第237回 青沢オンエアバトル

市河:以上で計量は終わりました。
   今回は3位が2組いらっしゃいますので、
   オンエアは4組となります。
   それでは、オンエアされる上位4組の発表です!

劇団ヴァージニティー  (3位)
今期2勝目!


ウルトラスーパーDX潮江軍団  (3位)
こちらも今期2勝目だ!


メリースリー  (2位)
初挑戦初オンエア!


レトロスペクティブ京都  (1位)
初の連勝!


碓氷:難関を突破した皆さんの熱演をご覧いただきましょう!

レトロスペクティブ京都   (4/10)
古典コント/難題「燕の子安貝 -永命線-」
花園:オンエア決まった瞬間何がなんだかわかんなくなっちゃってもう嬉しくて感動で…
   ( ゜∀。)┛ジュワキヲモッテイ"ェェェェェ!
緑川:うわーい台無しー。
自己最高じゃ喜んでも無理ないです。その力はまだまだ健在!レトロスペクティブ京都!

輝夜姫。美しき御姿を持ったかぐや姫。

彼女の元には求婚に訪れる男が絶えませんでした。
困ったかぐや姫は、5人の男を選びそれらに対して「あるもの」を持ってきた者と結婚するといいました。
大納言・大伴御行(おおとものみゆき)には「龍の頸の玉(たつのくびのたま)」を。
右大臣・阿倍御主人(あべのみむらじ)には「火鼠の皮衣(ひねずみのかわごろも)」を。
石作皇子(いしつくりのみこ)には「仏の御石の鉢(ほとけのみいしのはち)」を。
車持皇子(くらもちのみこ)には「蓬莱の玉の枝(ほうらいのたまのえ)」を。
そして、中納言・石上麻呂足(いそのかみのまろたり)には「燕の子安貝(つばくらめのこやすがい)」をそれぞれ持ってくるように難題を与えました。

これは、この5人の中のひとりの物語である。



石上麻呂足:なぁ、こんなところに「燕の子安貝」なんてあるのか?

従者:ええ、ここらへんを探せばあると思われます。

石上:…ところでさー。

従者:いかがしました?中納言様。

石上:…「燕の子安貝」って…何?

従者:えっ、ええーっ!?それも知らないで難題を引き受けたんですかー!?

石上:だってぇ、他の4人が速攻で「イエス」って答えちゃうからさぁ…聞くに聞けない雰囲気になっちゃって…。

従者:いや、普通に断ることも出来たでしょう!?

石上:ばかー!そんなことしたら俺、KYってずーっとバカにされ続けちゃうだろう!?

従者:体裁ばっかり気にしちゃってこの人ったらー!

石上:お前貴族の陰湿さを知らないな!?少しでも浮いたことすればネチネチ責められ続けられるんだぞ!?
   内裏に入ろうとするときに足引っ掛けられたり、しゃくしに「麻呂足バカ」って落書きされたり!

従者:小学生のイジメですか!?ていうか実際にうけてるんですか!?

石上:とにかく、引き受けちゃったんだから仕方ないじゃん!

従者:まぁそれは仕方ないとして…あらかじめ「燕の子安貝」について調べてきた甲斐がありましたよ…。

石上:さっすがじゃーん!「こんなこともあろうかと!」ってヤツ〜?

従者:貴方がいつもそういう態度だから心配だったんです!
   …とりあえず、「燕の子安貝」とは、ツバメが卵を産むときにだけ、ツバメの体内にあらわれて出すと言われているものです。
   つまり、まずはツバメの巣を探すことですね。

石上:ツバメの巣かぁ…で、それってどんなの?

従者:ええーっ!?まさかの世間知らずっぷり!!

石上:だって俺貴族だしー!滅多に外出ないしー!ハウス最強だしー!

従者:でもツバメの巣の存在ぐらい学問の先生から学んだでしょう!?

石上:まぁ、俺ぐらいになると講義なんて余裕で寝てたしなー。

従者:そんな武勇伝いらないですよ!

石上:まじめに受けたのって保健体育ぐらいだしー。

従者:うわーよくいる思春期の小学6年生みたーい!

石上:テストのときも保健だけ100点とって「むっつりスケベ」って言われたなぁ。

従者:そりゃあそうでしょう!
   …とにかく、ツバメの巣っていうのは要はツバメが子供を育てる家です。
   土などを唾液腺の分泌物を固めて作っているそうですよ。

石上:唾液で…!?な、なんとなくエロいな!!

従者:なんでそんなところに反応するんですかー!?

石上:だってさぁ、必死に声を荒げながら唾液を出してるんだろ!?興奮するじゃん!

従者:…ツバメのそれを実際に見るとひじょ〜〜〜〜にガッカリすると思いますよ?

石上:まぁまぁ、冗談だって冗談!

従者:…さっきの会話からでは冗談に聞こえませんけども…。
   …とにかく、そのツバメの巣に親が卵を産む瞬間にあらわれるのが「燕の子安貝」だそうです。
   子安貝というのは表から見ると卵のように丸く、裏から見ると、女性器に似た形だそうで…。

石上:な、な、何だってぇぇぇぇぇぇ!!!!

従者:おいいいい!あんた今絶対に「女性器」ってワードに反応したでしょ!!

石上:違うよ!全然違うよ!!
   純粋にお前の知識に驚愕しただけだよ!

従者:ごまかし下手すぎ!ホントに脳みそエロガキのまんまですか!?

石上:そそ、そんなことよりお前のすばらしい知識をもっと教えてよ!

従者:本当にこの人に仕えてていいのかなぁ…。
   …とにかく、子安貝はその形から古くから安産のお守りとされていて…。
   ツバメも古代中国の時代から安産の象徴とされる鳥とされているようです。

石上:…ということは…もしかして実はかぐや姫、俺に気があるってことじゃね?

従者:な、何でそういう発想に行き着くんですか!?

石上:だって、ツバメも子安貝も安産の印だろ?
   すなわち、かぐや姫は俺との子供を産みたくて仕方ないからこれを取ってきてって頼んだんじゃないか!

従者:発想が飛びすぎですよ!

石上:かぐやちゃんは俺が大好きで仕方ないけど、みんながいるからああやってツンデレぶっただけなんだよ!

従者:なんつー身勝手な妄想!ていうか「かぐやちゃん」て!

石上:ふっ…かぐやちゃんも俺のエロオーラにメロメロにされたというわけか…。

従者:あんたのエロオーラは思春期特有のよどんだオーラですよ…。

石上:とにかく、そうとなれば…まず子供の名前を考えなければ!

従者:どうして先にそっちに行っちゃうんですか!?

石上:男なら「刃見瑠遁(はみるとん)」、女なら「瑠衣主(るいず)」だな!

従者:もっと成長したことも考えて名前付けてくださいよ!

石上:うーむ、確かに。無難に「太郎」とかでいいかな?

従者:落差激しすぎ!ていうかまずは子安貝探さないと!

石上:そうだな!よーしパパ頑張っちゃうぞー!見ていてくれよ瑠衣主ー!!

従者:瑠衣主はもう決定事項なんですかー!?





石上:ぶー。疲れたぶー。

従者:もうですか!?まだ10分ぐらいしか経ってないですよ!

石上:俺はハウス最強なんだぶー。日光を浴びると灰になってしまうのだぶー。

従者:あんまりそういうこというとニンニク投げつけますよ!?

石上:ひ、ひどいー!!

従者:全くもー…。
   …ん?あ、あれだ!あれですよ!ツバメの巣!!

石上:何!?ホントか!!

従者:そうですよ!あとはあの巣の中にあるであろう子安貝をとれば…!

石上:よおーしっ!

従者:やりましたね!

石上:お前、とって来い!!

従者:ズコーっ!!!
   こういうのは普通自分でとってくるものでしょー!?

石上:だって俺木登りしたことないしー。ハウス最強だから。

従者:ハウス最強はもういいですよ!
   武人の大伴御行様なら真っ先に自分からとりに行きますよ!?

