No.03 灯風

【成績】
OA率:20/21 平均:431.10KB 最高:513KB 最低:285KB  ランク:S
【備考】
7・8代目王者、18連勝、21回中12度の1位獲得、史上初の2回連続1位(第20回,第21回)
出場回出場順KB勝敗順位 ネタの種類/タイトル
20回6番4731位 コント/ナンパ
21回4番4731位 コント/遊具撤廃会議
25回1番2854位 漫才/ドライブデート
33回6番4172位 コント/「の」
44回(1勝)4番3452位 コント/ビリジアン
46回2番3891位 コント/失恋話
2回CA3番566-9位 ショートコント/ともしびスタイル’
54回(ブービー)4番4211位 コント/デバッグプレイ
61回2番4172位 コント/ゴウくんとナオおじさんの、クイズ
66回(富山・福岡)5番3852位 コント/道案内
3回CB9番770-6位 コントではない/刑事
92回(石垣島)4番4772位 コント/高校野球中継
95回6番4531位 コント/そして二人は旅行に行った
106回(4/6)6番4371位 コント/拳銃
4回CB2番778-5位 コント/「なんか、世界の中心は涼宮ハ○ヒなんかじゃなく、
    うちの娘らしいんだ。」by父(28歳)
4回CF3番726-11位 コント/天使と悪魔、その他諸々
164回6番4411位 コント/アミューズメントレストラン
240回(藤枝)5番4651位 コント/魔法が世界を救う
247回4番4731位 コント/死に際
260回(10組)3番4093位 コント/禁断の
7回CA6番846-4位 コント/いのち
7回CF10番962-優勝 漫才/君叶い給え 〜青沢市Live Ver〜
262回(ラッキー・10組)9番5131位 コント/修行帰り
269回5番4171位 コント/サイボーグが地球を救う
281回5番4612位 コント/男女音楽ユニットとラジオDJのお話
287回(ラッキー)1番4851位 コント/高校講座生物
290回1番4172位 コント/超ドMな客とアパレルショップ店員のお話
8回CF2番974-優勝 コント/サヨナラ、
紹介
ボケ:ゴウ
ツッコミ:ナオ

エントリーNo.03は青バトNo.1のコント師、灯風。
なんといっても第7・8回C大会の連覇は彼らを語る上で外せない偉業中の偉業。
コントでの挑戦は20戦20勝(内1位12回)、平均438.4KBは圧巻の数字。
それだけコントが面白いのに第7回大会の優勝作品は漫才ってこの人なんなのっていう。
また、これだけ勝利しながら一度もボーダー(6組中3位)のオンエアが無いのは極めて稀。
華々しいデビューから栄華を極めるまでの過程を5本のネタで感じてください。



第20回 473KB(1位)
コント/ナンパ
強豪を蹴散らした初オンエア作品!

  ゴウ:どっかかわいい女いないかな…。おっ、あんなところにかわいいのがいるじゃん。
     ちょっと誘ってみようかな。
  
  
  
  ナオ:はぁ〜、俺また面接失敗した…。早く仕事を見つけないと…。
     どっか仕事ないかなぁ…。仕事、仕事…。
  
  ゴウ:ねぇ君。
  
  ナオ:…え?なんですか。
  
  ゴウ:もしかしてさ、行くとこがないんじゃない?
  
  ナオ:ぇ?え、ぁまあ…。見つからなくて…。
  
  ゴウ:それならさ、一緒にどっか行かない?
  
  ナオ:え!…でもいきなりですか?
  
  ゴウ:でも行くところないんでしょ。
  
  ナオ:まあそうなんですけど…。
  
  ゴウ:ならいいじゃん。一緒に行くとこ探してあげるから。
  
  ナオ:え?ほんとですか!?それなら行きます。
  
  ゴウ:ほんと?じゃあ行こ。
  
  (てくてく…)
  
  ナオ:(仕事がなかったところで…ちょうどよかったぁ。)
  
  ゴウ:(この子、すんなり誘いにのってきてくれてよかったなぁ。)
  
  二人:(これはチャンスかも!)
  
  (てくてく…)
  
  ナオ:あの…。どこに行くんですか?
  
  ゴウ:まぁ、とりあえずカフェでも行こっか。
  
  ナオ:カフェ…?大丈夫なのかな…。
  
  ゴウ:え?いや別にメイドカフェとかじゃないから大丈夫だって。
  
  ナオ:当たり前ですよ!そんなとこじゃ恥ずかしいじゃないですか。
  
  ゴウ:いや、行くのは普通のところだから…。
  
  ナオ:それでも…カフェって安すぎないですか?
  
  ゴウ:え?でも安い方がよくない?
  
  ナオ:いやだめですよ!せめて20万円はないと。
  
  ゴウ:それは高すぎでしょ!
  
  ナオ:そうですか?それぐらいはないと足りないですよ。
  
  ゴウ:それじゃどんだけ食べるんだよ!
  
  ナオ:どんだけって、このごろは人より少ないぐらいですよ。
  
  ゴウ:じゃあ余計おかしいって。だいたいカフェってのは300円ぐらいが主流でしょ。
  
  ナオ:それじゃ生きていけませんよ!それなら余計カフェは絶対行きませんよ。
  
  ゴウ:え…そう。じゃあ別なところいこうか。
  
  (てくてく…)
  
  ナオ:(月300円って…いくらなんでもおかしいでしょ…。)
  
  ゴウ:(カフェで20万使うって…いくらなんでもおかしいでしょ…。)
  
  二人:(こいつ大丈夫なのか?)
  
  (てくてく…)
  
  ナオ:次はどこへ…?
  
