No.12 ノーセンス&アバババ

【ノーセンス成績】
OA率:5/5 平均:447.40KB 最高:481KB 最低:433KB  ランク:B
【備考】2代目王者、ファイナル最高KB保持者
出場回出場順KB勝敗順位 ネタの種類/タイトル
39回5番4331位 コント/猫と大学生 〜ある寒い夜の話〜
40回(近江)1番4332位 コント/日本怪人サポートセンター
44回5番4531位 コント/校長と教頭それから私。
49回(大田原)5番4811位 コント/魔沙士と会長
2回CA5番954-1位 漫才/昔話
2回CF1番1038-優勝 コント/2010年、W杯実況
83回6番4371位 コント/作って遊ぼう!
3回CF-番-----位 辞退
【アバババ成績】
OA率:2/2 平均:477KB 最高:481KB 最低:473KB  ランク:D
【備考】史上最速となる2度目の1位
出場回出場順KB勝敗順位 ネタの種類/タイトル
3回2番4731位 漫才/クイズ王の7割がメガネ
9回(漫才)4番4811位 漫才/さよならベッケンバウアー
紹介

エントリーNo.12は2代目王者と青バト最初期の強豪漫才師。(これも同一投稿者)
ノーセンスはパワーボマー同様一度も負けることなく青バトを去った永遠の王者。
特に第2回C大会ファイナルでの初代王者パピーゲバとのマッチレースは歴史に残る一戦。
(KB的には事実上のね、後でKBを見ると)
アバババはたった2回の出場だが、その2回でいずれも超高得点で1位。
C大会こそ出場しなかったが、同じく不出場のワールドスコーピオンと並び優勝候補の一角として注目されていた。
(たぶんね、たぶん…もう覚えてない)
最高級コント師と頂見せぬ漫才師の共演。始まるよ!



アバババ
第3回 473KB(1位)
漫才/クイズ王の7割がメガネ
当時の歴代最高KB(ただし第3回時点である)