石上:大伴ぉ?あいつ嫌いなんだよー。

従者:好き嫌いとかは関係ないですよ。

石上:だって、あいつに靴隠されるし、牛車に「麻呂足死ね」って落書きされるんだもーん。

従者:中納言様イジメの筆頭ですかー!?
   ていうか大伴様も大人げないなぁ。

石上:ホントだよー。名前は「大伴(おおとも)」のくせに中身は「子ども(伴)」だからなぁ。
   あっ、俺今うまいこと言っちゃった!?

従者:全然うまくないですから!

石上:よし、今の格言を「まろたりちゃんブログ」に忘れないうちに書いておこう!

従者:のんきにノーパソでブログ開いてる暇じゃないでしょ!
   早くしないと他の人に先越されちゃいますよ!?

石上:ンモー、仕方ないなぁ。

従者:仕方ないのはどっちですか!

石上:…とりあえず、登る前に聞くけどさぁ。

従者:なんでしょう?

石上:…ちゃんと、生命保険入ってるよね、俺?

従者:どこまで心配なんですか!
   入ってますから大丈夫ですよ!

石上:だって怖いんだもーん。

従者:その言い方すごく鼻につくんですが…。
   じゃあ、私が支えていますから。それで大丈夫でしょう?

石上:マジで!?ありがとー!
   後でシカの焼肉おごるわー!

従者:いいから早くとっちゃいましょうよ。

石上:わかったー。

従者:ホント疲れるなぁ…。この人…。

石上:よいしょっ…。

従者:うう…この人すごく重い…。

石上:大丈夫?ちゃんと支えてる?

従者:支えてますよー。

石上:ホントに?いきなり手放したりしない?

従者:あんたは自転車に乗る練習してる子供ですか!

石上:もう少し…あと少し…。

従者:頑張って!中納言様!



石上:と、とれた!!

従者:ホントですか!?

石上:よっしゃー!!獲ったどー!!

従者:そのネタ古ーい!!
   ていうか暴れないでくださいって、あわわわ!

(ぐらっ)

石上・従者:あぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!



(どしーん!)

従者:いってー…。
   大丈夫ですか?中納言様…。

石上:ぎゃあああああ!腰がぁぁっぁぁぁっ!

従者:大丈夫じゃなーい!?

石上:ヤバイ立てないって!これ絶対折れてるよー!

従者:そんな大げさなー!

石上:マジ、マジホントに痛いよう…ひぐっ…ぐすん。

従者:泣くほどなんですか!?
   ていうか、それより子安貝!子安貝は無事なんですか!?

石上:…あっ、そういえば…!

従者:もしも割れてたりしたら大変ですよ…!



石上:…なぁ、従者よ…。

従者:…はい?

石上:…子安貝っちゅうのは…こう…。
   白くて…ねっとりしていて…それでいてちょっと温かいものなのかのう…?

従者:…確実に違います…。
   それに該当するとするならば…。


(石上、じっと手を見る)


石上:…。

従者:…。





石上:これ、ツバメのフンじゃねー!?

従者:確実にそれですよー!!!

石上:うわー!ばっちいー!!

従者:うわぁ!私になすりつけようとしないでくださいよ!

石上:てめー俺の言うことが聞けないのかー!

従者:イヤですよー!このウンコマンめー!!

石上:あー!お前ウンコマンって言いやがったなー!

従者:だってそうじゃないですかこのウンコマン!

石上:二度も言いやがったな!
   普段から大伴にウンコマン呼ばわりされてるのを耐えてきた俺でもキレるぞ!

従者:普段からですかー!?ホントに小学生レヴェルのいじめだな!!

石上:タッチタッチターッチ!

従者:うわーやめろー!!バリヤーバリヤー!!!

石上:うわー!バリヤーなんて卑怯だぞー!!
   なんならこっちはスーパータッチタッチターッチ!

従者:なんならこっちはスーパーウルトラバリヤーバリヤー!!!

石上:なんならこっちは…!

従者:なんならこっちは…!



…このような小学生ばりの不毛な戦いのあと、石上は失意のまま帰宅しました。
ちなみに、石上は本当に腰の骨を折っていたことが判明し、医者から絶対安静を申し渡されました。




石上:ぶははははっ!!!!

従者:ど、どうしたんですか!?

石上:いやさぁ、さっき大伴御行のこと聞いたんだけど…。
   あいつ、「龍の頸の玉」をとりに行こうとしたら嵐に遭って龍神に涙ながらに謝ったんだってー!
   しかも、帰ったあとに顔にデカイ腫れ物ができてすげー笑える顔になってやがんのー!プギャー!!

従者:ホントに中納言様は大伴様が嫌いなんですね…。
   ていうか貴方も充分笑いものにされてますよ…。

石上:で、何か用?

従者:はい、先ほどかぐや姫からのお手紙をいただいて…。

石上:マジで!?かぐやちゃんから!?

従者:はい、結局あの場にいた5人は全員難題をクリアできなかったそうです。

石上:マジか!じゃー俺と結婚するしかないよな!!つうことはそいつはラブレターってわけかぁ!

従者:貴方もホントは敗者のはずなんですがねぇ…。

石上:とりあえず、その手紙を見せろ!な!

従者:いいんですか?

石上:もったいぶるなよーん!

従者:じゃあ…こちらです…。

石上:うふふふっ!あなたとわたしのラブメール〜♪

従者:何の歌ですか…。



「お疲れ様です。腰の様子は大丈夫ですか?
  あ、でもウンコ触った男には近寄りたくも無いのでこれからは
   私の半径10メートル以内に入らないでくださいね、ウンコマン☆」



石上:…。

従者:…。

石上:…オー脳!!!!!!!(バタリ)

従者:中納言様!?中納言様ぁぁぁぁぁぁ!!!!







結局、この手紙を読んだ石上は、そのままバッタリと絶命してしまいましたとさ…。



石上:ううっ…パパは先に天国へ行くぞ瑠衣主ぅぅぅぅぅ!!!!

従者:残念ですが瑠衣主はもうこの世に生まれませんから!

碓氷:2連勝ですね!
花園:もうほんっとにビックリした!
   これもわずかな時間をみつけてMyRevolutionに勤しんだ自分達に功徳の実証があったという話ですよね。
緑川:いいかげん自重しやがれ!
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メリースリー   (1/1)
コント/朝物語〜味噌汁にかける想い〜
キミ:オン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・エアー!!
ケイ:今のため具合は青バト一ですよね!?ね!?
シン:・・・見てくださーい。
なんかノリが誰もやらなそうな事やってギネスギネス騒いでる人に似てますね。出だし快調!メリースリー!

キミ:ふあぁあああああああ・・・。おはよう〜。

シン:あ、おはよう。

キミ:悪いな、家に泊めてもらっちゃって。

シン:いいよたまには。久々に会ったんだし、いろいろ話せて楽しかったしな。

ケイ:(トットット)お待たせ〜。味噌汁できたよー。あ、七星さんおはようございます。

キミ:あ、おはようございます!すみませんね奥さん、泊めてもらっちゃって。

ケイ:いいんですよ〜。あ、お魚もうすぐ焼きあがるから先にご飯と味噌汁食べててくださいね。はい、どうぞ。

キミ:いやー、どうもありがとうございます。

ケイ:お魚お魚〜♪(トットット・・・)

キミ:・・・ほんっとにかわいい嫁さんだよな。

シン:照れるこというなよ。お前だってかわいい彼女いるんだろ?

キミ:まあなぁ。っと、じゃあ冷めないうちに味噌汁を・・・(ズズズ)

シン:(ズズズ)

キミ:・・・・・・!!

ケイ:(トットット)ねえ、お味噌汁どう?おいしい?

シン:うん、旨いよ。

ケイ:本当?キミさん、どうですか?

キミ:え?あ、ああ、すっごく旨いですよ!

ケイ:良かった〜。じゃ、もうすぐお魚持ってきますね。(トットット)

キミ:・・・・・・・・・・おい。

シン:ん?何だよ。

キミ:なんだよこの味噌汁・・・。すっげえしょっぱいぞ。

シン:・・・んー、まあ確かに普通の味噌汁よりはしょっぱいかもれないけど、そうでもないだろ。

キミ:んー・・・参ったなぁ。・・・ひとつ聞いていいか?