  ゴウ:じゃあ映画に行こっか。
  
  ナオ:え!?映画ですか!
  
  ゴウ:うんそうだけど。
  
  ナオ:大きくでましたね…。
  
  ゴウ:…え、そうか?
  
  ナオ:はい…。だいだい今からで大丈夫なんですか…。
  
  ゴウ:大丈夫でしょ。今からでも厳しくはないよ。
  
  ナオ:でもかなり厳しいって聞きますけど。
  
  ゴウ:え?そうかな。
  
  ナオ:だって結局これが成功するのは何万人のうちの一人ですよ。
  
  ゴウ:それはないって!すごい人気じゃん。
  
  ナオ:ライバルはたくさんいるんです。たゆまぬ努力が必要なんですよ。
  
  ゴウ:そんなことないって。そこまでしなくても金さえ払えばできるだろ。
  
  ナオ:金さえって…。お金じゃ絶対足りませんよ。
  
  ゴウ:大丈夫って。1000円ちょっと払えばなんとかなるって。
  
  ナオ:それじゃムリですって!それに時間もかかります。すぐにできなきゃダメなんです。
  
  ゴウ:時間って30分ぐらい待てばいいことでしょ。
  
  ナオ:30分!?ありえませんよ。せいぜい5年以上はないと…
  
  ゴウ:そんなに!?それなら別なとこいこ。
  
  (てくてく…)
  
  ナオ:(いきなり映画俳優って…。今からじゃムリだし…。)
  
  ゴウ:(映画見るのにそこまで必死になるか?5年も待てないだろ…。)
  
  二人:(なに考えてんだろ…。)
  
  (てくてく…)
  
  ナオ:じゃあどこいくんですか?時間も無いんですよ…。
  
  ゴウ:そう。なら…ホテル行こう!
  
  ナオ:ホテルですかぁ。
  
  ゴウ:そ、そうだけど。
  
  ナオ:それなら早く言ってくださいよ!
  
  ゴウ:え?ほんとにいい?
  
  ナオ:はい。早く行きましょう!
  
  (てくてく…)
  
  ナオ:(ホテルの仕事なら安定した収入が得られそうだ…。)
  
  ゴウ:(ホテルにすんなり行くなんて…。)
  
  二人:(やりぃ!)
  
  ナオ:(…早くやりたいなぁ…)
  
  ゴウ:(…早くやりたいなぁ…)
  
  ナオ:(あんなこともできるかな…)
  
  ゴウ:(あんなこともできるかな…)
  
  ナオ:(そしたら我慢してたことも…)
  
  ゴウ:(そしてら我慢してたことも…)
  
  ナオ:(ああ!うれしい想像が脳内を駆けめぐる!)
  
  ゴウ:(ああ!やらしい妄想が脳内を駆けめぐる!)
  
  ナオ:(これで暮らしが立つ!)
  
  ゴウ:(もう息子が立つ!)
  
  ナオ:(家賃も入れられるなぁ!)
  
  ゴウ:(※ご想像にお任せします)
  
  二人:(ドキドキするなぁ…)
  
  (てくてく…)
  
  ゴウ:よし、着いた!
  
  ナオ:…ぇ?ここですか?
  
  ゴウ:じゃあ部屋にいこ。
  
  ナオ:いや、ちょっと待って下さいよ!仮にも僕は男ですよ!
     なんでこんなとこに来なきゃいけないんですか!
  
  ゴウ:へ?うそ!君、男?
  
  ナオ:そうですよ!
  
  ゴウ:うそぉ!ずっと女だと思ってた!
  
  ナオ:は?どういうことですか!?
  
  ゴウ:だからずっと君をナンパしてたんだけど。
  
  ナオ:マジで!?うそ!?仕事探してくれてるんじゃなかったんですか!
  
  ゴウ:はぁ〜。マジかよ…。
  
  ナオ:こっちのセリフですよ。
  
  ゴウ:あぁ〜もう男でもいいや!行くぞ!
  
  ナオ:え?いやちょっと待て!だれか〜!




第4回C大会セミB 778KB(5位)
コント/「なんか、世界の中心は涼宮ハ○ヒなんかじゃなく、
    うちの娘らしいんだ。」by父(28歳)
3度目の挑戦で叶った悲願。ファイナル進出決めた思い出のコント。

父:あーキャベツの千切り食べたいな…

娘:おとうさーん!

父:ん、何だ?

娘:あのね…今からおうたを歌うから、聞いてほしいんだけど。

父:おおいいぞ。で、何を歌うんだ?

娘:じゃあねえ…「世界の終わり、洋式トイレ」って歌、うたうね。

父:まて。なんだその斬新かつユニークな曲名は。

娘:知らないのこの歌?みんなのうたでやってたよ。

父:大丈夫かよNHK!…うーん、じゃあ聞かせてみてよ。

娘:♪うんこ色のー太陽ー うんこ色の太陽が、回ってるぅー

父:………。

娘:♪排泄されたぁー現実はー 「小」の方じゃ流れなかったんやー

父:ストップ。聞いてると脳髄が腐りそうだわ。

娘:ちなみに、現実、の部分は「うんこ」と書いて「げんじつ」って読むんだよ。

父:妙に凝ってるなこの歌!

娘:………あれ、日が陰ってきたね。

父:………。えーと、他の歌はないのかな?

娘:ならねえ…「世界中のこどもたちが」なら歌えるよ。

父:よかった、知ってる曲だ。じゃあそれを歌ってよ。

娘:じゃあいくよ。

父:おう。

娘:♪世界中ーのこどもたちがー 一度に、笑ったらー

父:うんうん。

娘:♪空も笑うだろうー ラララ 海も笑うだろうー

父:お、なかなか上手いじゃないか。

娘:♪世界中ーのこどもたちがー 地上に、出てきたらー

父:…今までどこにいたんだよ子どもたち!