阿波:はいどうも。アバババです。ツッコミ担当の阿波です。
馬場:ボケ担当の馬場です。
阿波:2人あわせてアバババです。よろしくお願いします。
馬場:なあ、阿波。俺の特技知ってるか?
阿波:僕が馬場のことで知らないことでもあると思ったか?クイズでしょ?
馬場:そう。俺クイズがめっちゃ得意なの。
阿波:こいつクイズ得意なんですよ。自慢の相方ですよ。
馬場:で、今日は皆さんに俺のクイズの腕前を披露したいと思ってるんですよ。
阿波:いいじゃないですか。お前の実力見せ付けて世界を震撼させてやろうじゃあないか。
馬場:じゃあ阿波、問題出してくれる?
阿波:よーし、わかった。僕のとびっきりなの出してやるよ。
   第1問!今年の
馬場:はい、わかった。
阿波:マジでか。まだ「今年の」までしかいってないのによくわかるな。
馬場:俺を誰だと思ってるんだよ。クイズ界の早押しエンペラーこと馬場だぜ?
阿波:さすがはらたいらに土下座させただけのことはあるな。じゃあ馬場さん、答えをどうぞ。
馬場:「カンガルー」!
阿波:・・・・・正解です!すごいな、馬場。
馬場:いやー、正直いうと「クールビズ」と「カンガルー」のどっちかなって悩んだ。
阿波:へー。どこで見分けたの?
馬場:「今年の」の「の」のアクセントが強かったからそこで分かるんだよ。
阿波:うわー。やっぱ馬場は何でもお見通しだな。
馬場:まあ、クイズ界ではこのくらいできて当たり前だからな。
阿波:そーなんだ。クイズって奥が深いなー。
   じゃあ第2問!
馬場:はい、わかった。
阿波:まだ問題読んでないよ。
馬場:いやでもわかったから。答えは「シルベスタスタローン」だろ?
阿波:・・・・・正解。なんでわかるんだよ。
馬場:お前の頬筋の動きをずっと見ていた。
阿波:そんなんでわかるんですか。
馬場:なんなら第3問目の答えも当ててやろうか?「トリニダーゴ・トバゴ」だろ?
阿波:・・・・・気色悪っ。
馬場:ハハハ、顔に書いてあるぜ?
阿波:嘘つけ、さっき鏡見たけどなんも書いてなかったぞ!
馬場:いや、そうじゃなくてさ、出題者の顔のさ、ほくろをつなぎ合わせていくと自然と第3問目の答えが浮かんでくるんだよ。
阿波:そうなんだ。画期的なシステムだね。つーか、「・」も含めて10文字もある答えを導き出せるほどのほくろが僕の顔にあるということにショックを隠せないよ。
馬場:ドンマイ桑田!
阿波:桑田に悪いだろうが!謝れ!桑田に謝れ!
馬場:つーかさ、お前が出すクイズは簡単すぎて面白くないよ。
阿波:謝れ!桑田に謝れ!
馬場:馬鹿野郎っ!!!
阿波:!?
馬場:今は桑田に謝ることよりも先にやるべきことがあるだろうがっ!!
阿波:・・・すいません、なんのことだかわかりません・・・。
馬場:だから、お前がクイズ王になって、桑田を見返すんじゃねぇのかよ!!
阿波:!!
馬場:これから俺がみっちりシゴいてやるから覚悟しろよ!
阿波:馬場・・・。ありがとう馬場。僕、クイズ王になるよ!桑田にはなんの恨みもないけど!
馬場:よーし、その意気だ!厳しい道だが、へこたれるんじゃないぞ!
阿波:はい!クイズマスター!
馬場:まずはレッスン1!「会場に向かうまで」だ!
阿波:「会場に向かうまで」か・・・。やはりクイズの予習でもしとくべきなんですかね?
馬場:馬鹿野郎っ!!
阿波:!? す、すいやせん。僕、なんかまずいこと言いましたかね? 
馬場:予習だぁ!?ふざけんじゃねぇ!!今はインテリぶってる場合じゃないだろ!
阿波:すいやせん・・・。僕はただ、よかれと思って・・・。
馬場:いいか?ミリオネアにしろ、アタック25にしろ大抵収録は大都会、東京だ。
阿波:ああ、そうですね。
馬場:大都会、東京で行われる収録、そんな中に生粋のど田舎っぺ大将のお前が投げ込まれたらどうなるか、想像するのは容易だろう・・・?
阿波:・・・泣くな。
馬場:ああ、絶対泣く。東京駅出た時点で泣く。
阿波:どうしようマスター馬場。僕、収録に望むことすらできないじゃないですか。
馬場:だからクイズの予習する暇があったら地図見ろ!地理を覚えろ! 
阿波:そうか!その手があったか!
馬場:そしてお金は多めに持っていけ!そんでいつ渋谷のチーマーに絡まれてもいいように靴下とかに分けて隠しとけ!
阿波:もちろんポッケにトラップの小銭をいれるのを忘れずに!だろ?
馬場:そうだ!ジャンプしたときにチャリンチャリンなるようにな!
阿波:よぅし、僕、泣かずに収録会場までいけるような気がしてきたよ!
馬場:おし、じゃあレッスン2!「収録会場に着いてから」だ!
阿波:会場に着いてから、か・・・。まぁ、クイズの予習でもしますね。
馬場:馬鹿野郎っ!!
阿波:!? す、すいやせん・・・。なんかまずいこといいましたか? 
馬場:まーた予習とか言う・・・。お前は俺が油断するとすぐインテリぶるな。
阿波:すいやせん・・・。でも今予習しとかないと本番で恥をかくことになると思うんですけど・・・。
馬場:いいか?クイズ大会の収録に来るやつらは目をギラつかせた野獣だ。
   そんなケダモノの群れのなかにお前のような子兎ちゃんが飛び込んでみろ。想像するのは容易だろう・・・?
阿波:・・・泣くな。
馬場:ああ、絶対泣く。アシスタントのアイドルの卵が引くくらい泣く。
阿波:どうしよう、マスター馬場。収録現場についたのはいいけどこのままじゃ生きてる心地がしないよ!
馬場:だからそんな中で予習なんてしてみろ・・・。速攻でパシリ扱いだぞ!
阿波:そんな・・・。パシリなんて僕、耐えられないよ!
馬場:だから予習してる暇があったら筋トレしとけ!強い男だということをアピールしろ!
阿波:そうか、その手があったか!でも、筋トレばっかりしてたら筋肉バカと思われるよ!インテリ軍団に対して筋肉バカキャラはちょっと分が悪いよ。
馬場:だからお前は駄目なんだよ。そんなことアイデア1つで何とかなるだろ。
阿波:例えば?
馬場:ダンベル代わりに六法全書!
阿波:すげぇ!筋肉も鍛えられて、それでいて法政に長けていることをさりげなくアピールできている!
馬場:バランスボール代わりに地球儀!
阿波:すげぇ!バランス感覚を養えるだけでなく、世界地理に精通していることをアピールできて、なおかつ「世界は俺の股の下で動いている」という無言の圧力を相手に与えることもできるという一石三鳥もののアイデアだ!
馬場:な、アイデアしだいで何とでもなるんだよ。
阿波:そうだな。僕、収録に臨むことができそうだよ!
馬場:ようし、じゃあレッスン3!「収録が終わってから」だ!
阿波:え?収録中のことは?
馬場:は?お前は収録前のペーパーテストで予選落ちだろうが。
阿波:いや知らんがな。
馬場:だいたいそんな簡単に本選に出場できると思ってるその根性が気に食わない。
阿波:だって馬場がクイズマスターにしてやるって言ったから・・・。
馬場:だいたい予習もしないで収録に臨もうって言うのがダメダメなんだよ!
阿波:馬場!
馬場:どうした阿波。トラブル発生か?
阿波:馬場、あのな、お前が「予習とかしてインテリぶるな」って言ってたんだけど、この際そんなことはどうでもいいや。寛大な心で水に流すことにするよ。
馬場:・・・。
阿波:でもな、どうしても1つだけ許せないことがあるんだ。
馬場:なんだよ?
阿波:僕、どうしても桑田だけは憎めないよ!なんの遺恨もない相手を見返すことなんてできない!
馬場:阿波・・・。
阿波:誰かを憎むことでしかクイズマスターになれないのなら、僕はクイズマスターになんてなりたくない!
馬場:・・・・・阿波、お前の言いたいことはよくわかったよ・・・。俺が悪かった。
阿波:馬場・・・。わかってくれればそれでいいんだ。
馬場:確かに、桑田の変化球には以前のようなキレはない。しかし、今の桑田には長年の経験を生かした投球術があるよな・・・。阿波の言うとおり、来期こそはきっと活躍してくれるよな!
阿波:うわぁ、伝えたいことの1割も伝わってない・・・。
   ・・・でも桑田投手が僕らのこのネタを見て発起してくれるならこんなオチでもいいか!
馬場:さあ、阿波、桑田投手にエールを送ろう!
阿波:ああ!
馬場:僕たち
阿波:アバババは
2人:巨人の桑田投手を応援しています! 




アバババ
第9回 481KB(1位)
漫才/さよならベッケンバウアー
漫才での当時歴代No.1KB(ただし第9回時ry

阿波:はいどうも。アバババです。ツッコミ担当の阿波です。

馬場:ボケ担当の馬場です。

阿波:2人合わせてアバババです。よろしくお願いします。

   さぁ、今回青バト2回目ということで、僕なんかテンション上がってきたよ。近年まれに見るハイテンションだよ!

馬場:阿波、テンション上がってる時に悪いんだけど、俺、今から成田にいってもいいかな?

阿波:駄目だよ!漫才しようよ!僕のテンションが高いのって4年に1度だぞ!アバリンピック開催だぞ! 

馬場:ごめん、せっかくのアバリンピック開催だけど、俺、どうしても成田に行かなきゃ行けないんだ。

阿波:アバリンピックよりも優先すべきことが成田であるのか。

馬場:ああ・・・。ベッケンバウアーがドイツに帰るんだ。

阿波:・・・・・・・・・。うん、ごめん、長考したんだけど全然いってる意味がわかんない。

馬場:だからベッケンバウアーがドイツに帰るんだよ!

阿波:語尾を強めてもわかんないものはわかんないよ!誰だよベッケンバウアーって!皇帝ベッケンバウアー?

馬場:違う。俺の高校の時の友達だよ。ドイツからの留学生だよ。

阿波:最初からそういってくれよ。要約すると、お前の友達でドイツからの留学生であるベッケンバウアー君が国に帰るから成田空港に見送りに行きたいってことでしょ?

馬場:そう。

阿波:まったく、そういうことなら前もって言っといてくれよ。そんな突然言われても困るのはこっちなんだから。

馬場:ごめんな。

阿波:・・・でも馬場のそういう友達思いなとこ、嫌いじゃないぜ?