シン:何だよ。

キミ:仮にだよ、俺が今からお前の奥さんを叩いたり殴ったり蹴ったりするとしよう。
   ・・・お前怒る?

シン:誰だって怒るよ、嫁を暴行されたら!!

キミ:いや、顔は傷つけないよ?ボディーだよ?

シン:部位の問題じゃねえよ!!どこの三原じゅん子だお前は!!
   え、何?そんなにこの味噌汁が気に入らなかった?

キミ:そうだな・・・お前には俺の正体を教えてなかったな。

シン:正体?

キミ:俺はな、子供の頃両親が共働きでな。朝が早くて夜が遅い。
   だから俺は自炊をせざるを得なかった。

シン:・・・・・・。

キミ:最初はカップラーメンとかだったんだけど、それじゃ飽きてくる。
   だから自分で料理も作るようになったんだよ。もちろん味噌汁も作っていた。

シン:・・・・・・ふむふむ。

キミ:毎日作っているうちに、俺はだんだん味噌汁の奥深さを知っていった。
   味噌汁にはいろんなダシのとり方があるし、いろんな味噌もある。
   中の具だっていろいろあるだろ。

シン:・・・まあそうだな。

キミ:それを知った俺は、いろいろな味噌汁を作って行った。
   そしてある日、いつも通りに味噌汁を作っていると、味噌汁の鍋から神々しい光が放たれた。

シン:・・・は?

キミ:その神々しい光の中から味噌汁の神、ミッソーノが現れたんだ。

シン:・・・は?は?

キミ:ミッソーノは豆腐とねぎにまみれながらこう言った。
  「お前こそ、味噌汁の未来を背負う男にふさわしい。」ってな。
   だか、俺は信じられなかった。なぜなら、俺は新しい味噌汁を作れずにスランプに陥ってたからだ。

シン:・・・目の色変わっていってるのがリアルに怖いんだけど・・・。

キミ:俺はミッソーノに質問した。「教えてくれ!真においしい味噌汁とはどういう味噌汁なんだ!?」と。
   ミッソーノは俺の目を見据えて、こう言い放ったよ・・・。
   「分からん。あたしポタージュ派だから。」

シン:・・・・・・。

キミ:その言葉で俺のスランプは消え去った。
   そして今、俺は味噌汁を極めた男、そう、味噌汁マスターとして君臨している!!

シン:・・・・・・。

キミ:・・・ふっ、俺の話を聞いてすっかり味噌汁に惚れた目をしているな。

シン:してねえよ!!これはお前に心底引いてる目だよ!!
   そもそも話に疑問点が多すぎる!!「味噌汁の鍋から神々しい光」って何だ!?
   味噌汁の神って何だ!?神なんて味噌汁から出てこねえだろ、普通!!

キミ:何言ってるんだよ。味噌汁の神なんだから味噌汁から出てきて当然だろ。
   しょうゆ差しだって、中からしょうゆが出てくるから「しょうゆ差し」なんじゃないか。

シン:しょうゆと味噌汁からの不審者を一緒にすんなよ!!

キミ:不審者じゃない!!ミッソーノだ!!ミッ・ソー・ノ!!

シン:もう目が怖えよ!!
   大体、なんなんだよそのミッソーノって言う、どっかの歌姫の妹みたいな名前の神はよ!!

キミ:ミッソーノは味噌汁界を統一する唯一神。
   全ての味噌汁と見守り、全ての味噌汁を愛し、全てのミソシラーを後押しする、味噌汁界の守り神だ・・・。

シン:・・・の割にはポタージュ飲んでるんだな。

キミ:あ、俺もそうだよ。

シン:お前もかよ!!スランプが消え去って真逆の方向に向かってるじゃねえか!!
   そこは味噌汁飲もうぜ!?味噌汁マスターなんだろ!?

キミ:バカだな。もはや味噌汁は食べるものじゃない。・・・浴びるものなんだよ。

シン:食べるものだよ!!味噌汁体に浴びたらべっとべとになるわ!!

キミ:バカだな。べっとべとになったらシャワーで洗い流せばいいじゃん。

シン:流していいのかよ!!じゃあその行動にどういう意味があるんだよ!!

キミ:バカだな。味噌汁は口で食べるんじゃない・・・体で食べて、心で味わうんだ!!

シン:・・・「バカはお前だよ」って言う気力もねえよもう!!
   バカとかそんな一言で片付けられる境地じゃねえぞ、今のお前は!!

キミ:ふっ、ミソシラーは普通の人間と歩む道が違うのさ。

シン:味噌汁如きで道を踏み外すなよ!!大体何だよそのミソシラーってのは。

キミ:ミソシラーって言うのは味噌汁教を信仰する人々の名称だよ。

シン:味噌汁教!?味噌汁を仰ぐ宗教!?

キミ:あ、「ミソシラー♪」みたいな感じで言わないようにね。
   音階を口ずさんでるように見えるから。ヤマハ音楽教室みたいになるから。

シン:知らねえよ!!むしろそっちであって欲しかったわ!!

キミ:ミソシラーは味噌汁教に従い、教祖ミッソーノを仰がなければならない。
   毎日ミッソーノが住みたまわる方向に礼をし、ご本尊に味噌汁を供える。
   そして毎朝味噌汁を浴び、ポタージュを食す。
   決して味噌汁を食してはいけない。それは禁忌だ。仰ぐものを口の中に入れてはいけないんだ。

シン:・・・お椀物として生まれた味噌汁が不憫でならないよ。

キミ:そして、味噌汁をとことん愛する心を持たなければならない。
   「味噌汁におぼれて死ねれば本望だ」の精神を持たなければならないんだ。
   そして俺は最強の味噌汁好き。その名も「味噌汁マスター」。
   俺は、味噌汁に尽くし、味噌汁と歩み、味噌汁と一体化する。
   そう、たとえ味噌汁に己の体、己の人生を食われようともなぁ!!
   それが・・・マスターとしての誇りだぁぁぁぁ・・・!!

シン:・・・・・・もう人間の目じゃねえよぉ!!こいつ完全に味噌汁を別次元に捉えてるよ!!

キミ:味噌汁はな・・・第2の大宇宙なんだよ。

シン:・・・お前の理屈だと大宇宙が全国の食卓に並んでるのか・・・。
   ・・・あれ?でもお前さっき普通に味噌汁食ってたじゃねえか。

キミ:ん?そりゃあ、せっかく奥さんが作ってくれたものを食わないのはまずいだろ。

シン:いや、ダメだろ!食してはいけないって言う禁忌を破ってるぞ!?

キミ:考えてみろよ。家のふすまの障子って、なんか指で穴を開けたりとかして破りたくなるだろ?
   それと同じだよ。

シン:・・・お前信仰者としての誇り0じゃねえかよ!!そんなノリで信仰対象を土足で踏みつけるなよ!!
   禁忌になってるんなら飲むなよ。

キミ:何言ってるんだよ。わざわざお前が泊めてくれてな、奥さんに散々世話になったんだぞ?
   昨日もビールやおつまみ用意してくれたり、布団を敷いたりしてくれたじゃねえか。
   そこまで骨を折ってやさしくしてもらってるんだから、俺も好意を無理に断らずにそれに甘えるのが礼儀ってもんだろ。

シン:・・・お前すごいいいヤツじゃねえかよぉぉ!!

キミ:な、何だよ!怒られてる風に褒められたの初めてだよ。

シン:礼儀がいいのはとてもいいことだと思うけど、さっき味噌汁教の事を語ってたとき時とのギャップが物凄いんだよ!!
   あのときのお前と今のお前が全く別人に見えるよ!!

キミ:フッ。(キラーン)

シン:・・・微妙に様になってるのが腹立つ。
   でもまあお前が怒った理由は分かった。
   ミソシラーとして、しょっぱすぎる味噌汁は味噌汁としてはいけないってことを言いたいんだな。

キミ:いや、俺最近血圧が上がってるから塩分気にしてるんだよ。だからしょっぱい味に少しイラッと来ただけ。

シン:自己責任じゃねえかよ!!ていうかだったら味噌汁教とか関係なくねぇ!?血圧が上がってるって素直に言えよ!!

