういう風に受け止めておいでですか?

コトミ:・・・あなたに限った話ではないんですけど、
    心療内科のお医者さんって、一体どこまであたしの内面を理解することが出来るのかな、
    どうせありきたりな話と適当な薬の処方で終わりだろうな、って思っちゃって・・・。

のっこ:あなたの不安はお察しします。
    これは少々荒療治が必要ですね。

コトミ:そんな・・・。一体どんなことをするんですか!?

のっこ:いえいえ、大したことではありません。
    要するにあなたは『これは必ずこうあるべきだ』という固定観念に縛られ過ぎているんです。
    もう少し適当感をもって生活しないと、あなたの精神は磨耗し過ぎて手遅れになってしまいます。

コトミ:・・・。

のっこ:例えば、この診察室ですが、ドアを閉めることで完全なる密室になります。

コトミ:はあ。

のっこ:何故、その必要性があると思いますか?

コトミ:それはやはり、患者のプライバシーを守るためじゃないんですか?

のっこ:なるほど、他には?

コトミ:え、ええと・・・。

のっこ:思いつきませんか。それでは、ドアを全開にしておきましょう。

コトミ:ええ!?


(ガチャ)


コトミ:・・・。

のっこ:・・・。

コトミ:・・・閉めちゃ、ダメですか?

のっこ:何故です。

コトミ:誰かに見られるじゃないですか。

のっこ:見られて、何か恥ずかしいことでも?

コトミ:あ、そういえば別にないなあ。

のっこ:でしょう。

コトミ:でも、やっぱり気になりますよ。

のっこ:そこを耐えるのです。

コトミ:・・・。

のっこ:・・・。

コトミ:うーん、何だか段々気にならなくなってきたような・・・。

のっこ:よろしい、お閉め下さい。

コトミ:ええっ!?
    この状況に慣れてきたのに、ですか!?

のっこ:ええ、お閉め下さい。


(バタン)


のっこ:あ、せっかくですので、鍵もかけておいてください。


(ガチャ)


のっこ:お手を煩わせてすいません。

コトミ:・・・で、どうしてですか?

のっこ:ドアの開閉状況が問題なのではなく、
    あなたの『ドアは閉まっているもの』という先入観を、一瞬ですが払拭したのです。

コトミ:ああ・・・なるほど。

のっこ:ですが、状況に慣れきってしまうと、それは惰性を生みます。
    よって、あの時点でドアを閉めさせたのです。

コトミ:納得しました。


(ドンドンドン)


コトミ:先生、ドアをノックする音が。

のっこ:放っておいて構いませんよ。


(ドンドンドン)


コトミ:気にならないんですか?

のっこ:ええ、別に。


(ドン!ドン!ドン!)


コトミ:ちょっと強くなりましたよ!?急ぎの用じゃないんですか?

のっこ:今はあなたの診察時間です。他所に目を向けているときではありません。


(ドン!ドン!ドン! タカタッタ ドドンがドン!)


コトミ:微妙にリズミカルですよ!?

のっこ:別にそこに拘る必要はありません。


(ドンドンドン!ドンドンドン!ドンドンドン!ドン!)


コトミ:ドアで三本締めしてませんか!?

のっこ:三三七拍子の可能性もお考え下さい。


(ガチャ)


コトミ:鍵が開きましたよ!?

のっこ:ええ、さっきからノックしていたうちの看護士は、診察室の鍵を持ってますから。

友佳子:先生、お車の用意ができましたあ。

のっこ:ありがとう。


(バタン)


コトミ:・・・なんであの人は、最初から鍵で開けなかったんですか?

のっこ:それは勿論あなたの反応が見たかったからですよ。

コトミ:性根が良くないですねえ。

のっこ:そして今、あなたは私の予想通りの質問をしてきました。
    とどのつまり、あなたは『ドアをノックする→鍵を持っていない』の先入観を捨てきれずにいたんです。

コトミ:理屈では分かりますが、あの場面ではやっぱり鍵を開けたいですよ。
    ドンドンドンドン五月蝿かったですし。

のっこ:そこで我慢は出来なかったですか?

