市河:いよいよ最終決戦です。

碓氷:麒麟145、パピーゲバ、八十八。
   この3組で初代チャンピオンの座を争います。

市河:早速最終決戦へと移ります。

碓氷:3組続けて行きましょう!










麒麟145

コント/電源を切った後のTVゲームの世界
監督:は〜いOK!!お疲れ様〜

河島:お疲れ様で〜す

矢野:河島さんお疲れ様です いや〜今日はなかなか長い収録でしたね

河島:このままゲームの電源切らないでやり続けるかと思ったよ・・・・

矢野:ところで前に1回そんなことがあったって本当ですか?

河島:お前がこの世界に来る前の話しでな ポーズボタン押しっぱなしでプレイヤーが寝ちゃったんだよ

矢野:それでどうなったんですか・・・?

河島:俺そのまんま立ちっぱなしだよ 休憩行こうとしたら監督に「プレイヤーがゲーム再開した時お前がいなかったらどうするんだ!!」って怒られたよ

矢野:誰もTVゲームがこんな仕組みだってこと知りませんよね・・・

河島:当たり前だろ プログラムがどうのとかで世間には広まってるらしいけどな

矢野:冗談じゃないですよね 我々がこうして苦労してるというのに・・・

河島:させられる側は大変なんだぞ?長時間プレイとかタイムトライアルとか・・・

矢野:何か前スタッフさんに長時間プレイを避けさせる工夫をしたとか聞きましたけど

河島:ああ・・・プレイヤーの目を悪くさせるという映像トリックだ

矢野:あれは我々の仕業だったんですか?!

河島:おかげで目医者からは感謝されているんだ

矢野:巧みな連携プレイを知ってしまった気がします・・・

河島:ここのベテランスタッフも何人も目医者に転職したんだ

矢野:大損害じゃないですか!!呼び戻さなくていいんですか?

河島:いいんだよ。元スタッフのいる目医者に行くと半額で治療してもらえるんだから

矢野:せこいですね・・・ところで河島さんもゲームやられるんですか?

河島:当たり前だろスタッフと交代しつつ3日間ぶっ通ししたこともあるぞ?

矢野:やりすぎ!!何でそこまでやったんですか・・・・

河島:そりゃあ他のゲームキャラやる役者への嫌がらせに決まってるだろ?

矢野:最低じゃないですか!!可愛そうにその役者さん・・・・

河島:それからその役者は過労で入院してそいつの分まで仕事が回ってきた・・・

矢野:自業自得ですよ・・・ところで河島さんはどんなゲームに主演してるんですか?

河島:有名なのではバイオハザードとかマリオとかパワプロだな

矢野:凄いじゃないですか そんな有名どころを演じてるなんて

河島:パワプロとか大変だぞ?

矢野:どういうことがですか?

河島:やたらと素振りする奴いるだろ?

矢野:いますね、ピッチャーが投げる前にやたらとブンブン振り回す人

河島:あれ腰痛いんだよ

矢野:まあ確かにそうかもしれませんけど・・・・

河島:ただでさえ短足の着ぐるみ着て動きづらいって言うのに・・・

矢野:あれ着ぐるみだったんですか?!

河島:そうだぞ?後大変なのはフェンスにやたらぶつかる人

矢野:守備の時にゴンゴンぶつける人いますけど!!

河島:今は衝撃を吸収するマットがフェンスの素材だからいいけど、昔のゲームなら怪我じゃ済まないぞ?

矢野:昔はそんな便利な物じゃなかったんですね・・・・

河島:本当のフェンスだからな・・・怪我人続出だ

矢野:今考えるとゾッとしますね・・・・他のゲームはどうだったんですか?

河島:残りの2つは監督やスタッフさんに怒られることが多くてな・・・

矢野:収録大変だったんですね・・・・

河島:例えばバイオハザードなら誰もいないとこで銃乱射とかさ

矢野:いますよね やたらと試し撃ちする人

河島:その音に新人スタッフが驚いて警察呼んだことがあったんだよ

矢野:プレイヤーのせいで大騒動になってるじゃないですか・・・

河島:その後監督と事情を知った警察にそのスタッフは怒られたんだけどね

矢野:あっあなたの話じゃないんですか?!