馬場:阿波・・・。

阿波:でもさ、ベッケンバウワー君ってどういう奴だったの?ちょっと興味あるな。聞かせてくれる?

馬場:ああ。あれは高2の時のことだった・・・。そのころ俺、いじめられててさ。

阿波:マジかよ。許せねぇな。

馬場:毎日のように上履きの中になんか入れられるわ、弁当はぐちゃぐちゃにされるわで地獄のような毎日だった・・・。

阿波:ひどいな・・・。

馬場:クラスの中で俺の味方は1人もいなかった。でもそんな俺を救ってくれたのが

阿波:ベッケンバウアー君ってわけか。いい話じゃん。

馬場:いや、俺を救ってくれたのは武者小路君。

阿波:誰だよ!ベッケンバウアー君じゃないのかよ!

馬場:いや、ベッケンバウアーは俺の上履きにソーセージを詰め込んだり、俺の弁当にマスタードかけたりしてた。

阿波:最悪じゃん!

馬場:あと、俺が原付に乗ってるのを見て「ベンツは世界最高の自動車メーカーデース!トヨタなんか目じゃありまセーン!トヨタの原付なんかダサくて乗れまセーン!なぁ、みんな!HAHAHAHA−!」とか笑って馬鹿にしてた。

阿波:なんだよその微妙なけなし方!しかもベッケンバウアーいじめっ子のリーダーみたいじゃん!

馬場:そう、ぶっちゃけ俺はベッケンバウアーにいじめられてた。

阿波:全然友達でもなんでもないじゃん。

馬場:でも武者小路君が助けてくれてからいじめもだんだんおさまってきたんだ。

阿波:よかったなぁ。

馬場:でも、あいつだけは俺に対するいじめの手を休めることはなかった・・・。

阿波:まさか・・・。

馬場:そう、旋毛山だけは・・・。

阿波:誰だよ!なんだその力士みたいな名前の奴は!そこはベッケンバウアーだろ、流れからして!

馬場:いや、ベッケンバウアーは武者小路君の舎弟だから。

阿波:知らないよ!お前の高校のときの人間関係なんて露知らずだよ!

馬場:ベッケンバウアーは武者小路君が俺を助けてくれた日の夜に電話がかかってきて「いままでイジめてごめんネ、マジでごめんネ。頼むからワタシがアナタをいじめてたこと、武者小路君には言わないでネ。ネ。ネ。」って言ってた。

阿波:すごい嫌な奴じゃん。おもいっきり力に屈するタイプじゃん。

馬場:翌日からも旋毛山の俺に対する嫌がらせは続いた。それどころかヒートアップする一方だった。

阿波:いるよな、こういうねちっこいタイプのいじめっ子。

馬場:上履きの中にちゃんこを入れられたり、机に彫刻刀で「ごっちゃんです」とか彫られたりもした。 

阿波:完全に力士じゃん!いや、力士にしても意味わかんないよ!

   つーか、武者小路君に助けてもらえばよかったじゃん。

馬場:いや、武者小路君と旋毛山はうちの学校の2大怪人に数えられるほど喧嘩が強かったんだ。そんな2人がまともにやり合ったら国が1つ滅びるぞ。

阿波:そこまでなのかよ・・・。じゃあ、お前はずっと耐えてきたのかよ。

馬場:いや、そこであの男が立ち上がったんだ・・・。

阿波:ま、まさかそれが・・・!

馬場:そう、山本先生だ。

阿波:だれだよ!つーか、割と普通な奴でてきた!

馬場:山本先生が旋毛山を呼び出して「こんなことしてると内申にひびくよ?」の一言で俺の悪夢のような日々は終わりを迎えたんだ・・・。

阿波:意外とあっさり悪夢のような日々終わったな。てか、ベッケンバウアーは!?

馬場:ベッケンバウアーはその頃、インフルエンザにかかってある意味、地獄のような日々を送ってた。

阿波:うまくないよ!

馬場:まぁ、なんていうか同じ地獄を味わった同士、なんか共鳴するものがあったんだろうな。それから俺とベッケンバウアーは急激に仲良くなっていったんだ。

阿波:いろいろひどい事されてたのにそんなくだらない理由で仲良くなれるなんて・・・。馬場は優しすぎるよ。

馬場:でも、そんな友情も長くは続かなかった。

阿波:なんだこの昼のメロドラマばりの展開の速さは。

馬場:ベッケンバウアーが女の子に恋をしてしまったんだ。

阿波:おお、いいじゃん。青春じゃん。

馬場:相手は俺の母ちゃん。

阿波:前言撤回だよコンチクショウ!なんだよべッケンバウアー!めちゃくちゃだよ!

馬場:それからというもの、ベッケンバウアーは用もないのに俺の家に来るようになった。

阿波:もう最悪だよ・・・。

馬場:そして俺の母ちゃんに「お母さん、今後旦那さんと別れる予定とかありませんカー?」とか聞いたりした。

阿波:本気じゃん!ドイツ人恐ろしいわ!

馬場:まあ母ちゃんも乗り気だったんだけど、さすがに父ちゃんが拒んで大喧嘩になっちゃってさ。

阿波:母ちゃん乗り気だったのかよ!危うく第2のぺタジーニが生まれるところだったな・・・。

馬場:それ以来、ベッケンバウアーはすがたをみせなくなったんだ・・・。

阿波:それ、ただ単にお前の母ちゃんを落とすためにお前を利用してただけなんじゃないか?

馬場:そんなことねーよ。だって手紙届いたもん。

阿波:手紙?

馬場:そう。今日持ってきてるんだけど聞くか?

阿波:うん。

馬場:「拝啓馬場さん。突然ですが、僕は11月20日にドイツに帰りマース。」

阿波:今日だな。

馬場:「君のお母さんとも最後の別れになると思うから成田空港に来たほうがいいですヨー?HAHAHAHA−!!」だってさ。なあ、これって一昨日から母ちゃんが帰ってこないことに関係あるんかな?

阿波:・・・・・今すぐ成田に行けー!!!!!




ノーセンス
第39回 433KB(1位)
コント/猫と大学生 〜ある寒い夜の話〜
猫かわいいよ猫

岸田:だからな、おっちゃんも慈善事業でやってるわけじゃないんよ。

佐藤:はい・・・。

岸田:自分の発言には責任持たんと。わかるな?

佐藤:はい、すいません・・・。

岸田:今回はまぁ、知らんかったみたいだし、料金の方は5割でええから。な?