世界中のこどもたち:(ボコッ)わおっ!

父:いや、ホントに出てきた!!地面から出てきたよ!!

娘:♪空も笑うだろうー

世界中のこどもたち:♪ラララ 海も笑うだろうー

父:うわっハーモニー!ハーモニーがすごい!

娘:♪世界中ーのこどもたちがー もぐら叩きの、バイトをしたらー

父:この状態のニーズに対応してるけども!
  …ってい、いつの間にか手にピコピコハンマーが!!

娘:♪むっちゃもうかるーだろう

父:(ぴこっ)(ぴこっ)(ぴこっ)

世界中のこどもたち:ラララ ユニセフに寄付しようー

父:(ぴこっ)(ぴこっ)(ぴこっ)なんかリズムにあってる!

娘:♪世界中ーのこどもたちがー 一度に、光ったらー

父:チョウチンアンコウか!どうやったら光るんだよ!

世界中のこどもたち:(ビガーン)

父:ってホントに光った!

娘:♪虫が寄ってくるーだろう

世界中の子どもたち:ラララ ウットウシイダロウー

父:急にカタコトになった!見た目も歌い方も宇宙人みたいで不気味だよ!!

娘:♪世界中ーのこどもたちがー 一度に、「トリックォァトリート?」って迫ったらー

父:なんで今ハロウィンだよ!

世界中の子どもたち:…T R I C K   O R   T R E A T ! ?

父:うわ、むっちゃ迫ってきた!いや、でもお菓子とかないよ!

娘:♪くれなーいーのかーよー

世界中の子どもたち:(ドガガガ)(グシャグシャ)

父:だからっていたずらするな!うわ、壁が!自宅で簡単そば打ちセットが!!

世界中の子どもたち:♪ラララ 不二家はノーサンキュー(ズバババ)(バキューン)

父:って少年兵士がいるよ!銃を発砲しないでくれ!!これいたずらの度を超してるよ!

娘:♪世界中ーのこどもたちがー 大空に、なんかすごいいきおいで飛んでいったらー

父:いや、怖いよ!そしてさっきからリズムを無視しすぎだよ!

娘:♪オゾン層を破るだろうー

世界中のこどもたち:ラララ(ヒューン)皮膚ガンが増えるだろ…

父:ホントに飛んでったよ!ドップラー効果を残して飛んでいっちゃったよ!!

娘:♪広げよう ぼくらの夢をー

Bob:♪届けよう ぼくらの声をー

父:なんか一人残ってるよ!

ぼくらの花:♪咲かせよう ぼくらの花をー

父:もう咲いてるじゃないか!

世界中のこどもたち:(ヒューンずどーん)
          ♪世界に 虹をかけようー

父:落ちてきたよこどもたち!!万有引力の法則に負けて落ちてきたよ!!

娘:♪世界中ーのこどもたちがー 地中に、もどったらー

世界中のこどもたち:(ズボズボズボ)

父:今度は戻っていったよこどもたち!!

娘:♪地中で分解ー されてー
   肥沃な土壌になるだろうー

父:ちょっとブラックだよ!
  …ってキャ、キャベツが一面に!!いつのまに!

娘:ほら、おとうさんがキャベツの千切りを食べたそうにしてたから…

父:……。

娘:だから、食べさせてあげたいな、と…。

父:おまえ…おまえは優しい子だな…。どうやったか知らんけど。

娘:だから、Bobが持ってきてくれたんだよ。

Bob:ハーイ!

父:おまえすげーな。




第262回 513KB(1位)
コント/修行帰り
ハイスコアゲッターが17回目にして初めて掴んだオーバー500!

ナオ:…そろそろ帰ってくるって言ってたな…。
    あいつ、数日前に「修行の旅に出る」とか言って出て行ったけど…なにやってきたんだろ。

ゴウ:(ドンッ)ただいま帰ったぁ!!

ナオ:あ、帰ってきた。おかえり。それよりチャイムぐらい鳴らせよ。

ゴウ:(キーンコーンカーンコーン)

ナオ:ホントに鳴らしやがった。違う方のチャイムを鳴らしやがった。…てかなんで鳴るやつ持ってんだ。

ゴウ:それより!この1泊2日で修行をしてきた!もう過去の俺ではないっ!

ナオ:そうか。ってか1泊2日って言い方だとなんか旅行みたいだぞ。

ゴウ:まず俺は、修行のためここを発った。少しの荷物だけを片手に持って…な。

ナオ:ほう、修行っぽいじゃないか。

ゴウ:そして福岡空港に到着。

ナオ:…なんで空港。

ゴウ:そこからバスで移動。

ナオ:バス移動て!もう修行の厳格な感じがなくなったわ!

ゴウ:そこで周りの客を見渡して愕然とした……そこには、人生を極めた者達がたくさんいたのだ!

ナオ:人生を極めた者?

ゴウ:そう…白髪が覆う頭、シワが刻まれた顔、そしてほのかに臭う加齢臭…

ナオ:ただの高齢者だろ!たぶん老後の楽しみか何かで旅行しようとしてるんだよ!

ゴウ:しかし、明らかに違うオーラを放つ者が一人…そこには、境地に達した人間がいた。

ナオ:…かなり年老いた人とかじゃないだろうな?

ゴウ:その人間は言った…「本日は当バスツアーにご参加いただきまして、ありがとうございます」

ナオ:バスガイドかよ!