コトミ:結構耐えましたけど、ストレスは溜まりました。

のっこ:ええ、ですが、そこを耐えてみる精神力も必要なんです。
    これを突き詰めていくと、隣の家の些細な音も気になりだし、
    夜も眠れなくなり、終いには仕返しをしようとする。

コトミ:ハッ・・・!もしかして、それが・・・。

のっこ:そう、引越しおばさんです。

コトミ:『引越しー!引越しー!さっさと引越しー!しばくぞー!』の人ですね。
    けど、みんな忘れかけていた人の話をわざわざしなくても。

のっこ:そういう『タブーに触れてはいけない』という先入観も捨ててください。

コトミ:しまったっ!
    あたし、気がつけば先生の罠に嵌ってますね。

のっこ:では、車の用意も出来ました。一緒に外に出ましょうか。

コトミ:どこに行くんですか?

のっこ:となりのコンビニまで。

コトミ:いや、そんなに近いなら、歩いた方が良くないですか?

のっこ:ホラ、また先入観だけで物事を決めちゃう。

コトミ:そういう問題ですかね。

のっこ:いいんですよ、些細なことは気にしなくて。
    近い将来、回覧板をジャンボジェット機で運ぶ日も近いんですから。

コトミ:離陸前に着陸指示出ちゃいますよ、そんなの。

のっこ:では、お乗り下さい。

コトミ:・・・ってこれ、リムジンじゃないですか!
    あたし、そんな高貴な人生送ってないんですけど。

のっこ:また罠に嵌りましたね。
    別に一般市民がリムジンでとなりのコンビニに買い物に行って、何がダメなんですか。

コトミ:いや、別にダメじゃないですけど・・・。
    罠の張り方が無駄に壮大になってきてるなあ。


(バタン)


(バタン)


(カチャ)


(クイッ)


(ブルルルルルル)


(ガチャ)


(ブオン)


(ブーッ)


(キーッ)


(グイッ)


(バタン)


(バタン)


のっこ:はい、着きました。

コトミ:あのう、やっぱり無駄に時間がかかったような気がするのは気のせいでしょうか。

のっこ:気のせいです。

コトミ:で、ここで何を買うんですか?

のっこ:は?

コトミ:は?じゃないですよ。

のっこ:あなた、もしかしてまだ『コンビニに来る→買い物』だなんてお考えではないでしょうね。

コトミ:違うんですか!?

のっこ:当然です。あなたには、ここでナンパをしてきてもらいます。

コトミ:何故そんな流れに!?

のっこ:何か問題でも?

コトミ:大有りです。なんでそんなことしなくちゃいけないんですか。

のっこ:あなたが他人に対して先入観を捨てて、社交性を身につけるには一番の行為ですよ。

コトミ:ナンパの仕方も分かりませんし・・・。

のっこ:あそこでエロ本読んでる男性をお茶にでも誘えば、ほぼ大丈夫ですよ。
    エロ本を堂々と読んでる輩ですし、ホイホイついてきちゃいますって。

コトミ:先生こそ先入観を持って物事を考えてませんか?

のっこ:細かいことを言ってはいけません。さあさあ、ヒアウィーゴー!

コトミ:なんでノリノリなんですか、全く。
    分かりましたよ、やればいいんでしょやれば。


(ウィーン)


牧原:いらっしゃいませ。


(カツカツカツカツ)


コトミ:・・・あのう。

秋野:・・・!?
   は、はいいいいいいいいっ!?すすすすすすすすいません!

コトミ:いえ、あの、その、なんといいますかですね。

秋野:いえ!いえ!こんな昼間っから『ニャンニャン巨乳投稿写真』なんて読んでる僕が悪いんです!
   セクハラで訴えられても仕方がないです!でも出来れば訴えないで欲しいです!
   訴えられても失うものはないんです!だけど世間の目とかも気になるんです!
   裁判で被告になったなんて知れたら今のアパートも追い出されてしまうかも知れません!
   今の会社をクビになるかも知れません!明日の朝には東尋坊に立っているかも知れません!
   ですから!どうか!お許しを!お許しを!