河島:それだけじゃ終わらないんだよ

矢野:まだ続きがあるんですね

河島:ナイフをやたらと振り回さなきゃいけない時があったんだよ

矢野:確かにナイフをやたらと振り回すプレイヤーいますね・・・

河島:新人スタッフがそれに驚いて警察を呼んだんだよ

矢野:またですか?!いい加減に仕事覚えろよそのスタッフ・・・・

河島:それで監督と事情を知った警察にそのスタッフは怒られ・・・

矢野:それさっきと同じじゃないですか!!どんだけそのスタッフの話好きなんですか・・・

河島:いいじゃないか女房いても若いスタッフのこと好きになったって!!

矢野:勢いに任せて衝撃発言しないでください!!

河島:しまった・・・・見事な誘導尋問だ

矢野:何処をどう尋問したんですか・・・あなたが怒られたことないんですか?

河島:壁にぶつかりながら移動したら大道具さんに「セット壊す気か!!」って怒られたことならあるぞ

矢野:壁に沿いながら移動する人いますけど!!大体それって河島さんのせいじゃないですよね?

河島:覚えとけ 演技指導のプレイヤーの尻拭いは全部こっちなんだよ

矢野:嫌な世界ですね・・・・

河島:後やたらと敵を倒すプレイヤーとかいるだろ?

矢野:あ〜丁寧に1匹ずつ倒す人いますね

河島:「掃除が大変なんだよ!!」って掃除のおばさんにめちゃめちゃ怒られるんだよ 気をつけろ。あれはゾンビとの戦闘より大変だ

矢野:どんだけそのおばちゃん怖いんですか・・・・

河島:かと言って全然倒さないプレイヤーがいるだろ?

矢野:いますね弾の節約とか早くクリアを目指す人とか

河島:「せっかく苦労してメイクしたのに素通りとは何事だ!!」って特殊メイクの人とかメイクされた人に激怒されたり

矢野:どっちにしても河島さん怒られてるじゃないですか・・・

河島:それ以外にもイライラすることあるんだよ

矢野:何ですか?

河島:セーブ地点が狭かったり、ベッドどころか椅子もないような場所だったり

矢野:あ〜そういう所ありますね

河島:1回これはゲームの世界だからいいけれど、現実世界なら敵は部屋に入ってきて攻撃してきますよ!!って別の場所を用意するように要求したんだよ

矢野:ただそこで休憩したくないからですよね?!

河島:監督もそういうことならって納得してくれた

矢野:納得しちゃったんですか・・・・セーブ場所変わったらプレイヤー困るでしょう・・・

河島:世間はこれをバグと呼んでいる

矢野:あんたのエゴでバグを作るな!!

河島:後バイオハザードのセーブ方法知ってるか?

矢野:知ってますよタイプライター使うんですよね?

河島:プレイヤーが臆病なのか頻繁にセーブするせいで腱鞘炎になってしまったこともある

矢野:確かに慣れてない人は頻繁にセーブしますけど!!これじゃあマリオとかでも苦労したんじゃないですか?

河島:あるぞ〜ノコノコで無限増殖ってあるだろ?

矢野:階段でノコノコを踏み続けるんですよね

河島:あれしんどいからやめてくれってノコノコ役のスタントマンからクレームが

矢野:あの時のノコノコはスタントマンがやってたんですか・・・・

河島:そうなんだよ 後あるのは同じ穴でよく落ちるんだよ

矢野:確かにマリオで同じ場所で死ぬことよくありますね

河島:その時もしかしたら滑りやすいんじゃないかとスタッフが気を使って足場を念入りに掃除してくれたりするんだ

矢野:プレイヤーのせいでめっちゃ気まずいじゃないですか・・・・

河島:他にも水中でそのままにされてスタントマンから「死にそうになった!!」って苦情が

矢野:あっやっぱ苦しいんだ・・・画面上では平気なのに本音はめっちゃ苦しいんですね

河島:♪苦しくったって悲しくたって画面の中では平気なの

矢野:アタックNo.1の歌をパクらないでください!!まだあるんですか?

河島:後無限増殖後のプレイだよ 残り人数に余裕があるからって無茶なプレイされたりするだろ?

矢野:あ〜そういうプレイしたりする人いますね

河島:あれ死んだらセーブポイントまで急いで戻らないといけないんだよ

矢野:・・・・それ相当大変ですよね?

河島:もう面倒な時は戻らないでその場待機だよ

矢野:それじゃあセーブポイントの意味ないじゃないですか・・・・

河島:世間ではそれをバグと呼んでいる

矢野:だからあんたの都合をバグに仕立て上げないでください!!

河島:どうだこの世界のこと少しはわかってきたか?