佐藤:いや、それはちょっと・・・。

岸田:なんでじゃ!わしは半分でいい言ってんだぞ!?耳揃えて金払わんかい!

佐藤:いやぁ・・・。

岸田:なにが「いやぁ」じゃ!お前言ったやろ!?

佐藤:・・・確かに「猫の手も借りたい」とは言いましたけども・・・。

岸田:そうやろぅ!?お前が大学のレポートが終わらんで、「猫の手も借りたいよぉ」って言うからおっちゃんが来たんやろうがぁ。

佐藤:すいません・・・、まさかこんなことになるとは思ってなくて・・・。

岸田:キャッツ!

佐藤:・・・・・すいません・・・。

岸田:・・・まあ、金払えんなら、親御さんに連絡して払ってもらうしかないなぁ。

佐藤:そ、そんな!困ります!それにちょっとレポートを手伝ったくらいで50万なんていくらなんでも不当ですよ!

岸田:まーだ言うか・・・。いいか、坊主。猫だからっておっちゃんのこと舐めて見とったら怪我するで!

佐藤:いや、でも・・・

岸田:ほら、このレポート見てみい。良く書けてるやろう。

佐藤:確かに猫としてここまで書けてるのは驚異ですけど、人間目線ではちょっとなんて書いてあるのかさっぱりわかんないんですよね・・・。

岸田:なんや、おっちゃんの仕事にケチつける気か?

佐藤:えっと、これなんて読むんですか?「さ」ですか?「ち」ですか?

岸田:これ?これは「え」やろ。

佐藤:え、これ「え」なんすか!?まさかの選択肢ですよ。

岸田:ああ、おっちゃん鉛筆の握りがおかしいてな。癖字でごめんな。

佐藤:癖字とかそういうレベルじゃないような気がしますけど・・・。
      じゃあこの「え」の隣の文字なんですけど、これもちょっと読めないんですよ。「ぬ」か「め」だってことはわかるんですが・・・。

岸田:これ?これも「え」やな。

佐藤:これも「え」なんすか!?え、さっきと同じ字なのに共通点0じゃないっすか!

岸田:いや、おっちゃん猫やから!ほら、肉球!

佐藤:見せなくていいっすよ、わかってますから!
      なら、この「ええ」の隣の字なんすけど・・・

岸田:それは「乳」やね。

佐藤:「乳」!?このレポート、建造物の耐震性問題に関するレポートなのに「ええ乳」ってどういうことっすか!耐震性とおっぱいにどういう関係があるんすか!

岸田:いや、次の字は「牛」だから、「ええ乳牛」に関してのレポートなんやけどね。

佐藤:どっちにしろ駄目だろ!

岸田:なんや黙って聞いとけば!やけに強気にきよってからに!

佐藤:いや、・・・すいません。

岸田:猫舐めたらあかんぞ!

佐藤:はい・・・。

岸田:にゃー!

佐藤:・・・・・はい・・・。

岸田:かわいいやろ!

佐藤:はい?

岸田:わし、かわいいやろ!

佐藤:えっと、・・・はい、かわいいです・・・。

岸田:キャッツ!

佐藤:なんなんすか・・・。

岸田:キャッツ!

佐藤:どう対応すればいいんですか・・・。何が正解なんすか・・・。

岸田:50万払う。それが正解じゃ!

佐藤:だから無理ですって。大体、猫の貴方が50万を何に使うんですか。

岸田:アホか。50万なんてはした金、すぐに使ってしまうわ!

佐藤:だからなんに使うか言ってくださいよ。じゃないと払えるもんも払えんでしょ。

岸田:うわ、何、その上からくる感じ。親におこずかいをねだるときに決まって言われる、この感じ。

佐藤:猫も親からこずかいもらうんですか。

岸田:例え話やろがい!

佐藤:はぁ。で、なんに使うんですか?

岸田:まず、フリスキーでしょ、猫じゃらしでしょ、あとはねぇ・・・

佐藤:猫目線な使い方だなぁ。

岸田:あとは・・・、ヤクやな・・・。

佐藤:・・・・・またたびですね?

岸田:は〜や〜い〜!気付くの早いよ〜!

佐藤:どれが本当のあなたなんですか・・・。

岸田:まあ、いうならば合法ドラックやね。またたびは。

佐藤:猫にとってはそうなのかもしれないですけどね。

岸田:あれ吸うとな、頭がクラクラしてきてな、トリップしてくんねん。

佐藤:はぁ、そうなんですか。

岸田:あ〜、やばい、またたびのこと考えてたら禁断症状出てくるわ〜。

佐藤:ちょっとやめてくださいよ。

岸田:あ〜、マジやばいわ〜。目の前にまだら模様のでかいカマドウマがおるわ〜。破壊衝動にかられるわ〜。

佐藤:マジ危ないですって!勘弁してくださいよ。

岸田:う〜、キャッツ!キャッツキャッツ!にゃー!

佐藤:なんだよそれ!さっきからキャッツキャッツうるさいよ!

岸田:ハァハァ、危ないところやった・・・。キャッツのおかげや・・・。

佐藤:なんすかキャッツて!

岸田:これはな、ヤクに己の心を乗っ取られないためのおまじないや。

佐藤:さっきからちょいちょいヤクに心を乗っ取られそうになってたってことじゃないですか。

岸田:大丈夫。おっちゃんメンタル面には自信あるほうやんか?

佐藤:いや、聞かれても知らないですから。初対面ですし。
   とりあえずでかい声出すのやめてもらえません?隣のおばちゃんめっちゃ怖いんですから。

岸田:隣のおばちゃん・・・、「猫水の森川」のことか・・・。

佐藤:なんすかその通り名は!

岸田:「猫水の森川」・・・。このあたりでは有名なキャットハンターや。奴の猫水の餌食になった猫は数知れず。

佐藤:あ、やっぱ猫水って嫌なもんなんすね。

岸田:そりゃそうやで。ペットボトル越しに移る自分の顔見た日には精神磨耗起こすで・・・。

佐藤:めっちゃメンタル面弱いじゃないですか!自分の顔見たくらいで精神磨耗起こすってどういうことですか。

岸田:うるさいにゃー!!!

佐藤:いや、あんたのほうがうるせぇって!

岸田:おっちゃんな、声量には自信あんねん。

佐藤:わかったから静かにしてくださいよ・・・。

岸田:聞きたいか、わしの武にゃー伝。

佐藤:(多分、武勇伝って言いたいんだろうけどツッコむのもめんどくせぇ。)

岸田:武にゃー伝!武にゃー伝!武にゃーでんでんででんでん!キャッツ!!!