キミ:いやいや、俺22だよ?この年で高血圧なんて言うの恥ずかしいからつい照れ隠しで味噌汁教の話にな。

シン:高血圧以上に恥ずかしい姿さらしてたけどな!!

キミ:あ、ちょっとイラッと来たからこその発言であって、彼女を殴る気は一切ないよ!?
   殴るどころか仲良くしたいよ!むしろ抱きたい!!

シン:殴るよりタチ悪いわ!!ヤったらそれこそこっちが暴行タイムだぞ!!

ケイ:(トットット)なにをやるって?

シン:い、いやいや!なんでもないよ!お前は俺が護るから・・・じゃなくてえーと!

ケイ:護る?・・・う、うん、ありがと、なんかわかんないけど嬉しい・・・。

キミ:・・・・・・・・・ヒュー!

シン:・・・・・・・・・フゥー!!!

キミ:ああ!!俺の味噌汁上で突風起こさないで!!冷めちゃう!!

ケイ:ふふふ、仲がいいのねお二人さん。
   あ、それよりごめーん!お魚焦がしちゃってて、焼きなおしてたの。時間がかかってごめんなさい。

キミ:あ、いえいえ!大丈夫ですよ。こっちはお客の身ですからね。文句は言いません。

ケイ:ホントにごめんなさい。はい、お魚です。

キミ:わー、おいしそうな魚ですねぇ。いただきまーす!(パク)うん、うまい!奥さん料理上手ですねぇ!
   よっ、料理の鉄人!!名人!!見た目以外は平野レミ!!

ケイ:もーう、七星さんたらおだてるのが上手いんだからぁ。

シン:なぁなぁ、ケイ。

ケイ:ん、何?シンくん。

シン:こいつさ、実はみそし・・・。

キミ:(シーーーーッ!!)

シン:!?

ケイ:え?何?

キミ:(こら、シン!!恥ずかしいだろっ!!)

シン:(恥ずかしいって何だよ。あんだけ俺に醜態さらしておいて。)

キミ:(お前は親友だからいいけど、俺彼女とはあまり面識ないんだぞ!?恥ずかしいよ!!)

シン:(いいじゃねえかよ。信仰してるからには堂々としてろよ。ミソシラーなんだろ?)

キミ:(いいよそんなの!ミソシラーも今少し飽きてるんだよ!!)

シン:(飽きた!?飽きたってなんだ!?)

キミ:(だって味噌汁を体にかけると肌が荒れるし、ポタージュを手作りで作ったほうが楽しくなってきたんだもん!!)

シン:(はあぁ!?)

ケイ:・・・さっきから二人で何をしゃべってるの?

キミ:い、いやいや!!なんでもないですよ、奥さん!!

ケイ:?・・・まあいいや。シン君、私、ちょっと片づけをしてくるから、食べ終わったら食器持ってきてね。

シン:あ、ああ、分かった。

ケイ:(トットット)

キミ:ふう〜。

シン:・・・・・・お前さ、中途半端なヤツだな。

キミ:え?何がだよ。

シン:何がじゃねえよ!
   さっきは散々言ったけどな、俺はいくらお前が変な宗教をやっててもな、よっぽど悪どくなければ俺は信仰してもいいと思ってるよ。
   軽蔑もしない。
   でもな、お前今中途半端な信仰してるじゃねえかよ!!禁忌破ったり、飽きたって言ったりよ!!

キミ:いや、お前俺の事を誤解してるよ。
   俺は味噌汁は大好きだよ?作るの楽しいし、美味しいし。
   あんなに奥が深い料理はないと思ってるよ。

シン:うん・・・。

キミ:ただ、宗教となるとめんどくさい。

シン:お前最悪だな!!あんなに熱弁してたのはなんだったんだよ!!ミッソーノの方向に向かって礼をしてるんだろ!?

キミ:まあな。でも、めんどくさいから最近は会釈程度。「あ、ども。」って。

シン:近所の知り合いとの挨拶みたいなノリでいいのかよ!?
   トップにいる奴がそんな態度じゃまずいだろ!!味噌汁マスターなんだろ!?

キミ:そうだよ?でも味噌汁マスターはあだ名だし。

シン:あだ名!?

キミ:そう。高校の頃あまりに味噌汁が大好きなもんだから友達からそういうあだ名がついちゃった。
   そういわれて嬉しかったから、自称してるだけだよ。
   ミソシラーのトップの名称だなんて俺一言も言ってないからね。味噌汁教とは全く関係なーい。

シン:紛らわしい自称を話に混ぜるなよ!!

キミ:「ジュラルミソケース」って言う自分で考えたネームにしようか迷ったんだけどな。

シン:迷う必要は一切ねえよ!!ジュラルミンケースとかけた意図も見えてこないよ!!
   つーか根本的なことを聞くぞ。あんなに味噌汁教について熱弁していたのは本心じゃないのかよ?

キミ:いや、俺宗教の内容自体は大好きだし、そのとおりだなって思うよ。
   俺は味噌汁が大好きだし、味噌汁道を進み続けたいし。
   俺は本気で味噌汁に尽くして、味噌汁とともに歩んでいくような意気込みでこれからも生きるつもりだよ。
   たとえ味噌汁に己の体、己の人生を食われようとも!

シン:うん、そうだろ?

キミ:ただ、礼とか供えるとか作るとかすっげぇめんどくせー!!

シン:お前とことん最悪だな!!信仰者としてあるまじき態度だな!!

キミ:ミソシラーとしてじゃなくても味噌汁を愛せると思うんだよねー。
   というか毎日作り続けるのが愛なのかってのも疑問だよねー。
   「あさげ」で簡単に作るのも愛だと思うんだよねー。

シン:もう味噌汁の捕食者対象だよお前は!!お前のそれらの発言に愛がこもってねえよ!!

キミ:大体ミソシラーの事について知り合いに語るのもしんどいよー。知り合いもほとんど引いてるしさー。
   俺がミッソーノと出会った興奮を伝えるとみんな俺の眼の色を気にするんだよー。中にはおでこ触ってくる人もいてさー。
   ・・・もうその気遣いを受けるのも理不尽すぎてつらい。

シン:・・・それはよくわかる。お前の気持ちも知り合いの気持ちも。
   じゃあ、お前味噌汁教をやめるつもりなのかよ?

キミ:いや、抜けると他の信者が家に味噌汁ぶっ掛けてくるからやめない。

シン:やっぱり中途半端な野郎だな!!信者の嫌がらせもそうだが!!

キミ:重度の信者はタチが悪いんだよな。味噌汁が「ド」がつくほど大好きな奴らで、「ドミソシラー」って言われてるんだけどさ。
   あ、「ドミソシラー♪」って・・・。

シン:言わねえよ!!悪いがこの話にヤマハが付け入る隙はない!!

キミ:あ、そうだそうだ。俺今の彼女がな、「ブイヤベース教」を信仰してるんだけどさ。
   俺、掛け持ちしようと思ってるんだよ。

シン:もう絶望的に最悪だな!!両方の教祖から祟られるぞ!!
   大体、信仰前はミッソーノが味噌汁の鍋から出てきたんだろ?そんなことしたら今度は祟りに出て来るかもしれないぞ。

キミ:大丈夫だよ。最近は歌手活動やクイズ番組でおバカ軍団と対決するのに忙しいらしくてな。

シン:本物のmisonoじゃねえかよ!!

キミ:この前のヘキサゴンではうどんを配ってるたいぞうに対抗して口から味噌汁を吐き出してたな。

シン:何者だよあの娘!!ミッソーノもmisonoも何者だ!!
   というかお前も何者だ!!こんなんで怒ってる俺も何者だー!!!

キミ:まあまあ、落ち着け!ほら、水。

シン:(ゴクゴクゴク)はあ、はあ・・・。とにかく、お前の徹底しない態度が気にくわねえよ。俺は。

キミ:いいじゃねえかよー・・・ん?