矢野:はい。知りたくないものまでよくわかった気がします・・・・あれっ何か真っ暗になりましたよ?

河島:何だ停電か?

矢野:照明さ〜ん何かあったんですか?

照明係:照明の異常じゃないで〜す

河島:じゃあ何だ・・・・まっまさか・・・

矢野:えっ何があったんですか?あっ監督

監督:セーブデータが消された もう1度最初から収録のし直しだ

河島:やっぱり・・・・もう最初から収録なんて嫌ですよ!!(タッタッタ)

矢野:あっ河島さん何処行くんですか!!(タッタッタ)

監督:おい河島逃げるな!!プレイヤーが電源入れたんだぞ!!(タッタッタ)

スタッフ:監督!!(タッタッタ)











少年:あれ〜何で動かないんだよ・・・

カシャッ
少年:カセットと本体に異常はないな・・・

カシャッ
少年:やっぱり動かない・・・・


















あなたがやろうとしていたTVゲームが動かなかった場合
ゲームの中ではこんなことが起こっているのかもしれません・・・・


1組目 麒麟145







パピーゲバ

漫才/戦隊もの
杉本:よし。俺がお前を人気者にしてやろう。

島田:…突然、なに?

杉本:夜中に思い立ってもうたんや。あっ!相方を人気者にしよう!…ZZZZZZ。

島田:え?で、即、寝たの?普通、興奮しすぎて眠れなくなるもんじゃないの?

杉本:ぐっすりや。心に渦巻いてたモヤモヤが晴れたんやろうな。

島田:そんなに俺、人気ないかなあ?

杉本:そんなに気に病むほどのことではないで。あの人の近くにいると、吐き気がして身体がむず痒くなる。って蔭で言われてる程度のことやから。

島田:最悪じゃねえか!

杉本:心配すんなって。俺はお前の味方や。(ポリポリ)

島田:なんで身体を掻いてんだよ!

杉本:誤解やって!俺はお前のことを、夜中に飛び回る蚊のように思っとんねん。

島田:極限にうっとおしいんじゃねえかよ!

杉本:いやいや。「いざとなったら、簡単にひねりつぶせる!」

島田:ナメられまくりじゃねえか!

杉本:お互いのためやろ。な?

島田:ま、俺もそこまで嫌われてるとは思ってなかったから。その提案には、賛成だけど。やべーぞ俺。

杉本:うん。やばいな、お前。(ポリポリ)

島田:だから掻くなー!

杉本:んで、本題。いつの時代でも人気者なものって何?そう!ヒーロー!

島田:んー。まあ、確かに。

杉本:というわけで、俺が、思い立ったときの勢いでお前のための戦隊ものの企画を考えたから。

島田:んー。ていうか。一回、睡眠挟んでるけどな。思い立ってから。

杉本:まず。ひとつめ。

島田:おう。

杉本:反射戦隊!

島田:お?

杉本:パブロフレンジャー!

島田:どういう戦隊だよ!だってそれ、条件反射の実験だろ?犬に餌を与える前に鈴を鳴らし続けてたら、鈴を鳴らしただけで涎が出るっていう。

杉本:うん。こいつらは怪人を見たら、条件反射で涎を垂らすねん。

島田:嫌だよ!そんな怪人を食いそうなヒーロー。

杉本:いや、怪人を倒したら、生魚を貰えるねん。

島田:アシカか!

杉本:ウエットスーツを着た司令官お姉さんがご褒美にね。

島田:うわ。ますます、アシカショーじゃないかよ!

杉本:司令官お姉さんは、そのがんばって戦隊を手なずける健気な感じと、濡れた髪の色っぽさが混じって、60点くらいのルックスなのに80点くらいにみえるのだ!

島田:いらねえよそんな情報!!まあ、言わんとするところはわからなくもないけどさ!

杉本:一匹の怪人に立ち向かう、涎を垂らした5人のヒーロー!

島田:怪人が可哀想に見えるよ!

杉本:そして、お前をヨダレレッドに任命しよう!

島田:最悪な名前だな!

杉本:ヨダレレッドの涎は赤いのだ!

島田:血じゃねえか!グロ過ぎるよ!子供には見せられないよ!

杉本:コスチュームとかないねん。判別はヨダレの色のみ。

島田:え?素の格好で、怪人見て血を垂らしてんの!?ヤバ過ぎるよ!

杉本:やっぱ、パブロフといえば、鈴や。

島田:何?まだあるの?