佐藤:(見ず知らずの人間に去勢されてしまえ。)

岸田:おっちゃんな、昔バンドでボーカルやっててん。オリコンにも顔出すくらいのバンドやってんけどな。

佐藤:日本の音楽の歴史において、猫がボーカルのバンドなんて存じませんよ。

岸田:知らんかー。最近の若い子はわからんかな、TOM★CATってバンドやねんけどな。

佐藤:知ってる!知ってるけど、決してボーカルはあんたじゃなかったよ!

岸田:アホか。おっちゃんが歌ってんねん。

佐藤:嘘をつけよ!ヴォーカルの子、ちっちゃい女の人だったよ!?

岸田:あいつは建前だけやねんって!あいつの後ろにおっちゃんがおってな。ふられ気分ならRock'n Rollいうてな。

佐藤:信じませんよ、そんなの・・・。

岸田:だからな、音楽雑誌とかに「TOM★CATのヴォーカルは他のヴォーカリストと違い、すね辺りから声がでている」って書かれてなぁ。

佐藤:知らないよ!なんだそのプチ情報!

岸田:Don't stop!Don't stop the music!Don't stop!Don't stop the music!

佐藤:うるせぇって!隣の人起きるって!

岸田:隣のおばちゃん・・・、「猫水の森川」のことか・・・。

佐藤:そうだって!猫水の森川かなんかは知らんけど!

岸田:「猫水の森川」・・・。このあたりでは有名な

佐藤:さっき聞いたから!

岸田:え、言ったっけ?

佐藤:聞いたよ!あっぶねぇ、このままいってたら猫水の森川とTOM★CATの出口のないラビリンスに迷い込むとこだったわ。

岸田:ちっ。

佐藤:もう出てってくださいよ・・・。レポートもぐちゃぐちゃだし。鈴木教授めちゃくちゃ厳しいんすよ・・・?

岸田:え、教授の名前なんて!?

佐藤:なんすか。

岸田:だから教授の名前なんていったか聞いてんねん!

佐藤:鈴木教授ですよ。知り合いですか?

岸田:す、鈴木!鈴!鈴!ちりんちりーん!にゃー!

佐藤:もうなんでもありじゃないですか・・・。出てけよ・・・。

岸田:だから50万払えば出て行くゆうてるやろ!

佐藤:(・・・よくよく考えればさっきから俺は猫相手になにびびってるんだろう・・・。実力行使すれば終わりじゃん。)

岸田:なんや、黙りこくって。金払う気になったか?

(佐藤、窓を開け岸田の腹を抱え持ち上げる)

岸田:ちょ、なんや!暴力はあかんで!?

佐藤:いやいや、ちょっと外に放り投げるだけですから。

岸田:あかんてそんなことしたら!怪我したら50万じゃすまんで!?

佐藤:大丈夫ですよ、あなた猫でしょ?

岸田:いやいや、無理やって!すべての猫が宙返りが得意と思ってるならそれは大きな間違いやで!?

佐藤:そこは持ち前のガッツで何とかしてくださいよ。

岸田:そんなけったいな事言わんと・・・。みてみ?このたるんだ腹。
   おっちゃんな、ジム通ってたんやけど最近腰痛がひどくてな・・・。

佐藤:猫の体は他の脊椎動物と比べてしなやかで曲がりやすいようにできてるし
   ジム通いしてた猫がいたらとっくにザ・ワイドあたりで特集組まれてますよ。
   そんじゃあ、いちにのさ〜ん!

岸田:ふあああああぁぁぁぁぁぁ・・・・・・

佐藤:ふぅ。やっと邪魔者が消えた。ってもう朝じゃん!大学いかなきゃ!
   レポートは・・・、ええい、出さないよりましだ!あんのくそ猫めぇぇぇ!



翌日、僕は教授になった。




ノーセンス
第49回 481KB(1位)
コント/魔沙士と会長
これでも十分高いけど、KB以上の評価を受けるネタ

(カンカンカン!)
実況:ただいまの試合は1R32秒、左ハイキックにより、魔沙士選手のKO勝ちです! 魔沙士選手に盛大な拍手を!
(ワ〜!!!)

佐藤:弱い・・・。もうこのK−1には俺と同等にやりあえる奴はいないのか・・・。
岸田:見事なKOだったな。魔沙士。
佐藤:岸田会長・・・。俺・・・。
岸田:それ以上いうな。お前の求めるものがK−1に無いことぐらい私もわかっている。
佐藤:会長・・・。すいません。
岸田:なに、謝ることはない。そんなことだろうと思って先ほどK−1運営理事会にお前の退会手続きを提出してきた。
佐藤:えっ?
岸田:お前のために新たな戦いの舞台を探してきた。
佐藤:新たな舞台・・・。どこです?
岸田:地下異種格闘技トーナメントだ。
佐藤:地下異種格闘技トーナメント・・・。
岸田:世間には認められていない非合法の世界だが、表立ったところでやってる奴らよりも数段上の力をもった奴がゴロゴロいやがる。
佐藤:そんなところがあるなんて・・・。
岸田:今よりもファイトマネーはグッと少なくだろう。しかし、人類最強を目指すお前にとっては願ってもない舞台だろう?
   魔沙士、俺と一緒に天下取ろうじゃねえか。
佐藤:会長・・・。俺、やります!
岸田:よし!それでこそ俺が育てたファイターだ!狙うは世界の頂点!いいな!?
佐藤:オス!

こうしてK−1王者、佐藤魔沙士は地下の魔境へと足を踏み入れたのだった。
そして試合当日・・・。

岸田:いよいよ記念すべき地下デビューだな。
佐藤:・・・そんなことよりも会長、どうして情報を教えてくれないんですか。
岸田:すまんすまん。どうも試合直前まで相手の情報は教えてもらえないらしくてな。
佐藤:そうなんですか。
岸田:だが安心しろ。さっき隠密の者を使ってデータを集めてきた。
佐藤:隠密!?戦国時代じゃないんだから・・・。まあいいや。1回戦にあたる奴はどいつですか?
岸田:井上豪太選手だ。
佐藤:井上豪太・・・。なんか強そうっすね。
岸田:今大会が初参戦らしい。
佐藤:ルーキーじゃないですか。それなら楽勝ですね。
岸田:ルーキーなのはお前も一緒だ。それになんでもえげつない攻撃が持ち味のラフファイターだそうだ。
佐藤:ラフファイターか・・・。そういう相手は手数で圧倒してやりますよ。
岸田:頼もしい限りだな。そろそろ時間だ。行ってこい!
佐藤:オス!