シン:・・・どうしたんだよ。

キミ:なんか向こうの部屋から声が聞こえないか?

(ブツブツ・・・ブツブツ・・・)

シン:あそこはちょうどケイの部屋だけど・・・。ホントだ。なんか聞こえるな。

キミ:・・・ちょっとのぞいてみようぜ。

シン:・・・確かに気になる。見てみよう。



二人:(ドアを少し開けてのぞく)



ケイ:まことに申し訳ございません、グリルウオ様。サンマを2匹、焼き焦がしてしまいました。
   ヤキザカーナ様の与えたもうた恵みを、無駄にフイにしてしまいました。
   私は焼き魚教の信仰者「ヤキザカナー」として失格です。
   この罪は消えるものではありません。これから心にこの罪を抱えながら、生きていきます・・・。

   まことに申し訳ございません、グリルウオ様。サンマを2匹、焼き焦がしてしまいました。
   ヤキザカーナ様の与えたもうた恵みを、無駄にフイにしてしまいました。
   私は焼き魚教の信仰者「ヤキザカナー」として失格です。
   この罪は消えるものではありません。これから心にこの罪を抱えながら、生きていきます・・・。

   まことに・・・。


シン:・・・・・・。

キミ:(なあ・・・土下座の先にあの手足の生えた魚が杖を持った像があるけど・・・。)

シン:・・・・・・。


ケイ:・・・抱えながら、生きていきます・・・。

   では、最後に罰則の儀として「罪の舞」を披露いたします。


   ヤキザカ〜ナ〜!!サカナサカ〜ナ〜!!ディーエイチエァ〜ディア〜!!
   アジサンマサーバースズキー!!マグロイワシウナギア〜ユ〜マナガツオ〜!!
   ヒラメヒラメヒラメヒラメヒラメヒラメヒラメヒラメヒラメヒラメヒラメヒラメシタビラ〜メ〜!!

   ヤキザカナハサイキョウニシテユイイツノゼッタイテキサカナチョウリホウ!!
   コレイジョウノサカナリョウリハソンザイシナイ!!
   ヤキザカナヨ!!セカイジュウノヒトビトヲソノタマシイヲモッテシテコウフクニシタマエー!!!!

   ヤキザカ〜ナ〜!!サカナサカ〜ナ〜!!ディーエイチエァ〜ディア〜・・・。


二人:(ドアを閉める)



キミ:・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

シン:・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

キミ:・・・・・・あれくらい信仰すればいいの?

シン:・・・・・・それより、俺離婚するわ。

市河:青バト初挑戦ですね。
ケイ:ですよー!!
キミ:ですよですよー!!
シン:・・・この人たちテンションの方向性狂ってますけど気にしないでください。
碓氷:僕はむしろシンさんのテンションのほうが気になる。
シン:・・・僕ですか?
碓氷:なんか変におとなしいというか、暗いというか・・・。
キミ:こいつ、緊張しいのオクテなんですよ。
ケイ:でも、笑うとかわいいんですy・・・あいたたたたた!!
シン:・・・次言ったら右耳は無いぞ。
市河:いったそー・・・(右耳触りながら)
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劇団ヴァージニティー   (2/2)
コント/一日署長嬢
牧原:このネタは自分でも好きなんですよ、とりあえずホッとしました。
有田:んじゃどーぞー。あたし今回も出てないけど。
牧原:いじけないで下さい。
最終兵器と言っといて最後も出さない作戦ですね。2連勝!劇団ヴァージニティー!

美奈子:はーい、ビール大ジョッキ3番テーブルにご到着ー!

大牟田:よーし、ノンキャリアで署長にまで昇進した意地を見せてやる!

美奈子:そーれ、イッキ!イッキ!イッキ!イッキ!

大牟田:・・・ウゥ〜イ!どんなもんだ!

美奈子:きゃー、すごーい。さすがビア樽体型ー。

大牟田:はっはっは、褒めとるのかけなしとるのか分からんが、とにかく愉快だ!
    よーしミーナ、お前の好きなものを言ってみろ!

美奈子:あら、でもそんなの悪いわ。

大牟田:何を気にすることがあるか、マンションだろうが外車だろうが経費でバンバン落とせるわい!
    ミーナの望みを何でも叶えてやるぞ!

美奈子:ホント?ミーナの言うこと何でも聞いてくれる?

大牟田:ああ、不思議なポッケはないが叶えてやる!

美奈子:それじゃあね・・・。








大牟田:・・・というわけで、本日一日署長になったミーナ・・・じゃない、
    恩田美奈子くんだ。

美奈子:よろしくー。

コトミ:何が「というわけで」ですか!

大牟田:仕方ないだろ、成り行き上。

コトミ:署長が夜な夜な何をしようと勝手ですが、警察を私物扱いされては困ります!

大牟田:いいだろうが、マンションや外車を経費で落として、
    犯罪沙汰になって不祥事で叩かれるよりは。

コトミ:ていうかどうやって本庁に許可貰ったんです!?

大牟田:案ずるな、奴の本業はあれでも一応アイドルの卵だ。もう28だがな。

コトミ:かなり腐乱臭がしますよ、その卵。

大牟田:本庁なんて世間知らずの巣窟なんだ。
    アイドル扱いで申請出したら一発で通ったぞ。

コトミ:嫌な世の中ですね。

大牟田:とにかく、適当に交通取締りでもやらせとけ!
    その辺は交通課長である貴様の管轄なんだからな!

コトミ:凄い逆ギレ捨て台詞。

美奈子:んで、アタシは何をすればいい?カツ丼の注文?護送車の運転?

コトミ:一日署長なんて大それた希望を出す割に希望業務は地味ね。
    交通取締りよ、交通取締り。

美奈子:そっちの方が地味じゃん。大体アンタ偉そうに何様よ?

コトミ:うっさいわね、こちとらお局様よ!ホステス風情が文句ある!?

美奈子:妙な迫力で微妙に納得させられるわね。
    まあいいわ、早く行きましょ。

コトミ:じゃあまずはミニパトの助手席に乗って。あたしが運転するから。

美奈子:ダメ、ウチのお店同伴出勤禁止なの。

コトミ:何処の世界にミニパトで同伴出勤する公僕がいるのよ!
    さっさと乗りなさい!

(バタン)

美奈子:うわ、狭いわねえ。ベンツとかリンカーンとかないの?

コトミ:何よ、その偏った車種は。

美奈子:へー、ガラスはやっぱり防弾なんだ。これなら流れ弾も怖くないわね。

コトミ:一度あんたの店の客層を取り調べさせて欲しいわ全く。
    あ、ホラ。あそこに駐車違反の車があるから行きましょ。

美奈子:で、まずはどーすんの?

コトミ:この白チョークで道路に書くのよ。

美奈子:白チョークってのもイマイチ無個性ね。

コトミ:ガタガタぬかすんなら別の色でもいいわよもう。

美奈子:んじゃこの真っ赤なルージュで。

コトミ:やっぱボツ!ていうかそれあたしの秋の新色!

美奈子:いいじゃん、どうせアンタじゃ豚に真珠よ。

コトミ:失礼な。いつスリ取られたんだろ。

美奈子:『サ・ヨ・ナ・ラ』と。

コトミ:鏡台も無いのに荒井由美の世界醸し出さないでよ!

美奈子:よく分かるわね、さすがお局様世代。若い子にはチンプンカンプンよきっと。

コトミ:余計なお世話!時刻を書くのよ時刻を!

美奈子:『9時まで待ちました。サ・ヨ・ナ・』

コトミ:ストーップ!伝言板風味にしない!

美奈子:ラまで書かせなさいよ!くーっ、スッキリしない!

コトミ:それにしてもあんた微妙にネガティブね。

美奈子:こちとらいろいろ苦労してんのよ。
    いいじゃないサヨナラで。どうせレッカー移動でサヨウナラなんだし。

コトミ:まあそうなんだけどさ。

(ピーピーピー)

コトミ:ハイこちら3号車・・・3丁目の曲がり角でひき逃げ!?
    被害者は軽傷、犯行車ナンバーは『まー703』ですね。了解しました!

美奈子:なになに、事故?