杉本:鈴をチリンと鳴らすと、条件反射で理性がふっとび、白目を剥いて素手で怪人の肉体を引きちぎっているのだ!

島田:サイコ過ぎるわ!

杉本:最後に決めゼリフやな。

島田:何だよ。

杉本:「誰か…僕を自由にさせてください。」

島田:重いよ!

杉本:がんばれ!ヨダレンジャー!!

島田:名前が変わってるよ!そっちの方がふさわしい気はするけども!

杉本:アカン?

島田:うん。ありえない。

杉本:じゃ、次。

島田:何?

杉本:将棋戦隊!

島田:将棋?

杉本:タオレンジャー!

島田:将棋でタオレンジャーってどういうこと?

杉本:一直線に並んでピンと直立した5人のヒーローが、将棋倒しの要領でバタンバタンと倒れて、最後は怪人を下敷きに!

島田:嫌だよ!そんな攻撃方法!

杉本:なんと過去にゴジラの足の小指を下敷きにして倒したこともあるという設定やねん。

島田:倒せるかッ!

杉本:決まれば一撃必殺なわけや。

島田:決まればな。絶対避けられるやろ!

杉本:うん。オープニングは一直線に重なり倒れるヒーロー達を怪人が足蹴にするシーンから始まるねん。

島田:惨め過ぎるよ!冒頭から見る気失せる!

杉本:でも、一撃必殺に変わりはないからな。起き上がるタオレンジャー、逃げる怪人。

島田:戦えよ!

杉本:すぐ攻撃出来るように、怪人の後ろを一直線になって追いかけるタオレンジャー。背すじはまっすぐ!

島田:おまぬけ全開だわ!

杉本:今だっ!倒れるタオレンジャー!避ける怪人!足蹴にされるタオレンジャー!起き上がるタオレンジャー!逃げる怪人!

島田:もういいよッ!

杉本:で、お前はリーダーのレッドに任命しよう!

島田:いらないよ!

杉本:リーダーのレッドは真ん中にいるのだ!

島田:挙句の果てに将棋倒しのつなぎ役かよ!

杉本:なあ。やろうや。全47話、ずっと最初の怪人と追いかけっこ。

島田:内容が無いに等しいじゃないかよ!

杉本:最終回、最後の最後まで追いかけっこを続けるタオレンジャーと怪人が叫ぶわけや!「誰か…僕を自由にさせてください!」

島田:もういいよそれッ!好きだなそのセリフ。

杉本:なし?

島田:なし。

杉本:じゃ次。

島田:まだあるわけ?

杉本:ミクロ戦隊!プランクトンレンジャー!

島田:却下―ッ!

杉本:なんで?

島田:すでにまともじゃない。

杉本:プランクトンレンジャーは5億人いるのだ!

島田:どんだけ多いんだよ!

杉本:プランクトンレンジャーにはレッドしかいないのだ!

島田:赤潮かよ!

杉本:よし。お前をプランクトンレッドに任命しよう!

島田:だから、レッドしかいないんだろッ!?

杉本:プランクトンレンジャーは怪人のエラに詰まって倒すのだ!

島田:もっとマシな攻撃方法はないのか!?

杉本:敵が現れたぞ!行くぞ!プランクトンレンジャー、発生!

島田:ヒーローの登場が発生って絶対おかしいだろ!

杉本:まるで血が染み出すようにどんどん水面に広がっていく赤色。

島田:なんか不吉だよ!

杉本:怪人の元へ急行だ!呼ぶんだ!潮の流れ!

島田:自力で移動出来ないのかよ!嫌だよそんな漂ってるだけのヒーロー!

杉本:来ないぞ!潮の流れ!

島田:呼べないのかよ!運任せなわけ!?

杉本:そっちじゃないぞ!潮の流れ!

島田:あらぬ方向へ行っちゃった。

杉本:腹を見せて浮く魚。頭を抱える漁業関係者。

島田:社会に対する損害が大きすぎるよ!

杉本:死んだ魚に群がるヨダレンジャー!

島田:お前ら出てこなくていいんだよッ!

杉本:ひとりポツンと待ち続ける怪人。

島田:律儀だな!怪人も!

杉本:大半が稚魚に食われるプランクトンレンジャー。

島田:食物連鎖の底辺かよ!

杉本:見かねて駆けつける怪人!

島田:親切だな!その怪人!

杉本:稚魚を追い払う怪人!

島田:すんげー、いい人じゃねえか!