レフェリー:レディー ファイッ! (カーン!)
佐藤:・・・・・・・・・・。


(カンカンカン!)
実況:ただいまの試合は2時間19分31秒、井上豪太選手の戦意喪失とみなし、魔沙士選手の勝利です!魔沙士選手に盛大な拍手を!
(ワ〜!!!)

岸田:おい魔沙士!なんだあの不甲斐ない試合は!
佐藤:・・・・・。
岸田:何故、1度も手を出さなかったんだ!
佐藤:・・・・・いや、あれどう見ても小学生ですよね?おもいっきりランドセル背負ってましたし。
岸田:そうだよ?
佐藤:そうだよって・・・。何で小学生が非合法の格闘トーナメントにでてんすか!?
岸田:しらねぇよ、そんなこと。それよりも井上選手のゴールデンクラッシャー、相当効いてたみたいだな。
佐藤:ああ、あの金的蹴りですか。なんだよゴールデンクラッシャーって!
   確かに悶絶モンでしたよ!
   まぁ小学生だから大目にみてやったけど。あれアリなんですか!?
岸田:ここのルールはなんでもアリだからな。しかしあれもよく耐えたな。ホールドリル。
佐藤:素直に浣腸って言えよ!かっこよくないですからね!?
岸田:まぁ、打たれ強かったことは確かだな。そこは褒めてやるよ。
佐藤:いや、だって攻撃してきたのは最初の10分くらいで後はずっとゲームボーイしてましたもん。しかも最後「門限だから帰る」って言ってどっか行きましたよ。
岸田:勝ちは勝ちだ。次の試合も気合入れていけよ。
佐藤:次の相手は誰ですか?
岸田:ズゴック選手だ。
佐藤:は?
岸田:ズゴック選手。
佐藤:いや、意味わかんないんですけど。
岸田:いいか?右からのズゴッククローには要注意だ。
佐藤:そういうことじゃなくて!もはや人間ですらないじゃないですか!
岸田:ズゴックミサイルのあと隙ができるから、かわしてアッパーな?
佐藤:聞けよ!! モビルスーツと戦えってことですか!?
   つーかその前にモビルスーツなんてつくれないでしょう!?
岸田:まあ落ち着け、アムロ。
佐藤:アムロじゃねえよ!質問に答えろよ!
岸田:そこら辺はよくわからん。そうこうしている間に時間だ。いってこい!
佐藤:無茶苦茶だ・・・。


レフェリー:レディー ファイッ! (カーン!)
佐藤:・・・・なめてんのか・・・?


(カンカンカン!)
実況:ただいまの試合は18秒、ズゴック選手の場外で、魔沙士選手の勝利です!魔沙士選手に盛大な拍手を!
(ワ〜!!!)

岸田:快勝だな!次はいよいよ準決勝だぞ!
佐藤:・・・ガンプラですやん・・・。
岸田:どうした偽関西人?
佐藤:そりゃ関西弁もでますよ!なにが楽しくてプラモと戦わなきゃならねぇんだよ!
   おもっきり足にBANDAIって書いてありましたよ!?
岸田:・・・・・・・・
佐藤:無視か!よりによって無視かよ!
岸田:でもあの投げはすごかったな。そこは褒めてやるよ。
佐藤:全然嬉しくねぇ!あんなもん掴んでポーンだよ!
岸田:そんなことより準決勝の相手なんだが・・・
佐藤:もうどうでもいいっすよ・・・。
岸田:次は吸血妖怪チュパカブラ選手だな。
佐藤:でたよ人間じゃないシリーズ!今度は西洋妖怪ですか!?
岸田:つべこべ言わず行ってこい!
佐藤:もう何でもありになってきたなぁ・・・。


レフェリー:レディー ファイッ! (カーン!)
佐藤:ギャ―――――!!!


(カンカンカン!)
実況:ただいまの試合は27分52秒、魔沙士選手のチョークスリーパーで、魔沙士選手の勝利です!魔沙士選手に盛大な拍手を!
(ワ〜!!!)

岸田:魔沙士、素晴らしい激戦だったな!
佐藤:なんで本物なんだよ・・・・。
岸田:よく寝技に持ち込んだな。そこは褒めてやるぞ!
佐藤:血・・・・、血をください・・・・・。
岸田:・・・・あ、こりゃやばめだな。おーい、輸血持ってきて〜!

佐藤:死ぬかと思いましたよ・・・。
岸田:まあ、勝ったからいいじゃねえか。
佐藤:なんでズゴックは無理で、チュパカブラは持ってこれるんだよ!
岸田:そりゃあズゴックは無理だろ〜!
佐藤:基準がわからねえよ!超怖かったんですよ!?おもいっきり「キシャー!!」言ってましたし。
岸田:まあ、チュパカブラだからな。
佐藤:血も多分5リットルくらいもっていかれましたよ。
岸田:ちょっと多めの献血かとおもえば・・・
佐藤:おもえねえよ!あんなグロい吸い方!あ〜、もう嫌だ!
岸田:落ち着けって。決勝の相手は人間だ。
佐藤:・・・本当ですか?
岸田:決勝の相手は「女帝」アレキサンダー美鈴だ。
佐藤:女ですか・・・?
岸田:ああ。ただ、女だからってなめちゃいかん。前回の王者は何を隠そう、アレキサンダー美鈴だ。
佐藤:・・・でも、小学生やプラモが出てる大会で優勝したってねぇ・・・。
岸田:甘くみるなって。彼女は極心空手の師範代、500戦無敗の喧嘩屋、オリンピックの金メダリストを倒してここまであがってきているんだぞ?
佐藤:いや、トーナメント偏りすぎでしょ!強そうな奴、全部そっちに寄ってるじゃないですか!
岸田:それだけ彼女が強いってことだよ。まあ、やりにくいのは間違いないだろう。
佐藤:そうですね。
岸田:さあ、ここで勝てば世界の頂点だ!いってこい!
佐藤:オス!!