コトミ:そう、早く乗って。

美奈子:ダメ、ウチの店お持ち帰り禁止なの。

コトミ:アンタを持ち帰るほど物好きじゃないから!
    早く乗って!飛ばすわよ!

(ピーポーピーポー)

美奈子:うーん、サイレン鳴ってるのに追う側なのっていつもと違って気持ちイイー!

コトミ:一度あんたは素性を洗ってみる必要がありそうね。

美奈子:あ、スピーカー。

コトミ;ちょっと、勝手にいじらないでよ!

美奈子:待てぇ〜ルパ〜ン!なんちゃってー!キャハハハハ!

コトミ:納谷悟朗さんに怒られるから止めなさい!
    よし、犯人の車が見えたわ!今よ、呼び止めて!

美奈子:ねえねえそこのお兄さん、ちょっとウチの店に寄っていってよぉ。
    アンタならカッコいいから違反切符半額におまけしちゃう!

コトミ:半額還元セールじゃないんだから!
    そんなことされたら、こちとらおマンマ食い上げよ!

美奈子:気を取り直して。
    あーあー、止まりなさい止まりなさい。
    さもないと警視庁御用達のノドンテポドン吉四六どんがお相手するよ!

コトミ:物騒なもんに何で大分県の昔話が混じってるのかはさておき、
    どれもこの車には搭載してないわよ!

美奈子:あ、でも止まった。

コトミ:何でも言ってみるもんねえ。

美奈子:車から降りてきた。

のっこ:いやあああああ!ホラを吹かれるのはいやあああああ!

美奈子:吉四六どんが一番ダメージ与えたみたい。

コトミ:何でも言ってみるもんねえ。

美奈子:それにお兄さんじゃなくてお姉さんだったわね。
    コレじゃウチの店伝統の呼び止め術も効かないハズよ。

コトミ:元より効果なんて無さそうだけどね。ほら、後部座席に乗せて。

美奈子:ダメ、ウチの社宅連れ込み禁止なの。

コトミ:いっちょまえに社宅なんてあるのね・・・
    ってそんなとこに思わず感心しちゃったけど、もう突っ込まないわよ。

美奈子:ほら、乗って乗って!・・・うわ、酒クサ!

コトミ:飲酒運転の罰金刑も上乗せね。

のっこ:・・・それっておいくらですか?

コトミ:30万近くかかるわね。

美奈子:うわ、ウチの店よりボッタクリ!

コトミ:うっさい。お上にかかりゃ無理も道理に早変わりなのよ。

のっこ:そんなことより吉四六どんは!?吉四六どんはもう怒ってないですか!?

コトミ:やっぱり酔いまくりね。

美奈子:大丈夫大丈夫、悪いことさえしなければ素敵なホラしか吹かないから。

のっこ:よ、よかったあ・・・。

美奈子:だけどアンタ、吉四六どんのホラ上手な面しか知らないようね。

のっこ:ど、どういうことですか?

美奈子:アタシの店の常連さんが教えてくれたんだけど、
    吉四六どんって不思議な人物でさ。
    ホラを吹いて人々をだますかと思えば、とんちを働かせて困ってる人を助けたり、
    そうかと思いきや、一方では愚か者の代名詞という人もいるのね。

のっこ:すごい!多重人格者ですね!

コトミ:ちょっと違うと思うけど。ただの伝承のされ方の違いでしょうに。

美奈子:今のアンタは愚か者の吉四六どんよ。
    早く罪を償って、とんちで人々を助ける素敵な吉四六どんになって帰ってきなさい。

のっこ:はい!

美奈子:いやー、犯人も捕まえたことだし、ご満悦ってトコね。

コトミ:お疲れさん、日も暮れてきたし、署に戻るわよ。

美奈子:是非延長でお願いしたいんだけど。

コトミ:さっさと店に出勤しなさい。
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ウルトラスーパーDX潮江軍団   (5/6)
コント/ザ・トップランナー
向島戦犯:ソロモンよ!私は帰ってきた!
向島元軍団長、ここに帰還。今期2勝目!ウルトラスーパーDX潮江軍団!

二兎山(にとやま):とにかく自分に誇りをもってね、前向きに物事を考えること。これはすごい重要ですよ。 

司会者:しかし、普通の人にはそれは容易ではないですよね。 

二兎山:容易ではないけれども、その壁を乗り越えなければ、輝かしい未来はありません。 
    私はね、皆さんにもっとポジティブに人生を歩んでほしいと思うんです。しっかりとした目標を持ってね。 

司会者:なるほど、ありがとうございます。
    ザ・トップランナー。今週は日本が誇る世界のニート。
    ニート界のトップランナー・二兎山ヒキ男さんをゲストにお迎えしてお送りしております。 



司会者:今、二兎山さんは「ニート界の革命児」と呼ばれているわけですが、
    なぜ、ご自身がニート界においてこれほどまでの地位を築けたのだと思われますか? 

二兎山:そうですねぇ、やはりニートという概念を覆した、と申しますかね。
    世間が持っている誤ったニート像というものに異を唱えたことではないでしょうか? 

司会者:誤ったニート像、ですか? 

二兎山:そうです。世の中には2種類のニートが存在するんですね。 
    学問的な分類でいえば、「選択的ニート」と「消極的ニート」です。 
    しかし、世間が持っているニートのイメージというものは「消極的ニート」の1つしかないわけですよ。 
    この消極的ニートに関しては、私も非常に憤りを感じています。 
    働くのが嫌だから、とりあえずニートになろう、という舐めた考え。そんな奴はニートの風上にも置けないですね。 

司会者:ということは、二兎山さんは選択的ニートに分類されるというわけですね。 

二兎山:えぇ、もちろんそうです。 

司会者:なるほど。では、選択的ニートというものは、どういう方たちなのでしょうか? 

二兎山:それは文字通り、選択的にニートになった人たちのことを指します。 
    憲法で保障されている、職業選択の自由の下で、ニートになったということですね。 

司会者:ちょっと待ってください。ニートは職業なんですか? 

二兎山:私はそう思います。
    今、プロ水準に達しているニートをニーティストと呼ぼうという動きもありますからね。 

司会者:なるほど、わかりました。お話を続けてください。 

二兎山:ですから、私だってね、働こうと思えばいつでも働けるんですよ。
    しかも、一部上場企業にね。出世も、恐らくすると思います。 
    働きたくないからだとか、働ける自信がないからだとか、そういう甘えた意識は何一つありません。 
    中の上、もしくはそれ以上に仕事ができるにもかかわらず、あえて選択的にニートを選んでいるわけです。 

司会者:ずばり、それはなぜですか? 

二兎山:一言でいえば、「自己実現」でしょうか。 

司会者:自己実現? 

二兎山:人は誰しもがもって生まれた才能というものがあるわけです。
    その才能を生かして、「社会において果たすべき役割」というものも当然あります。 
    人生というものはそれを見つけることが目的と言っても過言ではありません。 
    それがたまたま、私はニートだったというわけです。 
    野球がうまい人はプロ野球選手に、ニートがうまい人はコスメティック・ニーティストに、当然の流れでしょ? 

司会者:確かにそうですね。 

二兎山:ニートである自分が一番輝いている。だからこそ、もっともっとニートになりたい。
    そして、ニートになればなるほど、より一層自分が輝く。このニートスパイラルが大事なんです。 

司会者:なるほど、深いですね。 



司会者:近年、「働いたら負けだと思う」という発言が波紋を起こしましたが、二兎山さんはこの件についてどう思われますか? 

二兎山:いえ、決して負けではないと思います。
    我々ニートと社畜、いや失礼、サラリーマンは同じ土俵には上がっていませんから。 
    ニートにはニートの、サラリーマンにはサラリーマンの競争があり、同列に語ることはできません。 
    いわば、サラブレットとばんえい競馬みたいなもんです。もちろん、我々ニートがサラブレッドですけどね。 

司会者:ニート界にも競争があるわけですか? 

二兎山:当然ですね。むしろ、ニート界における競争の方が厳しいかもしれません。 

司会者:厳しいと申しますと? 