コトミ:そうじゃなくてですね。
    もしおヒマならご一緒にお茶でもいかがかなーと。

秋野:なななななななななななななななななななななななななんですととととととととととととと!?
   僕の如き小心者で気も弱くて決してイケメンというか逝けメンというかその程度でしかない僕を、
   白昼堂々コンビニでエロスティックな本の鑑賞に耽っている僕を、
   コンビニ店員から白い目で見られて心臓はバクバクなのに下半身の制御が効いてない僕を、
   とめどない世界観でモーホーというかモーソーというかちょっと表現できそうもない空間に誘われていた僕を、
   誘ってくださるとととととととととととととととととととと!?

コトミ:・・・面白いなあ。

秋野:はい?

コトミ:あたしの感覚だと、コンビニでエロ本立ち読みしている人って、
    なんかこう、堂々としている印象があったんですよね。
    恥ずかしいって概念を捨て去り、人の目を気にせず、我が道を行くって感じで。

秋野:いいいいいえええええ、そそそそそそんなこととととないででででででですよよよよよよよ!

コトミ:でも、あなたはその想像からは180度かけ離れてますよね。

秋野:ぼぼぼぼぼぼ僕の意思でででででで読んでいた訳でははははははは!

コトミ:・・・?

のっこ:もういいでしょう。

二人:先生!?

コトミ:・・・えっ?

秋野:・・・・えええええええええええっ!?

のっこ:お察しいただけましたか?コトミさんに秋野さん。

コトミ:もしかして、あたしもこの人も?

のっこ:ええ、秋野さんはあなたの前に診察して、先に指示を出して待機させておいた患者さんです。

コトミ:はあっ!?

秋野:せせせせ先生ににににに、
   『ここでエロ本を10冊読んで羞恥心を捨てて来い』
   って言われれれれれれれれれててててててて!

のっこ:この人、対人恐怖症気味なんです。

コトミ:ああ・・・なるほど。
    だからこんなに台詞がどもるんですね。

秋野:それでででででで、ここここここれからどどどどどどうすればばばばばば!?

のっこ:秋野さん、あなたコトミさんをどう思います?

秋野:いやいやいやいや、エロ本読んでて『面白い』とかかかかかかかか、
   なかなかなかなかなかなかなかなか感性が凄いいいいいいい・・・

のっこ:落ち着きなさい、秋野さん。テンパり過ぎですよ。
    コトミさんは?

コトミ:・・・悪い人ではなさそうですけど。

のっこ:あなたの思惑から外れてましたが、嫌悪感は?

コトミ:別にありません。むしろ、この人の恒常的な性格を、もっと知りたいと思いました。

のっこ:そうです、人付き合いにおいて、大事なのは『その人を知ろうとする好奇心』です。
    興味を抱くことで猜疑心は好奇心へとなり、先入観による嫌悪感も次第に薄れていくんです。
    お互いを知ろうとするその精神こそが肝要なのですよ。

コトミ:・・・!!

秋野:・・・・!!

のっこ:となれば、私の診察は、今日はこれで終わりです。
    あとはお二人で各自自由に行動してください。

コトミ:・・・分かりました。
    それじゃ秋野さん、折角ですから・・・。

秋野:はいいいいいいいいいいいいい!!!!!!



(ウイーン)









牧原:・・・・・・新手の出会い系か何かだろうか。
―――自分たちの楽屋へ戻る道中



有田:うーん。
牧原:やはり厳しいですね、決勝の舞台は。
有田:ほかのグループたちも快心の出来で臨むもんね。
牧原:後は集計結果を待ちましょう。何位でも悔いはありませんよ。

11組目 劇団ヴァージニティー






楓 米吉    セミファイナルBブロック2位
コント/原作 車田まさみ ではない
ファイナルですよ?ここまできましたよ。ま、2回目ですけど。
前回のファイナルは7位と奮わず。3大会ぶり2度目のファイナルではどうか!?楓 米吉!