レフェリー:レディー ファイッ! (カーン!)
佐藤:・・・・・・・。
美鈴:ゲホッゲホッ!5年前に私たちをおいて逃げた夫がつくった10億の借金の返済のために!タカシの目の不治の病の治療費のために!
    私は負けない!負けられないのよ―――!!ゴホッゴホッゴホッ!!!
タカシ:お母ちゃんもういいよ〜!先生に「絶対に安静にしてなきゃ駄目だ」って言われたろ!?それ以上やったらお母ちゃん死んじゃうよぉ!
佐藤:・・・・・やりづれぇ〜・・・。




ノーセンス
第2回 1038KB(1位)
コント/2010年、W杯実況
2代目王者を射止めたコント! 2010年ももう当の昔なのよね…

佐藤:テレビをごらんの皆様、こんばんわ。2010年ワールドカップ決勝戦のお時間がやってまいりました。
   今回、実況を担当させていただくことになりました、KCN(熊本ケーブルネットワーク)の佐藤まさしです。
   ここで皆様には1つの疑問が浮かぶことでしょう。
   「なんでこんなど田舎のケーブルテレビ局が世紀の決戦の独占放送権取ってんだよ」と。
   実を言いますと、我が社の社長の「俺たちがワールドカップの決勝の放送権取ったら受けんじゃね?」
   という悪ふざけとしか取れない一声により、放送権の抽選に立候補したわけですが、神様の悪戯といいますか、悪質ないじめといいますか、
   そんなこんなで大手の全国ネットのテレビ局を抑え、我が社が独占放送権を手中にしたしだいであります。
   おかげでありもしないうん十億もの大金を搾り出す破目になりまして、この放送を持って、KCNは破綻という最悪の展開となっっちゃいましたよ。ははは・・・。
   これは余談ですが、今回、実況を担当することになりました私、佐藤ですが、サッカーの実況中継の経験なんてありません。つーかサッカーのルールもよくわかりません。
   そんな私がなぜ、今回、実況をすることになったかといいますと、ある日、私が身の丈に相応しないロングマフラーを巻いて出社したところ、
   それを見た社長が「おっ、中田英だ!なかーた!なかーた!よし、今度の実況お前!わははは。」
   と悪ノリ以外の何者でもない発言によって、今回の実況を担当することになった次第です。
   ほんと、この放送が終わったら私的に殺し屋でも雇ってやろうかなと思っている次第です。
   余計な話が長くなってしまいましたね。今回の解説者の方を紹介します。岸田しげるさんです。
岸田:長げぇよ!
佐藤:心中お察しします。今回、解説者の方にはカズ、三浦カズ氏や、前日本代表ジーコ監督などそうそうたる面々を揃える予定でしたが、
   「そんな金ねぇよ」という社長の無責任発言を受けて、「サッカーは見ないことも無い」という視聴者代表であり、「岸田布団店」店主の岸田さんに解説をお願いしました。
   岸田さん、よろしくお願いします。
岸田:いえーい、ピースピース。
佐藤:ははは、早くも絡みにくさ全開ですね。
岸田:よしこー!たかしー!見てるかー?お父さんですよー!
佐藤:私がこの自由人を止められるかどうかというのも見所の1つにしてもらえれば幸いです。
   さて、岸田さん。今回の決勝ですが、セルビア・モンテネグロ対ブラジルというカードになりましたね。
   セルビア・モンテネグロがまさかの快進撃で決勝に駒を進めたわけですがどうでしょう?
岸田:うーん、わからないですねぇ。
佐藤:早くも岸田さんの存在意義がなくなってしまいました。
   おっと、電光掲示板がチラッと目に入ったんですが、なんやかんやで現在前半4分で1−0でブラジルが勝ってるっぽいですね。
   中継室ばっかり映してフィールドを映すのをすっかり忘れてましたね。
岸田:まったく、外人は気が早くていけないね。
佐藤:ですよね。私たちは悪くないですよね。文化の違いですよね。
岸田:そうそう。あ、外人で思い出したけどさぁ、見た?こないだフジテレビ系列でやってた「密着、チャック・ウィルソン24時」。
佐藤:あ、最悪他局の話題はNGでお願いします。その番組の内容が気になってたまらないですが。
岸田:いやね、チャックがさぁ、納豆をね、っふははは。
佐藤:1人で楽しまないでくださいよー。どんな番組なのか私的にすごい気になってきたじゃないですか!笑ってないで教えてくださいよー!
岸田:ははははっ!っ!っ!
佐藤:思い出し笑いで過呼吸起こすってどんだけ爆笑ものだったんすか!気になるなぁ。
岸田:もうね、ワールドカップの1万倍は面白かったね。
佐藤:チャック相手じゃ否定できませんね。
   おっと、思い出し笑いしている岸田さんの顔をアップで映してる間に2−0になってますね。
岸田:あ、ほんとだね。まぁ、どうでもいいですけど。
佐藤:岸田さんはどうやら本当はサッカーに興味がない模様です。どうして選ばれたんでしょうか。
   あ、今日の出場メンバーの紹介をしなきゃいけなかったですね。
岸田:よっ!
佐藤:あ、ありがとうございます。そういう若手芸人の盛り上げみたいなのはどんどんやってください。
   で、メンバーなんですが、大手テレビ局ならテロップみたいなのが格好よく画面に出るんですが、うちはお金が無いのでスケッチブックに書いてきました。
岸田:こんなサッカー選手は嫌だ!
佐藤:あ、そこは若手芸人風味にしなくていいんで。岸田さんちょっと調子に乗っちゃいましたね。
岸田:すいません。切腹っっっ!
佐藤:おお、おっさん特有のブームに乗り遅れた感ムンムンですね。2010年ですよー。
岸田:おっさんが流行りに疎いの、なんでだろー。
佐藤:帰り事故れ。さぁ、まずはセルビア・モンテネグロのメンバーから。
岸田:ででん!
佐藤:GK、セルビッチ、DF、チョロロビッチ、マゴビッチ、コメビッチ、タマビッチ、
   MF、ワンコビッチ、コビッチ、ナメビッチ、ブリビッチ、そしてFWにサンドメノビッチ、ヘヤトワイシャツトビッチとなってます。
岸田:ちょ、全員ビッチじゃないですか!
佐藤:そうですね。面白いですね。
岸田:あはははは!全員ビッチ!ビッチ一族!
佐藤:ここがアメリカなら銃殺されてますよ。
岸田:あはははは!っ!っ!っ!
佐藤:どうやら岸田さんの笑いのツボは結構ゆるめな様です!