二兎山:というのも、近年、ニート界にも成果主義が導入されてましてね。 
    年功序列、つまり、ニート歴が長ければいいっていう時代はもう終わったんですよ。 

司会者:では、どのような尺度で成果を測っているんでしょうか? 

二兎山:それはいかに、ニートを貫いているか、だと思います。 

司会者:ニートを貫く、とはどういうことですか? 

二兎山:その前に、あなたはニートの定義をご存じですか? 

司会者:それは・・・働かない人達のことですかね? 

二兎山:それは正確ではありません。働かないだけではニートではないんですよ。 
    Not in Education, Employment or Training、教育を受けておらず、労働をしておらず、職業訓練もしていない。 
    ですから、私は働かないだけではなく、できるだけ教育を受けてしまう行動はしません。 

司会者:教育を受けてしまう行動とは、具体的にどのようなことでしょうか? 

二兎山:それはね、挙げればキリがないですよ。 
    例えば、マンガはほとんど読めません。 
    美味しんぼを読めば、いかに料理で物事を解決できるかが身に付きますし、 
    遊人や桂正和のマンガを読めば、男子中高生を興奮させる方法が身についてしまいます。 
    そして、ハンターハンターでは冨樫先生の休載具合で、仕事の手の抜き方を学んでしまいます。 
    これらすべてが、教育を受けていることと見なせるからなんです。 

司会者:確かにそうですね。 

二兎山:マンガに限らず学ぶ要素なんて、そこら中に転がってるんですよ。これをいかにシャットアウトするか。
    これが、フロンティアニートになる秘訣だと思います。 

司会者:なるほど。 



司会者:それでは、二兎山さんがニートを目指そうとした経緯をお聞かせください。 

二兎山:はい。
    私は12歳でヒキコモリになりました。これはもちろん、選択的ヒキコモリです。
    イジメを受けてるからだとか、勉強が嫌だからだとか、
    そういうマイナス要素が原因でヒキコモリになったわけでは有りません。

司会者:では、何故ヒキコモリになったのでしょう?

二兎山:漠然とした言い方で申し訳ないですがね。部屋にこもっている自分を客観的に見たとき、気付いたんです。
    自分は、なんて慈愛に満ちたヒキコモリ方をしているんだろうと。それからですね、貪欲的にヒキコモリ始めたのは。
    そして、エスカレーター式にニートまで登りつめた、というわけです。

司会者:ヒキコモリからニートへ。まさにエリートコースを歩んできたわけですね。 

二兎山:そうですね、たいていの人間は大人たちが敷いたレールに沿って、進んでいくわけです。
    いい学校に入って、いい会社に就職する。でもね、それはすごい楽なんですよ。
    世間にはそういった普通の生活をしている人間で溢れているわけですから。彼らと同じ行動をすればいい。
    しかし、私はそれら全ての可能性を捨てて、自らニートという茨の道を選んだわけです。 
    これは苦しいですよ。辛いですよ。孤独ですよ。
    それでも、私はニートを選んだんです。ニートという自分に人生を賭けたんです。 

司会者:なるほど。では、ニート界のトップを目指すにあたって、何か独学で学んだりしたわけですか? 

二兎山:いえ、何も学んでいません。ニートですから。 

司会者:それは失礼しました。 



司会者:それでは最後に、今後の目標をお願いします。 

二兎山:そうですね。そろそろ両親が定年退職するので、彼らの収入が減ってしまいます。
    これからニートであり続けるためには、かなりの逆風になるでしょう。 
    そうなったときに、いかに彼らの年金をしぼり取るか。むしり取るか。この1点ですね。 

司会者:なるほど。 
    えー、今回のゲストは日本が誇る世界のニート・二兎山ヒキ男さんでした。 
    どうもありがとうございました。

二兎山:こちらこそ、ありがとうございました。 
    あ、この出演はノーギャラでお願いしますね。お金をもらったら、働いたことになるんで。 

司会者:もちろん、1銭も払う気はありません。 
    
  
終わり
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【敗者コメント】
七草 269KB
草野:負けちゃったか・・・

鈴城:得点次第じゃ次回もこのネタかもよ。
アガサ博士の研究所 237KB
アガサ:よし、今期出場停止

棚日:さようなら

【ジャッジペーパー】  上から、SPARKING、もりちみを、豆師匠、ギャラえん、8823、銀沙灘(敬称略)
1組目 七草
・魔法のセールスって設定は非常に良かったですし、ポテトの使い方は上手いです。
 ただボケが魔法を売るよりも謝罪が多かったくワンパターンになったのが気になりました。
 個人的に前回やっていた魔法使いのネタを使っても良かったんじゃないかと思います。(4点)

・テンポは非常にいいと思いました。
 ボケはちょっと想像の範囲内というか、べたともいえるものが多かったかと。
 魔法系のネタではもっと面白いネタをいっぱい見てきたのですがそれを越えられなかった感じです。(3点)

・淡々と不条理を受け入れる設定は好きです。
 何のためらいもなく、魔法というものを受け入れているあたりがいいです。
 ポテトを顔に擦りつけながら消していく、なんて想像しただけでめちゃくちゃ面白いです。
 ただ、紹介する魔法の内容がすべて「役に立たない魔法」というボケだったのは残念です。

 あと、お金の単位が違うというのはベタな感じなので、そこも点数を引きました。(7点)

・構成に関してはよく出来ているとおもいますが、内容に意外性がなさすぎるかと。
 「マクドナルドのポテト揚がりました的な音」と言われても、実際に音もない効果音の文章だけだと微妙に伝わらないと思われます。
 せっかくの「魔法」+「セールス」という良いアイデアを扱いきれていないのが残念。(4点)

・ポテトのボケを全体的に散らしていたのは良かったと思います。
 ただ、他にボケは「期間の長さが極端」なボケが続いて良くも悪くもベタな感じがしました。(3点)

・忍耐、プライドのくだりの2人のやりとりが小気味良いです。この調子をずっと保っていたら高得点つけてました。
 しかし「覚えられるのは役に立たないものばかり。実用的なものは会得不可能。」の二言でボケの全てが言い表せてしまうほど、
 ボケのバリエーションが少ないです。ここまで少ないと展開が読めてしまいます。
 そこに気をつけて再度練り直してみてください。(3点)
2組目 劇団ヴァージニティー
・荒井由美→荒井由実

 美奈子のキャラが最高です。キャバ嬢という設定を上手く一日署長に織り込んでいたと思います。
 ただ吉四六どんが良く分からずそこの下りだけ失速していたのが勿体無かったです。(9点)

・キャラクターは立っていて読みやすいネタですね。
 今まで見る専門だったので、貴方のネタは何度も拝見しています。
 でも、今回のネタはボケが今までにくらべて弱いなぁという印象です。
 ストーリー重視になりすぎてボケがこじんまりとしていると思いました。(7点)

・設定が奇抜でいいです。
 ですが内容が設定に負けてしまっている印象です。
 一つ一つのボケ、ツッコミは上手いと思うんですが、全体的に理屈っぽい感じで、飛び抜けた面白さがありませんでした。
 美奈子がもっとめちゃくちゃやっていいと思います。(7点)

・いつもの劇ヴァで安心しましたw
 相変わらずキャラの立ち方や「荒井由実」といった絶妙なフレーズがうまいですね。
 犯行車を追いかけるシーンが少し物足りなかったのと、オチが弱めだったのでやや点を引かせていただきました。(8点)

・キャラクターが多いので話の展開は分かりやすかったです。
 後半がもったいない気がしました。大牟田署長をもう一回出してみたりとか。
 あと、吉四六どんのボケはわかんなかったです。(6点)

・キャラがいきいきしてる上、腐卵臭、荒井由美と個性的なボケも光りました。
 ですが吉四六どんは必要なのかなとずっと疑問に思ってました。
 結構認知度のある物語だったらごめんなさいですが、
 どうも物語が予備知識として頭にないと理解し難いボケが多かったです。
 そのせいで尻すぼみで終わってしまったように思えますので、
 もしそこを変えられるのであれば変えた方がいいでしょう。(8点)
3組目 ウルトラスーパーDX潮江軍団
・何度か別のサイトで拝見させて頂きましたが素晴らしいです。
 二兎山のニートを冷静かつ饒舌な語りに引き込まれました。
 キャラクターも非常に上手く描けているし、ボケるところではきちんと雰囲気に合った感じでボケているので凄いと感じました。
 文句無しで満点です。(10点)