杉本:プランクトンレンジャーがエラに詰まって死ぬ怪人!

島田:なんか、すっごく可哀想だよ!

杉本:「あーはははは!無様ね!」それを見て、見下したように高笑いをする司令官お姉さん!

島田:性格悪いな!司令官お姉さん!健気なキャラじゃなかったのかよ!

杉本:怪人をむさぼるヨダレンジャー!

島田:やっぱ、怪人を食うんじゃないか!

杉本:プランクトンレンジャーが鼻に詰まって死ぬ司令官お姉さん!

島田:笑ってたくせに、二の舞を踏んでんじゃねえよ!お前の方がよっぽど無様だしよ!!

杉本:鼻をフンッ!ってすれば助かったはずの司令官お姉さん!

島田:対処法簡単だな!!司令官お姉さん、なんで死ぬよ!!

杉本:もうほとんど骨しか残ってない怪人!!

島田:司令官お姉さんの悲劇をよそに、ものすごい勢いで怪人を食ってやがるな!!

杉本:最後、食うところがないから、エラのところまで食いに来て、ごっそり詰まってるプランクトンレンジャーが必死に叫ぶわけや。

島田:え?

杉本:「誰か…僕を自由にしてください!」

島田:いい加減にしろッ!

(終)


2組目 パピーゲバ







八十八

漫才/屋根裏部屋
米:どうも八十八です。

寿:「八十八」と書いて「べいじゅ」と読みます。

米:サンコン大会最終決戦ですよ。

寿:何の大会でしょうね。視力でも競うんですか?

米:まぁ、「しりょく」だけに死力を尽くして頑張ろうというわけですが。

寿:何とも言い難い事を言ってきますね。チャンピオン大会ですからしっかりしていきましょうよ。

米:そうですね。それにしても、家族っていうのは良いですね。

寿:そうですね。家族あってこその僕達ですからね。

米:優しいお母さん、厳しいけど優しいお父さん、親に反抗してるけど根は優しいお姉さん、その家庭を壊そうとたくらむ佐々岡さん。

寿:誰ですか?一番最後の悪者っぽい人。

米:悪者じゃないですよ。佐々岡さんですよ。

寿:いや、佐々岡さんはわかりましたけど。どういったご関係の人で?

米:我が家の屋根裏に住んでいる中年男性。

寿:居候とかですか?

米:いや、断りも無く勝手に住み着いてる人。

寿:追い出しなさい。警察に通報しなさい。
  なんで何も言わないで住まわせているんですか?

米:いや、一応ビシッっと言いましたよ。

寿:何と言ったんですか?

米:「家賃はしっかり貰うからな。」

寿:住むことは認めちゃったんですか。
  っていうか他人の家の屋根裏部屋に住んでいる人が、家賃を払うほどのお金を持っているかわかりませんけどね。

米:とりあえず、出世払いで契約しました。

寿:仕事していらっしゃるんですか?佐々岡さんは。

米:無職。

寿:じゃ、出世払いも何も無いじゃないですか。

米:いや、ですから、頑張って警察に入り、殉職して2階級特進した所で払ってもらうんですよ。

寿:それはもう出世払いじゃないですよ。遺産相続ですよ。
  っていうか赤の他人の遺産を相続しないでほしいですけれども。

米:まぁ、とりあえずそんな佐々岡さんが、僕達の家庭を壊そうとしているんですよ。

寿:どのようにしてですか?

米:食器洗いしたり。

寿:・・・・・・・。

米:掃除したり。

寿:・・・え?ホームヘルパーさんとかじゃなくて?佐々岡さんは。

米:無職。

寿:でも、家事をこなしてくれているんですよね?それのどこが家庭を壊すことに繋がっているんですか?

米:家事はお母さんの分担って先祖代々伝わってるんですよ。それなのに・・・・。

寿:いや、いいじゃないですか。時代は変わるものですよ。

米:でも、基本的には良い人ですからね。佐々岡さんは。

寿:あぁ、そうなんですか。
  どのような人なんですか?佐々岡さんは。

米:なんか、気持ちが良くなる薬とかくれるし。

寿:ん・・・・・ちょっと危険な香りがしますが。

米:いえいえ、いい香りですよ。吸ったら快感を得て病み付きになっちゃう薬なんですよ。

寿:警察に突き出しちゃいなさい。

米:でも、佐々岡さんは警察に行くことを頑なに拒んでいらっしゃるから・・・。

寿:そりゃ、誰でもそうですが。

米:「警察に行ったら、もう薬物あげないぜ」って言われちゃったら・・・・。

寿:・・・・佐々岡さんが警察に御用になったら、米さんも一緒に捕まっちゃいそうですね・・・・。それは避けたい・・・・・・。
  解りました。佐々岡さんは良い人です。