岸田:よし、今日俺、ヘヤトワイシャツトビッチ応援するわ。
佐藤:完全に語呂の面白さだけじゃないですか。まぁいいですけど。
   続いてブラジル代表。GK、ジーダ、DF、ルッシオ、クレーベル、エドゥー、マウリーニョ、
   MF、ドゥドゥ、エドゥアルド・コスタ、ロナウジーニョ、カカ、FW、ロビーニョ、アドリアーノとなってます。
岸田:うわー、つまんね。
佐藤:いやいや、名前的には面白くないかもしれませんけど。
岸田:セルビア・モンテネグロはあんなに頑張ってるのに、なんなんだよブラジル。
佐藤:あくまでサッカーワールドカップですから!名前おもしろワールドカップだったらセルビアの勝ちですけど。
岸田:もうあれだね。ブラジルは試合に勝って勝負に負けたって感じだね。
佐藤:いまさらなんですが、岸田さん何様のつもりなんですか。
   あー、岸田さんのブラジル代表の名前の面白くなさに憤慨した顔をアップで映してる間に5−0になってますよ。
岸田:うわー、ほんとだ。しっかりしろよ、ヘヤトワイシャツトビッチ!
佐藤:何ゆえのヘヤトワイシャツトビッチ集中砲火なんですか。つーか、そろそろサッカー中継しましょうよ。
岸田:そうですね。
(ピピーッ!)
佐藤:おっと、我々が意気込んだ直後に前半終了の笛!
岸田:サッカーの神様は我々に微笑んでくれなかったですね。
佐藤:上手いこと言わなくていいですよ。後半はちゃんとやりましょう。なんか前半は我々のトークバラエティになってますから。
岸田:そうですね。しげるの部屋ですね。
佐藤:なんですか、そのトットちゃんへの対抗心は。
   えーと、本来ならばここで前半のハイライトを流す予定ですが、45分間中継室しか映してなかったですね。どうしましょうか?
岸田:我々のハイライトを映せばいいんじゃないかな?
佐藤:愚かな意見ですが、尺を繋ぐためにはそれしかないようですね。それでは中継室のハイライトをご覧ください。
   まずは前半8分、岸田さんのチャック・ウィルソンについての思い出し笑い。
岸田:あー、いい表情だ。無垢な笑顔ですね。
佐藤:ここまではよかったんですが、この後、笑いすぎて過呼吸を起こすんですよね。
岸田:いやー、これは辛かった。
佐藤:続いて前半22分、セルビア・モンテネグロの代表メンバーを発表したときの岸田さんの様子です。
岸田:うわー、我ながらいいレスポンスですねぇ。スケッチブックに対する反応が実にスピーディーですね。
佐藤:この場面でも直後に過呼吸を起こしチャンスをものにできませんでしたね。この表情です。
岸田:苦しそうですねぇ。ここは堪えて欲しかった。
佐藤:そして前半35分、ブラジル代表の笑いどころない名前を発表した直後の岸田さんの反応。
岸田:怒ってますねぇ。まあ、この怒りは当然でしょう。
佐藤:以上、実に中身のない実況室のハイライトでした。岸田さん、何か一言あればお願いします。
岸田:後半はもうちょっとサッカー見ましょう。
佐藤:まったくです。
   おっと、選手たちがピッチ上に出てきました。まもなく後半戦スタートですね。
岸田:ヘヤトワイシャツトビッチのゴールに期待したいですね。
佐藤:どんだけ気に入ってるんですか。
(ピーッ!)
佐藤:後半始まりました。おっと、ブラジルの選手の人が足で球を蹴りながら進んでいく!
岸田:なぜ手を使わないのでしょうか。少し考えればわかりそうなものですがねぇ。
佐藤:まったくです。しかし、セルビアの選手も手を使いません!どういうことでしょうか!
岸田:恐らく、相手と同じ条件で戦うためにあえて手を使うことを禁じているのでしょう!いやあ、漢だ!セルビアは漢だ!
佐藤:しかし、ブラジルの選手の人はどんどん前進していく!なんか網が張ってあるゲートみたいなのに近づいていく!
岸田:あ!もしかしたらあそこの網の中に球を入れられたらまずいんじゃないでしょうかね!?
佐藤:おおっ、岸田さん鋭いですね。多分そうですよ!セルビアは網の中に球を入れられる前に防ぐことはできるのでしょうか!
岸田:がんばれ!がんばれセルビア!
佐藤:おっと、セルビアの選手の人がブラジルの選手の人にドロップキックー!
岸田:強烈〜!パワーを生かした猛烈な攻撃ですね!
佐藤:よく止めましたねー。おっとしかしなにやら審判っぽい人が笛を吹いてますね。どうしたんでしょうか。
岸田:ブラジルの選手が起きませんね。軟弱ですね。
佐藤:なにやらセルビアの人が呼ばれて・・・、おっと、赤い紙を出された!怒るセルビアの人!これはどういうことなんでしょうか!
岸田:・・・・・わかったぞ!
佐藤:どういうことですか、岸田さん!
岸田:あれは審判じゃなくて軍隊のスカウトマンなんだ!さっきのセルビア人の強烈なドロップキックに見惚れたスカウトが彼を軍隊にスカウトしたんだ!
佐藤:なるほど!それで赤紙を!徴兵のお知らせに赤紙を!
   しかしセルビアの人はすごい不服そうですね・・・。やはり軍隊には入りたくないんでしょうか。
岸田:確かに軍隊は厳しいところですからね。どうにかならないんでしょうか・・・。
佐藤:おっと、いま入りました情報によりますと、徴兵が決定したのはヘヤトワイシャツトビッチ選手のようです!
岸田:な、な、な、なんだってー!!!
佐藤:岸田さんのお気に入りの選手だっただけに少し残念ですねー。
岸田:こうしちゃいられねぇ!ヘヤトワイシャツトビッチには残ってもらわないと困る!
佐藤:ちょ、岸田さん、どこへいくんですか!?
岸田:ピッチへ向かう!
佐藤:き、岸田さーん!・・・・行ってしまった。これからこの中継はどうしていけばいいんでしょうか、いやはや。
   お、ピッチに誰か入っていったぞ!あの格好は紛れもなく岸田さんだ!
   速いぞ速いぞ!静止する人々を振り切ってスカウトマンの元へ向かう岸田!もの凄い速さだ!
   そしてぇぇぇ、出た、岸田式ドロップキックだー!スカウトマンの脳天にヒットー!!!スカウトマンが吹っ飛んだー!
   漢だ、漢だぜ、岸田すぐる!あんた、ただの布団屋じゃねぇよ!漢だよ!!!




翌日の新聞。
「W杯世紀の乱闘劇、決勝の舞台に日本人フーリガンが乱入し審判にドロップキック!試合は27対0でブラジルが頂点に。」