やぁ!俺の名前はリキュウ!
生き別れた姉さんを探すために、とある人に弟子入りして武術を習っているんだ。
これがまた特殊な武術で、自分の中にある隠された力『小宇宙(コスモ)』を爆発させて戦うんだ!
またその修行が辛いの何の・・・
でも、姉さんと会うために、弱音は吐かないんだっ☆

そして明日は大切な大会がある。
この大会で優勝すると、星座にまつわる力を備えた鎧がもらえるんだ!





・・・え?


聖闘士☆星矢・・・?

知らないなぁ、原作・車田正美でジャンプ黄金期を支えた超人気漫画のひとつにして、
今なおチャンピオンで超不定期に連載中の大人気漫画なんか知らないなぁ・・・
なんなら名前の真ん中に「☆」が入るのなんて、つのだ☆ひろくらいしか知らないなぁ・・・



とにかくもう明日の試合は決勝戦!
そう、この大会はまったくニーズがないから俺を含めて二人しか参加しないんだ!
ちなみに相手はめちゃくちゃ体がでかくて、筋肉の付き方がハンパじゃないんだ!
ゴリマッチョだよ、ゴリマッチョ。
細マッチョ(自称)の僕が勝てる相手かどうか・・・
でも、姉さんに会うために、弱音は吐かないんだっ☆



そうと決まれば特訓、特訓!



・・・・・いや、ダルいな。


そうだ、勝ちを確信したときの為に決め台詞を用意しておこう!
こういうのって勝とうっていう気持ちが大事だから。
そうだな・・・


『おい、貴様は自分の中に小宇宙(コスモ)を感じたことはあるか?』


これだな。
一応、手の甲に書いておくか・・・
でもこんな長いの書ききれないし・・・
とりあえず必要最低限の情報だけ残しておくか!





(試合当日)




すごい!相手のパンチ、キックが、動きの全てが見切れる!
俺はここまで強くなっていたのか・・・
オマケに一発殴っただけであの表情・・・
次の一撃で決めれるぞ!


よし、今こそ昨日徹夜で考えた台詞を言う時だ!











・・・・・・何だっけ?

ヤバっ!完全に頭からとんでる!
落ち着け・・・落ち着け・・・なんかあれだ・・・自分の中の、的な・・・
あ!そうだ!なんか漢字なんだよ!
でも読み方が違うんだよ!
カッコでくくってあるんだよ!
そうだそうだ、そうなったらひとつしかないわ!






「おい、貴様は自分の中に地下鉄(メトロ)を感じたことはあるか?」






え?なんで皆ポカンとしてんの?
俺なんか間違えた・・・?
いや、たしかにこのタイミングで地下鉄はなんか違うかな、と思ったけど・・・
あ、わかった。
言い方の問題なんだ。




「貴様の中に地下鉄(メトロ)はあるか?」



これだこれだ、感じるのどうのってなったからおかしいんだ。
地下鉄って感じるものじゃないしね。
そしてみんな当然ポカンとするよね。
体の中に地下鉄あるやつなんか居ないもん。

なんだろ・・・こうなったら絶対に『地下鉄(メトロ)』の部分が違うんだよな・・・
なんか似たようなやつだったんだけどなぁ・・・


あ!地下鉄(メトロ)みたいな感じのやつ!あるわ!





「おい、貴様は自分の中に、電車で バスで 買い物で 色々使える電子マネー(パスモ)はあるか?」








え?みんな関西の人?
イコカの人?
あ、それかSuica?
いや、すごいでしょ。自分の中にパスモ入ってたら!
手かざしただけで改札くぐれんのよ!?
いや、俺は何を言ってるの!?21世紀型びっくり人間コンテストのノミネート紹介してんじゃないんだから。
決め台詞だよ、決め台詞。

なんだろ、カッコ書きってニュアンスはあってんだよ・・・
問題は何をどうカッコ書きしたかってとこなんだよ・・・
昨日の晩は覚えてたのになぁ・・・


昨日の晩・・・カッコ書き・・・

昨日の晩・・・カッコ書き・・・


あ!昨日の晩のカッコ書き!これだ!