ゴウ:そう、その人間は極めて的確なガイドを行ったのだ…

ナオ:そりゃプロだからそうだろうけど。…ってかお前バスツアーに参加したのかよ!全然修行する気ないだろ!

ゴウ:馬鹿言うな、バスの中でも試練は絶えない。

ナオ:そうなのか…?

ゴウ:迫り来る吐き気。

ナオ:バス酔いかよ!

ゴウ:何度青いビニールに手を伸ばそうとしたことか…。しかし!ここでそれに頼っては自らに打ち勝つことなどできない!

ナオ:いや、素直に使えよ。酔ってるんだろ。

ゴウ:にも関わらず、視界に映る青は、俺に悪魔の微笑み向ける…「ほら、早く吐きたいんだろ?さっさと楽になっちまえよ…」
    しかしそんな誘惑には、そんな誘惑には負けないのだ!俺はあと1時間半、耐えてみせるのだ!!

ナオ:頭ん中でそんな盛大な戦いをしていたのか…。

ゴウ:その10分後……敗北を味わうことになる。

ナオ:結局吐いたのか!全然耐えきれてない!

ゴウ:そこに達人がやってきて片付けてくれた…

ナオ:ガイドさんな。にしても優しいじゃないか。

ゴウ:しかし!その目はこう言っていた…「こんなことでくたばるとは…お前、まだまだ青いな…」、と。

ナオ:お前の思い込みだよ!ガイドさんの優しさ無駄にするなよ!…あと、青かったのはお前の顔だと思うぞ。

ゴウ:…そして、自分の未熟さを露呈しながらも目的地に到着した。そこで俺は本格的な修行を開始した。滝に打たれに行ったんだ。

ナオ:ほんとに修行なんだな。

ゴウ:滝に打たれることで、疲労回復、血行良好、また体が温まり…

ナオ:それ打たせ湯だろ!!

ゴウ:まさに地獄巡り…

ナオ:普通に温泉地を回ってるだけだろ!観光する気満々じゃねえか!

ゴウ:しかし、長時間の修行に耐え切れず、血が頭に上りフラフラし始めた…

ナオ:のぼせてるじゃねえか!どれだけ温泉に浸かったんだよ!

ゴウ:ほかにも、お土産を買いに行ったり…

ナオ:もう普通に観光だよ!どこに修行要素があるんだよ!?

ゴウ:いや、ここでも辛い試練が襲いかかるんだよ…「420円で何買えるかな……」

ナオ:小学生の買い物か!そんなに金ないのかよ!

ゴウ:仕方なく、このチャイムを買ったわけだ。

ナオ:あ、それお土産だったのか。にしてもなんだそのお土産。

ゴウ:だが、こんな辛い修行を乗り越えたあと…もっとも過酷な試練が俺を待っていた!!

ナオ:その前に修行らしきことしてないけどな。

ゴウ:それは旅館で起こった。

ナオ:…試練とは程遠いが。

ゴウ:そこでの夕食に!なんとピーマンが……

ナオ:ただの好き嫌いかよ!今までで一番レベル低い試練だよ!試練でもないけど!

ゴウ:…驚くことに、ほかの人間はこの試練を難なく乗り越えていた…

ナオ:当たり前だろ大の大人なんだから。お前の方が驚くことだよ。

ゴウ:俺は改めてその緑色の物質を見る。しかしその毒々しさに、また吐き気が…

ナオ:どんだけ嫌いだよピーマン。

ゴウ:「くそうピーマンめ、吐き気とは…仲間を連れてきやがったか!」

ナオ:お前が勝手に連れてきたんだよ。

ゴウ:俺は追い詰められた…しかしダメだ!この威圧感に負けてはならない!…そう思って俺はピーマンをとにかく威嚇した。もう、すごい勢いで。

ナオ:もう、端から見るとただの変な人だよ。

ゴウ:すると…達人達がこちらを見ている!…そう!威嚇に加担してくれているのだ!

ナオ:変な視線を集めてるだけだろ!

ゴウ:達人達の助けも借り、だいぶ優勢になった。ピーマンはすでにみなぎるような迫力、そして湯気がなくなっていた。

ナオ:冷めてんじゃん。

ゴウ:しかし気がつくとみなどこかへ行っていた。

ナオ:食べ終わってるよみんな!どれだけ時間かけてるんだピーマンごときに。

ゴウ:みなの助けがなくなった……そこで覚悟を決めた!この一撃で、この試練を乗り越える!行くぞおおぉぉ!!

ナオ:お、やっとか!?

ゴウ:……ポイッ

ナオ:捨てんなよ!!結局逃げんのかよ!

ゴウ:そうして、最大の試練を乗り越えた!強くなったのだ!

ナオ:乗り越えてねえよ!にしても行動がさっきから小学生じゃねえか。

ゴウ:強くなった俺は、帰りの吐き気との戦いには勝利した。

ナオ:…そこは勝ったのか。

ゴウ:これもひとえに、達人が授けてくれた秘伝の薬のおかげだ。

ナオ:さては酔い止め飲んだろ?

ゴウ:とにかく!俺はこの修行で強くなった!もうお前には負けん!!

ナオ:どっからくるんだよその自信。源泉あったら汲みに行くわ。
    …まあいいや。つまり、また勝負すればいいわけだな。

ゴウ:そうだ!今の俺なら負けるわけがない!

ナオ:よし、じゃあ行くぞ……



READY GO!!



(ドンッ!)

ゴウ:ぐわぁぁぁ…

ナオ:弱っ。腕相撲弱すぎだろお前。

ゴウ:またしてもか……いや、旅館で卓球しすぎて腕が疲れたんだ…そうだ、そうだよ!