米:ありがとうございます。今度、佐々岡さんにもらった白い粉をわけてあげますよ。

寿:それはご勘弁願いたい。
  とりあえず、佐々岡さんのことをもっと知りたいので教えていただきたいのですが。

米:そうですね、服はいっつも赤ですね。

寿:うーん・・・・まぁ、佐々岡といいますと広島東洋カープの投手に佐々岡って人がいますから、イメージカラーが赤というのもうなずけますが。

米:一説では、返り血を目立たなくするためだとか。

寿:何をしてるんでしょうね?屋根裏部屋で佐々岡さんは。

米:わかりませんねぇ。僕達一家は、佐々岡さんの言うがままに屋根裏部屋に縄で縛った人を運び、佐々岡さんから変死体を受け取る作業をしているだけですから。

寿:・・・・・・・・確実に殺人的行為をしているようにおもいますが・・・・・。

米:変死体を受け取る際に、佐々岡さんは「この人死んでいるけど、正当防衛だから気にしないで」って言ってますから大丈夫ですよ。

寿:縄で縛られた人に正当防衛を強いられるまで追い詰められる事などないでしょう。

米:なぜかいつも佐々岡さんは無傷ですね。

寿:だろうね。

米:後ろで北別府さんも微笑んでましたし。

寿:えっ?誰ですか?

米:死体処理班の代表者。

寿:あぁ、そんな班まで組まれているんですか。
  死体処理班ってアレでしょ?隠蔽工作とかするわけでしょ?

米:隠蔽工作及びとどめ担当。

寿:北別府さんは完璧にブラックリスト入りだね。こりゃ。
  もう、そういう事実を知っちゃったからには黙ってられないですよ。警察に通報とまでは言いませんから、佐々岡さんと北別府さんを外に追い出してしまいなさい。

米:その二人を追い出しても、まだ屋根裏部屋には猛者が沢山。

寿:もう全員追い出しなさい。そして即刻その輩と係わっていた事実データをこの世から消し去りなさい。

米:そんな事をしても、外木場さんがすぐにデータを拾い上げますよ。

寿:あぁ、もう続々と出てきますね。で、誰ですか?その外木場さんというのは。

米:僕の家の屋根裏部屋のトイレに引きこもっている情報屋です。

寿:何で屋根裏部屋なんかに使用頻度が低いトイレを作ったんでしょうね、建設関係者は。
  で、何ゆえその外木場さんはそのトイレに引きこもっているんですかね。

米:そのトイレには世界からの情報がドンドンと入ってくるという・・・。

寿:ぅゎ、世界の情報は米さん宅のトイレ中心に回っているんですか。
  一体、あなたの家の屋根裏部屋は何なんですか?猛者が集ったりして。

米:実は、僕の家の屋根裏部屋は天下一武道会の会場なんです。

寿:はい、バーカ。もういいです。

米:そこで佐々岡さんは、相手選手を料理したり掃除したりしているわけです。

寿:おつかれさまでした。

2人:八十八でした。


3組目 八十八







市河:お疲れ様でした。3組の熱演は終わりました。

碓氷:今回、審査員の皆さんには銀色のボールを流してもらいます。

市河:銀色!?

碓氷:しょうがないじゃん。それしか色無いんだから。

市河:あ、そう・・・。

碓氷:で、審査方法ですが最もチャンピオンに相応しいと思った一組にだけ投票してもらいます。

市河:では、いきましょう。麒麟145がチャンピオンに相応しいと思った皆さん、どうぞー!



碓氷:さあ流れてます、流れてます。いい感じですよ・・・・・・・・・・はい、そこまで!



市河:続いて、パピーゲバがチャンピオンだ、と思った方、どうぞー!



碓氷:バケツにボールが吸い寄せられていきます。止まる事無く入ってきます・・・・・・・・・・はい、そこまで!



市河:最後、八十八こそチャンピオンだと思う皆さん、どうぞー!



碓氷:着々とボールが集まってきます。最後の一個・・・・・・・・・・はい、そこまで!



市河:いよいよ、運命の計量へと参ります。

碓氷:それでは皆さん、カウントダウンをお願いします。












 


 


 


 


  いざ、計量へ!