「柚木ティナ(Rio)で感じたことはあるか?」


ダメだ!これ昨日の晩に見たAVだ!
これ柚木ティナがRioって改名したけど、往年の柚木ティナファンが検索しやすいように
「柚木ティナ(Rio)」ってどっちも表記してるのを説明しただけじゃん!
しかも勢いで「柚木ティナ(Rio)”で”感じたことはあるか?」って、夜の生活の話しちゃったよ!

違うよ、昨日の夜に口に出して言った言葉だよ。
それでなおかつカッコ書き・・・


あ!ひとつだけある!
でもこれは・・・
いや、これにかけよう!




「おい、貴様は細マッチョ(自称)か?」





そりゃこんな空気なるわな。
どう見てもゴリマッチョだもん。
なんならフレーズ感が全体的に変わってるし。

『自分の中に○○を感じたことはあるか?』なんだよ!
なんだよ柚木ティナとか細マッチョとか。
この二人がいれば、見た目にも綺麗なAVが撮れそうですね。ってやかましいわ!
もう錯乱しすぎてAVの話しちゃったよ!

違う違う!
こんなんじゃなくて、もっと荘厳が話だったんだよ!
もっと荘厳・・・
これか!?




「自分の中にメリー・ジェーン(唄:つのだ☆ひろ)を感じたことはあるか?」



どうだ!メリージェーンは荘厳だろ!
つのだ☆ひろの声の広がり方ハンパないだろ!
全員が全員ポカンとしやがって!違うのかよ!

なんだっけ・・・せめて漢字の部分だけでも思い出せれば・・・


そうだ!手の甲にカンペ書いたんだよ!
なんで今まで忘れてたかな!
これを見れば・・・

ほら!小宇宙って書いてあった!
あとは読み方だよ・・・
これ、なんて読むの・・・?

しょう・・・うちゅう・・・?


あ!ダメだ!変に間をとりすぎて観客がしらけてる!
笑いはテンポが命って師匠に言われたのに!
えーー・・・カッコ、カッコ、
とりあえず何でも言っとけ!


「自分の中に小宇宙(笑)を感じたことはあるか?」



ダメだ!カッコ笑いしか思い出せなかった!
もうこれ自分の今までの修行も含めてバカにした発言だろ!
自分批判だよ、自分批判!
なんだよ・・・ガンダムでは「宇宙」を「そら」と読む・・・
では、聖闘士☆星矢では・・・



コスモだ。

コスモだよ!
やっと思い出した!よし、言おう!そして試合を決めてしまおう!



「おい、貴様は自分の中に小宇宙(コスモ)を感じたことはあるか?」



え?なんで皆しらけてんの?みんな関西の人?
関東と関西の笑いは違います的なことなの?
え!?何この空気!嘘でしょ!?
昨日徹夜で考えたのに・・・いや、サラっと思いついたけど・・・

ヤバッ!なんか決め台詞、なんか決め台詞・・・


「姉さんに会うまで、弱音は吐かないんだっ☆」


ダメだ!ただのシスコンだ!
見ろよ観客!眉間にえらいシワ寄ってるし!

もうダメだ!さっさと試合を終わらそう!
決め台詞は僕は向いてない!

いくぞ、スーパーウルトラアブトロニックイオンマルチクリーナー・・・えー・・・そいやっさぁ!

やった!勝った、勝った!



よし、じゃあ星座にまつわる鎧をいただきましょうか・・・



・・・ん?

これ鎧じゃなくて、着物なんですけど・・・・

あぁ!星座ならぬ、正座にまつわる着物だったのね☆
って、ダジャレじゃねぇか!!




あれから僕は、なんやかんやあって、あの着物に袖をとおし、今は茶道をやっています。

《センノ☆利休 −序章・プロローグ−》  〜〜Fin〜〜

り・・・・り・・・・・Rioぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!

12組目 楓 米吉






市河:これで12組全ての熱演が終わりました。

碓氷:いよいよ運命の計量です!




計量へ!