ナオ:言い訳するな。そしてちゃっかり旅館でもフィーバーしてんじゃん。

ゴウ:くそう、この程度の修行では無意味か………よし、もっと遠くだ!熱海に行ってくる!

ナオ:楽しんでこいよ、もう。




第7回C大会ファイナル 962KB(1位)
漫才/君叶い給え 〜青沢市Live Ver〜
2位とわずか24KB差での優勝。オンエア作品唯一の漫才!

ナオ:灯風ですー!よろしくお願いしますねー!
   ファイナルということでね、がんばっていきたいなーと思ってるんですけどね……

ゴウ:俺、ビオレママになりたい。

ナオ:…うん、どうした?

ゴウ:ビオレママになりたいんだけど、どうすればいいだろう。

ナオ:うん、とりあえず脈絡つけて!…なに、ビオレママってどういうことよ!?

ゴウ:確かに、一気にビオレママになるのは難しいと思う。

ナオ:人の話聞いて!キミの言動を理解する方が、僕には難しいんだよ!

ゴウ:だから、まずはビオレになろうと思うんだ。

ナオ:もう置いてけぼりですけどね、なればいいじゃない!ならなればいいじゃない!

ゴウ:それで毎日努力してるんだけど………どう、ビオレになってる?

ナオ:うーん、おそらくだけど、確実になってないね!なってたらキミを使ってシャンプーしてあげるよ!

ゴウ:やはり努力不足か……

ナオ:人間の能力的に無理なんだよ!気付いて気付いて!

ゴウ:よし、何がいけなかったのか考えてみよう。

ナオ:その意欲は認めるけど、できれば根本から考え直して欲しいんだけどね!

ゴウ:とりあえず、「ビオレ、ビオレ…」とつぶやくようにしてるんだ。

ナオ:方法が方法だよ!なに、それでビオレになるの!?僕わからないなー!

ゴウ:風呂の時とか特に……な。

ナオ:なんというか、キミのビオレ観がおかしいと思うよ!まあビオレ観という言葉を使うことなんてこれから先ないだろうね!

ゴウ:ここまでしてるんだから、鼻水ぐらいはビオレになっているはずだ。

ナオ:たらーんと垂れてくる鼻水で髪洗えってか!新しいよ、新しいけど僕なら嫌悪感が勝るよ!

ゴウ:しかし、何かが足りないようだ。

ナオ:うん、一番は常識だと思うな!

ゴウ:足りないもの、それは………声の高さだ。

ナオ:確実に違うよ!声の高さで変わるものじゃないと思うよ!

ゴウ:俺の「ビオレ」には…響くものがない。

ナオ:あってどうなるんだよ!僕わからないなー!

ゴウ:もっとこう、脳髄まで響き渡るような……そうだ、ビブラートがないと。

ナオ:あっても根本的に無理だよ!心にグッときてもどうしようもないよ!

ゴウ:……あっ、確かに「ビオレ」と「ビブラート」って似てるな。

ナオ:この上なく微妙だよ!一致してるといえばしてるけど、そうは認めたくないような、そんな微妙なレベルだよ!

ゴウ:というわけで、ビブラートを利かせたビオレを聞いて欲しい。

ナオ:あらー、頼まれたからには聞くよ!僕そういう人間!

ゴウ:ビブラートを利かせたビオレ………そうだ、「ビオバブレ」と名付けよう。

ナオ:語呂はいい!語呂はいいけど、ビブラート要素がそんなに入ってないんじゃないかな!そして「バ」はどこから来た!

ゴウ:じゃあいくぞ………ビオレェェェェエエーーーーー♪

ナオ:うっ、美しいビブラート!でも、どう反応すればいいかわかんない!

ゴウ:ビオレママァァァになろぉぉぉぉぉぉーーーーー♪

ナオ:CMの歌になってる!そんなオペラアレンジいらないよ!親しみが湧かないよ!

ゴウ:弱酸性ビィィィィーーーーオォォォォーーーーレェェェェェェェェエエーーーーー♪

ナオ:ミュージカルの締めみたいになってる!すっごい!すっごいクるけど、どうすればいいんだ!

ゴウ:………あっ、ビオレって弱酸性だ。

ナオ:おおう今ので気付いたんだ!これだけ言っておいて今気付いたんだ!気付いたところでどうかは知らないけど!

ゴウ:そうだ、ビオレになるためには弱酸性になればいいわけだ。

ナオ:…そういう発想で来たかー!嫌いじゃない、嫌いじゃないよその発想!でもなんかね!なんかズレてるんだよ!

ゴウ:弱酸性になるためには………ビオレの中に浸っておけばいいな。

ナオ:それはどうなの、どうなのよ!まあいい香りにはなるかもしれない!いい香りん子さんかもしれないけどさ!

ゴウ:でもそんな大量のビオレを買うのは厳しいわけだ。

ナオ:そこケチるんだ!ビオレビオレ言ってるんだから、花王にお金を落としてあげてもいいと思うんだけどな!

ゴウ:だから、気付いた。まずは自分がビオレになれば買わなくて済む。

ナオ:本末転倒だー!回っちゃうよ、論理がグルグル回っちゃうよ!どこか断ち切って!

ゴウ:そこでビオレになるために……ビオレになる………ビオレってなんだ?

ナオ:根本的な問題!うーん、シャンプーの一種だよという説明で納得してくれるとうれしいなうん!

ゴウ:ビオレビオレ…ビオレ………美俺…?

ナオ:なんか変換しちゃった!美しい俺って!?ナルシストにでもなっちゃうのかな!

ゴウ:そうか、俺が美しくなればいいわけだ。

ナオ:どんな理由であれ、美を追求する分には僕は止めない!存分に美しくなっちゃって!