・アイデアはすごいと思います。
 ニートという単語ひとつでここまでの文章をかけるというのは素直に尊敬に値します。
 でも、それだけに「対談」という題材ということもあってか、話が小難しくなっていてボケが霞んでしまっているのは残念です。
 ちょっと崩してもいいから大きなボケがほしかったです。(4点)

・二兎山に腹が立ちます(笑)なんか実際にこんな奴いそうだなぁと思いました。
 こういうシュールな世界を成立させるには説得力というものが必須だと思うんですが、ここにはそれがちゃんとありました。秀逸なネタだと思います。
 ただ点数をつけるとなると、笑いどころが少ないのは減点ポイントです。
 語っている論理に破たんがないこと(実際には根本的に破たんしてるんですけど)が、マイナスに働いてしまった気がします。(7点)

・ニートがここまでえらそうだと逆にすがすがしいですw
 漫画のくだりは例えが絶妙で非常によかったです。
 ただ、1行が長いから目立たないのですが、文章の行数が少なめだったために割と終わり方が唐突に感じてしまいました。
 司会者に関しても聞き手に徹するだけでなく、もっとボケに絡ませてみたほうがよかったかと思います。(8点)

・筋の通ったニート論、面白かったです。
 中盤の富樫先生の休載具合はつぼでした。
 中盤以降はやや単調になってたけどそれでも良かったと思います。(9点)

・淡々としたやりとりの中にたまに垣間見える強烈なフレーズがいいアクセントになってます。
 とくに漫画では集中的にそれが見られました。
 しかしニートを目指そうとした経緯以降はボケというか笑えるポイントそのものが激減したように見えます。
 普通のインタビューをニートに置き換えただけになってしまった感じですので、
 もう少し捻りを加えた方がいいです。(7点)
4組目 メリースリー
・キミの味噌汁に対する情熱と味噌汁の味噌汁教に対する冷たさの対比上手く描けていると思います。
 途中中だるみして9点にしようかと迷ったんですが、ケイの最後の焼き魚教の「罪の舞」で満点です。(10点)

・言葉の使い方がうまいですね。
 かなり書きなれている人だと思います。
 基礎はすべてできていてすごいと思いますが、それだけに冒険がほしかったですね。
 宗教ネタもちょっとしつこくて個人的には減点対象です。(4点)

・小さな一点(この場合はもちろん味噌汁)から深く、大げさに掘り下げていくという設定のコントは好きです。
 が、味噌汁教の説明のくだりは予想の範疇のボケで、イマイチはまりませんでした。
 その後の実はめんどくさいからあまり熱心に信仰してないというところは面白いですが。

 しかし、このネタは最後の「罪の舞」が全部持ってっちゃいましたね。そこだけでプラス2点でした。(9点)

・展開が少々わかりずらい部分が多かったです。
 「ミソシラー」を始めとするフレーズのうまさは流石ですが、話の流れがわかりにくくて相殺されてしまっています。
 ネタそのものが非常に冗長なのもあり余計にそれが目立ってしまっていて、とても惜しいと思いました。
 でも、「ジュラルミソケース」はなぜか笑ってしまいましたw(5点)

・二人の会話の起伏が激しく良かったと思います。
 特に大オチの後の冷めた感がそれ以前のテンションの高さと対比してあって面白かったです。(9点)

・展開のスピードが早いのに決して読み手を置いていかない。このタイミングが絶妙です。
 終盤で今まで皆無に近かったトリオの魅力もしっかりカバーしていて言う事無いです。(10点)
5組目 アガサ博士の研究所
・ファッションの所々のボケは笑えましたし、今までのネタに比べて前半は漫才らしくなっているのは良かったです。
 ただ実際に演じる際に文字の変換ボケは伝わらないと思うので避けた方がいいと思います。
 それとは前々回も書かれたと思うんですが逆に文章で効果音のボケは伝わらないので止めた方がいいです。
 ツッコミの口調も敬語なのかタメ口なのかもはっきりさせた方が良いと思います。
 後半の野球部の下りは必要ないと思いました。良くあるボケを詰め込んだだけって感じで行数の埋め合わせにしか見受けられませんでした。(1点)

・ファッションのくだりはとても面白かったです。
 ただ、無理やり野球部のくだりをまぜたことでどちらも中途半端となってしまったのは残念ですね。
 ファッション一本だけでネタを作ればもっと得点をあげられたと思います。(4点)

・鬼太郎はうまいと思いました。そのほか、前半はいいと思います。
 しかし、どうせならファッションで最後まで貫いてほしかったです。ファッションをツカミと考えるには長すぎますし。
 これではどうしたって、ファッションで膨らませなかったから野球を継ぎ足したと見られてしまいます。
 一つのテーマを深く掘り下げるられるようにがんばってください。(2点)

・非常に惜しいですねぇ。
 ボケにセンスを感じるのですがいかんせん構成力が足りなくて台無しになってしまっています。
 話題の切り替わりも唐突で、ひとつひとつの話題も短いこともあいまって残念なネタになってしまっているという印象です。
 「下下下の下」は個人的に好きですが。(2点)

・一つ一つボケとツッコミのクオリティは高いと思いました。
 ただ、意外なほど終わりがあっさりしていて物足りなかったです。
 あと、ネタの切り替えの部分がやや分かりづらかったです。(7点)

・今までのネタから考えると格段に進歩したように思います。特にジーンズのくだりは安定しました。
 しかし元々テーマが2つあるせいでネタにまとまりがなく、
 また野球部への展開も間が短過ぎてついていけなくなりそうでした。
 こういう風にニコイチのネタをやるのなら前半と後半に繋がりを持たせないと評価されにくいです。
 素材は出来たのであとは調理法を学べばオンエアできる日も近いと思いますよ。(4点)
6組目 レトロスペクティブ京都
・石上のエロく妄想するキャラクターの設定は非常に上手いと思いました。ネタも目の付けどころが素晴らしいです。
 ただそれだけに時代考証を完全に無視したボケは入れない方が良かったです。雰囲気にそぐわなさ過ぎて勿体無いとかんじました。(8点)

・石上のうざいキャラがやみつきになりますね。
 古典を踏まえたうえでのネタということですがとても面白おかしくかいてあって楽しいです。
 素直にすごいとしかいえません。(10点)

・設定は良くも悪くもないと思います。
 内容は本当に小学生みたいなバカバカしいやりとりが続くわけなんですが、あまり笑えませんでした。
 もちろんバカバカしいのは好きです。
 ですが笑えるバカバカしさとは、荒唐無稽に見えて非常に練られているものだと思います。
 このネタは小ボケが続く感じで、ひねりがなく爆発的に面白い部分が見当たりませんでした。ひねりが無いのはオチも同じです。(3点)

・このネタと実際の話の差のでかさが面白かったです。
 小学生的な思考のボケが多いけど、最初から最後まで高い質を保っているからすごいと思いました。(10点)

・従者が急に子供っぽくなったり、KY・ノーパソは見逃せても獲ったどー!は
 その言葉自体にツッコんでるから妙に浮いてる事なんて吹き飛ぶくらい笑いました。
 石上のヘタレっぷりが。ダメ人間っぷりにハマりました。(10点)

【第237回結果表】 平均KB 378.3KB
グループ名KBOA率BL
レトロスペクティブ京都4614/10
メリースリー4451/1
劇団ヴァージニティー4292/2
ウルトラスーパーDX潮江軍団4295/6
七草2692/10
アガサ博士の研究所2370/4
メリースリーが高得点で初オンエア。
今期2勝目を挙げたの劇団ヴァージニティー、ウルトラスーパーDX潮江軍団。
しかし1位はここまで普通の回でオーバー400のなかったレトロスペクティブ京都が
自身初のトップ合格を決めた。