ゴウ:なら、美しくなるためにビオレでシャンプーをしよう。

ナオ:ここでもビオレかー!出てくるんだやっぱ!頻繁だ、頻繁だね!

ゴウ:でもそんな大量のビオレを買うのは厳しい……

ナオ:おおうまた本末転倒する!回っちゃうよ、論理グルグル回っちゃうよロンリネスだよ!

ゴウ:だから自分がビオレに………ビオレ?あれ、分からなくなった…………

ナオ:ほら、言ってるそばから!

ゴウ:……頭使いすぎて疲れたな。

ナオ:そうだよ、人間には休息が必要だよ。

ゴウ:とりあえず、お風呂に入ろう。

ナオ:おっ、またビオレが出てきそうだぞ!

ゴウ:まずは、バブだ!

ナオ:花王の別商品!これでもかというほど花王!宣伝料でももらってんじゃないのー、このこのぉー!

ゴウ:疲れたから、バブ10個入れる勢いで、疲れを取ろう……

ナオ:って、バブには惜しみなく金使うんだ!そこをビオレに使おうよ!たぶん一発で問題解決するよ!
   そしてバブ10個は入れすぎだよー!シュワシュワなるよ、もうすさまじいくらいにシュワシュワなるよ!

ゴウ:そう、そのシュワシュワ感………「酸性」、という感じだろう……

ナオ:そういうとこも!細かいとこまで努力してる!でも“弱”酸性というよりは、わりと酸性強い気がするよ!

ゴウ:そうして酸性な感じを出して、浴槽から上がったら……次は、体を洗おう。やはり、美俺になるためには、念入りに体を洗わないと……

ナオ:おー、清潔さんだねー!

ゴウ:そこでキュキュットだ!

ナオ:洗剤!またしても花王だけど、洗剤!ものすごく洗剤!!ダメだよ体洗っちゃ!!

ゴウ:1回に1本使う勢いで、キュキュットで体を洗おう。

ナオ:ここでも惜しみなく!もう何が目的なのかわかんなくなってきたよ!そして洗剤で体洗っちゃダメ!!

ゴウ:それはもうご機嫌で、体を洗うわけだ。

ナオ:でもご機嫌なのはいいコト!

ゴウ:♪すすいだ瞬間、キュキュッと…………あれ、毛が……

ナオ:落ちてる!毛が抜け落ちてる!!ほら、洗剤使うから!!リアップでも使わないとダメになっちゃうよ!!

ゴウ:リアップはダメだ………他社だから……

ナオ:そういう拘り!!花王の手先足先か!かゆいところに手が届くってか!なに言ってんだ僕!

ゴウ:仕方ない、ここは次のステップ………なんと、髪を洗う!

ナオ:お、やっとビオレの出番!でも「なんと」はちょっと誇張かな!

ゴウ:ついに……ついにやってきたシャンプーの時!3日に1回、至福の時!

ナオ:いや、もっと洗おうよ!!3日に1回は少ないよー!さっきの清潔さん発言、撤回!撤回だー!

ゴウ:ビオレを使う前に、まずは………お祈りをしないと。

ナオ:お祈りとかあるの!?何の宗教、これ!?信者募集中!?そういうことなの、ねえ!?

ゴウ:そしてつぶやく、「ビオレ、ビオレ……」

ナオ:それお祈りなんだ!うわあ、なんと安直な祈り!!

ゴウ:そしてつぶやくこと300回。

ナオ:長いっ!!予想を裏切らない長さ!!

ゴウ:ついにビオレを使うとき……

ナオ:お、やっとだね!やったね!

ゴウ:全部プッシュせず、2/3だけ押し込むようにして、ビオレを出す。

ナオ:ケチい!とてつもなくケチい!でも経済的だからみんなは真似しよう!!

ゴウ:そうやってビオレを………あれ、ない!?

ナオ:…なくなったー!!このタイミングでなくなったー!!

ゴウ:どどどこかビオレ!ビオ……そうだ、自分がビオレに……

ナオ:ここで転倒ー!!本末転倒リターンズだよ!!

ゴウ:なっ、どこかはビオレになってるはず!!……そうだ鼻水なら!鼻水……あれ、赤い…

ナオ:鼻血!!鼻血出てる!!はい、ちょうど持っていたティッシュ!

ゴウ:(ふきふき)くそっ、鼻水ならビオレなのに……

ナオ:おそらくだけど、鼻水もビオレにはなってないと思うけどね!

ゴウ:ならビオレになるために、大量のビオレに浸かって………でも大量にビオレ買えない……うわああああ………

ナオ:うわあ、論理の渦にハマってる!
   たぶんアニメなら、黒いぐるぐる渦巻きの中に「あ〜〜れ〜〜」って言って、回転しながら小さくなっていく、
   そういう演出が為されていると思うよ!!わーかりにくっ!

ゴウ:…………あきらめよう。

ナオ:ついに!…ついにダウンした!よく頑張ったね、頑張った!

ゴウ:ビオレは無理なら…………先にママになろう。

ナオ:あーそっちが残ってたんだ!ママになるの、なっちゃうの!?

ゴウ:とりあえず、性転換するとして……

ナオ:人生が!ビオレのせいで男としての人生が!そういうの捨てちゃいたい人だっけ、ねえ!?

ゴウ:それでママになるためには、子どもを産まないと……

ナオ:ああ、女性としての人生を歩み始めているうう!

ゴウ:相手はお前でいいや。

ナオ:さらっと!こっちが困るんだよ!とりあえず時間ください!

ゴウ:そしてママになったら、子どもをめいっぱいかわいがろう。

ナオ:あ、そこは普通にお母さん!母性本能目覚めちゃったのかな!

ゴウ:そうして親子愛を……美しい親子愛を…………そうして俺は、美しくなる。そう、美俺になる……

ナオ:ここで美俺!そうか、そっちまで満たしちゃうか!一石二鳥か!

ゴウ:よし、やった……これで俺もビオレママだ。というわけで、まずは性転換に行ってこよう。

ナオ:あっホントに行っちゃう!それだけは止めないと…!
   ……おい、おい!そこまでの犠牲を払って、ビオレママになる意味はあるの、ねえ!?

ゴウ:あるさ。あるに決まっている。

ナオ:どういうこと!どういうことだよ!

ゴウ:弱酸性だけに、「メリット」はあるさ………

ナオ:おーう最後だけはビオレじゃないんかーいっ!!もう終わろうか!
   どうもありがとうございましたー!




第8回C大会ファイナル 974KB(1位)
コント/サヨナラ、
漫才・コント両方での連覇は彼らだけなんじゃないだろうか。それにしてもネタ名が泣けてくるわ。

(キキーッ、ドーン!!)

・

・

・

ナオ:……あれ、ここは………

ゴウ:気が付いたようですね。

ナオ:……あなたは?

ゴウ:そうですねえ……世間一般で言われている、天使言われている存在になりますかね。
   ただ……そんなことはどうでもいい。あなたは…死んだのです。

ナオ:えっ……!

ゴウ:だから、ここにいる。そういうわけです。

ナオ:そんな……そんな、まさか…!

ゴウ:いいや、あなたは分かっているはずです。あなたは死んだ。それを感覚的に分かっているはずですよ。
   ここは……生きた者がいる場所ではないことを、ね。

ナオ:僕は………死んだ、の、か……

ゴウ:分かってもらえて結構。では…………始めましょうか。

ナオ:…………えっ?何を……

ゴウ:始めます。

ナオ:…………は、い……?

ゴウ:…………………放送席!放送席!本日、見事な死を遂げました、七島選手に来ていただきました!!

ナオ:……はぁ!?

ゴウ:どうも、おめでとうございます!!

ナオ:…………ええええええ!?何なの!?なに、何インタビューこれ!?

ゴウ:何って……サヨナラインタビューです。

ナオ:いや確かにサヨナラしてるけど!!……そんなこと言われても!!

ゴウ:というわけで、改めておめでとうございます!!

ナオ:あ、あぁありがとうごz……ってめでたくないですよ!こっちは死んでるんだよ!!

ゴウ:天にも昇る気分ですか!?

ナオ:現に昇ってんだよ!!死んだからな!!

ゴウ:……さて、まずは先ほどのプレイを振り返ってみましょう。

ナオ:何、なに振り返るって!?……まだいろいろと飲み込めてないよ!?

ゴウ:まず七島さん、街中を歩いていましたね。

ナオ:いやまあ……そうですけど。

ゴウ:こちらの歩行……いかがだったでしょうか?

ナオ:いや、そんなん聞かれても!……ただ、普通に歩いてただけですけど。

ゴウ:なるほど……平常心を保って一歩一歩、歩行できていたと。

ナオ:そりゃそうだよ!街中歩くのに挙動不審の方がおかしいでしょうよ。
   ……まあでも、そのときは人通りが多かったので、人を避けながらね、慎重には進んでましたが。

ゴウ:一つ一つのプレイを、大事にしてるわけですね。

ナオ:何だよその言い方!たかが歩くだけでしょうよ!

ゴウ:えー、そして道端で車に轢かれそうな猫を発見しました。……こちらのプレイ、やはり大きかったですか?

ナオ:……どう答えりゃいいんだよ!?大きかったってさ!
   それから、さっきから言ってる“プレイ”って表現やめろよ!なんかヤだよ!

ゴウ:その猫を助けようと、七島さん車道に飛び込んだんですね。

ナオ:あ、まあ…そうですよ。轢かれそうでしたから、とっさに体が動いて。

ゴウ:考えずとも体が動いたと。まさに練習のたまものですね!

ナオ:別に練習してねえよ!なに、猫が轢かれそうなときに車道に飛び込む練習って!?ピンポイントすぎるわ!!
   単純に、人間の本能ですかね……あっ危ない!そう思って飛び出しただけですよ。

ゴウ:そしてトラックが見事にタイムリーヒット!!

ナオ:ヒット言うな!轢かれたでいいだろ!

ゴウ:いやー、大きな当たりでした!

ナオ:うるせえよ!何が大きな当たりだよ!こっちは轢かれてるんだよ!

ゴウ:……七島さんも、よく飛びましたねー。

ナオ:轢かれたからな!すごい勢いで突っ込んで来たんだよ、トラックが!

ゴウ:あわや、歩道に入るかという飛び方でしたね。

ナオ:あわやホームランみたいな言い方やめろよ!

ゴウ:体の方は入りませんでしたけど、魂の方は見事場外ホームランとね。

ナオ:上手いこと言ってんじゃねえよ!!そりゃね、魂がぶっ飛んでったから此処にいるんでしょうけど!

ゴウ:さて、このプレイを振り返ってみて七島さん!……今回の、死因は何でしょうか!?

ナオ:……交通事故だよ!!交通事故による多量出血とかそんなんだろうよ!だから、勝因みたいに言うなっての!

ゴウ:なるほど……七島さんの果敢なプレイが、見事な死に繋がったということですね!

ナオ:見事って!見事ってオイ!!こちとら、死にたくて死んだわけじゃないんだよ!

ゴウ:……それにしても七島さん。今回の登場シーン、カッコよかったですよ!

ナオ:……いや、登場シーンってなに!?

ゴウ:今回はなんと、建物の中から颯爽と登場しましたね。

ナオ:……ただ出てきただけだろ!?別に登場とは言わねえよそれ!

ゴウ:威風堂々、勢いよくウィーン!

ナオ:自動ドアの音!!そんな、貫禄あるみたいに言ってるけどもね、ただ出てきただけだから!

ゴウ:その建物というのが…病院ですね。

ナオ:ああ……そういえばそうでしたね。

ゴウ:なるほど……病気の少年と、約束をしてきたわけですね!

ナオ:してねえよ!!薬もらっただけだよ!………まず病気の少年と約束して、どうするんだよ!?

ゴウ:「今日、車で轢かれるから、そしたら君も手術を受けてね」と……

ナオ:手術できるか!!そんな、勝手に死なれて「よし、手術受けよう!」とはならないだろ!!むしろ浮かばれないわ!!

ゴウ:そんな少年の期待に応え、見事に死を成し遂げましたね!

ナオ:だから約束してねえよ!そして見事言うなって!

ゴウ:……しかし七島さん。ここでちょっと伺いたいことがあるんですけども……

ナオ:……なんですか?

ゴウ:今話題になっている、七島さん熱愛発覚という話を……

ナオ:……なんで話題になってるの!?ただの一般人の一恋愛ですけど!

ゴウ:なんと今、付き合っている彼女がいると。

ナオ:いや、まあいましたけども……

ゴウ:……女子アナですか!?

ナオ:んなわけねぇだろ!?こちとらただのフリーターぞ!?……普通に、バイト先で知り合っただけです!

ゴウ:どんな方です?

ナオ:えっ!?そうですね……普段はとても地味で、今まで彼氏とかいなかったらしいんですけど……
   でも、よくみたらとてもかわいらしくて!なんで今まで彼氏いなかったんだろうっていうくらい……

ゴウ:なるほど……女子アナでなくとも、“穴”ではあったと。

ナオ:上手いこと言わなくてもいいよ!!

ゴウ:それで七島さん…………プロポーズは、いつするんですか!?

ナオ:……もう出来ねえんだよ!死んじゃったからな!!

ゴウ:そんな彼女のためにも、見事な死を果たしましたね!

ナオ:だから!!しかも彼女のためにっておかしいだろ!悲しむに決まってるでしょ!?

ゴウ:いや分かりませんよ……遺産とか、ね……

ナオ:滅多じゃないこと言うなよ!

ゴウ:……それはそうと、実は七島さん、この死によって大記録を叩き出しましたね!

ナオ:えっ……大記録って!?まず、死の記録ってどういうことだよ……

ゴウ:「轢かれそうになっていた猫をかばっての死」というのは、今まで1人も成し遂げていない快挙なんです!

ナオ:知らんわ!!確かに、そんな漫画みたいな死に方するとは思いませんでしたけど!

ゴウ:「アヒルをかばっての死」なら300件あるんですけどね……

ナオ:なにその差!!猫はゼロなのに!そっちの方が珍しそうなもんだけど!?

ゴウ:この大記録を祝しまして、七島さんには後ほど、現世で大量の花が贈呈される予定です。

ナオ:……それ、違う花だよね!?献花で使われる花だよねそれ!?

ゴウ:……さて、インタビューも終わりということで、最後に一言いただいて、インタビューを終わろうと思います。

ナオ:やっと終わりか……

ゴウ:では七島さん、ファンの皆さんに一言お願いします!

ナオ:……いや、ファンってなに!?……いるわけないでしょこんな一般人に!

ゴウ:何を言ってるんですか!……今回、七島さんのプレイを見にたくさんのお客さんが集まってくれたんですよ!

ナオ:それ野次馬だろ!!事故現場見に来たさぁ!!ファンでもなんでもねぇよ!!

ゴウ:そうですか……それでは、ご両親に向かって一言どうぞ!

ナオ:えっ!急にそんな……

ゴウ:ほら早く!

ナオ:えー!えーっと………こんなに早く死んでしまって、本当にごめんなさい。今まで育ててくれて、本当に、ありがとうございました……

ゴウ:………まあ、もうその言葉は伝えられないですけどね!

ナオ:じゃあ言わせんなよ!!こっちは本気で言ってるんだよ!!

ゴウ:……では、七島さんの実家のラジオから、ノイズ入りで流しますね。

ナオ:心霊現象と思われるわ!…まあ、実際そうなんだけども!

ゴウ:はい、というわけで本日のサヨナラインタビューは、七島さんでしたー!どうもありがとうございました!!

ナオ:あ……ありがとうございました。

ゴウ:では、放送席の閻魔様にお返ししまーす。

ナオ:これ閻魔様が放送してんの!?

ゴウ:はい。天国ネット47局で絶賛放送中なんです。

ナオ:そんなんあんの!?

ゴウ:……はい、はい………それでは、判定の方、発表しますね。

ナオ:判定って……?

ゴウ:天国か、地獄かですねー。

ナオ:今決まるの!?しかもそれ、放送で流すのかよ!

ゴウ:では発表でーす!

(ドゥルドゥルドゥルドゥルドゥル……ダンッ!!)

ナオ:いや、ドラムロールて!

ゴウ:……見事、天国行き決定ー!!ぱっぱらっぱっぱー!!

ナオ:さっきからノリ軽すぎるだろ!!天国か地獄の瀬戸際なのに!!
   ……でも、天国!?天国いけるんだ!やったあああああー!!

ゴウ:おめでとうございます!よかったですね!
   ……放送席ー!放送席ー!それでは改めて、見事に天国行きを決めた七島選手にお話を伺います!

ナオ:いや、もういいわ!!